ヒンダルフィヤ山脈...2
リアルが忙しく投稿が遅れ、読んでいただいてる方々には、本当にありがたく、申し訳ありませんでした。
落ち着くのに、もう少し掛かりそうで、隔週での投稿となります。(隔週土曜日)
また、読んでいただけると、大変うれしいです。
拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。
ヴィと一緒に、ギルドへと入る。
昼過ぎと言う事もあってか中は、受付や酒場に冒険者が疎らに居る程度だ。
約束の時間帯に、大分遅れてしまったが---あっ、居た居た。
視線をギルド内の酒場に向けると、そこにブレナン達が座って待っていた。
俺が気付くと同時に、ブレナンも俺達に気付いてくれた。
「おぉい! ジーク、こっちだ!」
ブレナンが手を上げて、呼んでくれている。
俺も手を上げて応え---。
「すまない。 遅れてしまって---」
「ん? ああ、大丈夫だ。 俺達もさっき、此処へ着たばかりだ」
「そ、そうか。 それなら良かったが」
「もう少し遅いと思って、軽く飲んでたんだが・・・お前もどうだ?」
「いや、俺はいい」
ほっ、待たせた訳ではないようだ。
「そうか? まあ、気にするな。 って、よぉ!ヴィちゃん・・・って、かっ、顔色悪くないか? その辺で何か、拾って食ったのか?」
「え、ええ・・・ふぅふぅ・・・心配してくれて、ちょっと走・・・!? って、ち、違うわよっ! てか、何で拾い食い限定なのよ!」
「ぶぅっ! はははっ、おお、おお。 まあ、そんだけ元気なら、体調に問題は無いみたいだな」
「あ、当たり前よっ! ちょ、ちょっと走ったから、疲れてただけでって、もう!それもこれも、ジークの所為で---」
「ははっ、分った分ったよ。 どうせ、ジークが俺達を待たせてると思って、全力で走ったのに付いてきたんだろ? そうむきになりなさんなって」
失礼な! 『普通に走って来ただけだ』と、内心毒づくてると・・・。
「あっ!でな、お前らが来る前に、一昨日仕留めた獲物を、回収しに行ってたんだが---」
「ん? ブレナン達だけで、行ってきてたのか? なら、前もって言ってくれてれば---」
「ああ、いいんだよ。 運び屋と現地まで行って、印を付けた獲物を回収してくるだけだ。 たいした労力が要るわけでもないし、俺達だけで同行すれば十分なんだよ」
「そ、そうなのか?」
「まあ、次からは一緒に行くから、そう拗ねなさんなって、な?」
「べ、別に拗ねてるわけじゃ・・・ただ、俺は---」
普通に話してたつもりだが、不服そうな顔でもしてたか?
「あ~、はいはい。 分ってるって、ほんとジークもヴィちゃんも、からかい甲斐があるよな。 なぁ?」
「がぁっははははっ、若いと言うのは、それだけで良いもんだ!」
「ぼそっ・・・」
「そうだねぇ~。 まあ、これからも付き合ってくんだし、あたし等としてはこれぐらいの反応してくれた方が、丁度いいのかも知れないねぇ~~」
ブレナンだけじゃなく、オーロフ、スヴェン、アイノまで・・・ってか、スヴェンは何て言ったんだ??
「さあ、さあ、これぐらいにして、本題を話しておくかな」
「本題って・・・」
「ん? そりゃあ、報酬に決まってるだろう? さて、内訳だが---」
まず、この地に着てから討伐した。
氷雪岩亀が金貨1枚・水晶猪が大銀貨5枚、他、狼型・兎型・鳥型などの小型・中型の魔物はまとめて銀貨38枚と大銅貨24枚。
後、当初の魔物討伐に対する、要請への参加料が大銀貨1枚。
一人当たりの報酬は、大銀貨2枚、銀貨11枚、大銅貨7枚、銅貨20枚、端数はブレナン達にとしても、たった一日の報酬としては破格な・・・ってか、サロの討伐の時より良くないか??
これで手持ちの資金は、『金貨0枚、大銀貨2枚、銀貨16枚、大銅貨52枚、銅貨22枚』と、ふぅ~・・・さっきの買い物の後もあって、この収入で当面の生活は助かるな。
まあ、この後も暫らくは討伐を続けるから、資金面は充実できそうで良かったと思おう。うん!
「さて、報酬も分け終わった事だし、今日はこれで解散して明日から、討伐再開とするが・・・問題ないな?ジーク?」
「ああ、問題ないぞ・・・ん? 今日はこれから、討伐に行くんじゃないのか?」
「んんにゃ、今日は獲物の回収と、報酬の分配だけだぞ? 今から行ってたんじゃ、すぐに日が暮れちまうぞ。 って訳で、よし! それじゃあ解散して、このまま飲みにでも行くか?」
「おいおい、まだ昼過ぎだぞ?」
「なんだよ。 硬い事言うなって・・・ったく、変なとこでジークは真面目と言うか---」
冒険者だから縛られないと言うか、自由と言うか俺が呆れてると---。
「がぁっははははっ! そうだ!そうだぞ! ちまちました事言わず、魔物を討伐したら報酬を貰い。その報酬で飲んで食って、生きて帰れた事に感謝するんだ! パァー!っと使って喜べ! なんならここで、一杯飲んでいけば構わんだろう?」
「ぼそっ・・・・・・」
「ん゛? なんだスヴェン? 毎回毎回、はっきり喋れ! 聞こえんぞ! 大体だな---」
あ~、またオーロフとスヴェンがと思ったら、横からアイノが二人を遮って---。
「あ~、はいはい(パンパン!)。 ほらほら、ジークも呆れてるじゃないか。 おっさん達の相手はあたしがしとくから、ジーク達は帰って明日の準備でもしときな」
「そうだな。 まあ、今日集まったのは、報酬の受け渡しだけだ。 俺達は此処で飲んだら、他へ移動してまた飲むから、ジーク達は適当に飯でも食って、明日に備えとけ! 明日日の出前に、此処に集合だからな」
「ああ、分った。 日の出前だな。 じゃあ、俺達はこれで---っと、忘れるところだった」
「ん? どうした?」
「いや、その・・・」
「何だ? 何か言い辛い事でもあるか?」
「あ~、しょ、紹介したいと言うか、会わせたいと言うか・・・」
「紹介? 誰か着てるのか?」
「着てると言うか・・・」
う~ん。 何て言ったら良いんだ? ヴィを見ても、顔の前で手をぶんぶん振って、わたしに話を振るなっ!て感じでって、元はと言えばヴィが言い出した事だろ? ったく・・・・・・。
「いや、その・・・し、知り合いと言うか---」
「? 知り合いって、そういやジークが何処から来たか、全然知らないが・・・まあ、そういった事を詮索しないのも、冒険者の流儀だしな・・・で、その知り合いは何処に居るんだ? 連れて来てるんだろ?」
「あ、ああ、外で待たせてるんだが、呼んできても良い、か?」
「良いも何も、ジークの知り合いなら、変な奴じゃないだろう? さっさと、此処に連れて来いよ」
「わ、分った。 ちょっと、待っててくれ。 ヴィ、行くぞ」
「あっ、うん。 ま、待ってよ~~」
ヴィを置いて先に外に出て目線を彷徨わせると、入り口横直ぐの所で邪魔にならないよう固まって待っていた。
出てきた俺に気付いた二人は近寄ってきて---。
「あ、あの、随分早いですが、何か、あ、あったんでしょうか?」
「ああ、いや、そう言うわけじゃなくて、二人の事を話したら連れて来いって---」
「あっ、あの!」
「うん? ど、どうかしたか?」
「い、いえ・・・あの、その、だ、大丈夫でしょうか?」
「おぉ、うん。 まあ、悪い奴らじゃないし、お前たちの事を知らない訳だから、そんなに気にする事ないと思うぞ?」
「そう、でしょうか・・・」
「なんだ? 俺を信用できないか?」
「いえ! そういう、わけじゃ、ないんですが・・・」
段々、言葉尻が萎んでいってるが・・・まあ、不安なのは仕方ないしな。
そこに遅れてヴィが---。
「ちょっとジーク! 置いてかないでよっ!て・・・どうかしたの?」
「ん? いや、二人とも緊張してるんだよ」
「そ、そうなの?」
「あ、いえ、その・・・」
「まあ、とにかく会ってくれ。 この街に居る間は、どうしても付き合う必要はあるんだし」
「は、はい・・・」
「さっ! 中へ入ろう」
若干渋る様子の二人を連れて、再度ギルド内に入りブレナン達の所へ。
ギィイイイイ・・・キィイイ、パキッ! ミシミシミシ・・・・・・
あっ! ゆ、床・・・だい、じょうぶ、だよな?
一歩ごとに床材が軋む音が聞こえるが、そこは日々大勢の冒険者が来るギルド、床材の強度的には大丈夫そうだ。
内心床が抜けないか冷や汗かきながら、再びブレナン達に合流し---。
「おっ、早いな。 で、そっちの二人が、ジークの知り合いって言う---」
「はっ・・・はい。 あの、えっと・・・その・・・」
ブレナンに話を向けられ、言葉が直ぐに出てこないみたいだが・・・。
ぎゅっ!っと手を握り締め、一呼吸置いて---。
「わっ! わわ、わたしは・・・タタ、タ、ターニャ・・・です。 で、こっちは連れの---」
「こっ、こここ、こっ!」
「こここ?」
「コッ! ココッ、コゥでふっ!」
あっ、噛んだ・・・盛大に、噛んだな。 コゥは顔が真っ赤になって、ターニャの後ろに隠れてしまった。
ま、まあ、知らない人族を前に巨人族、それも奴隷ってのがバレるんじゃと、それ以外にも内心の緊張は凄いものだろうし、まあブレナン達にそれが分るはずも無いんだが・・・。
で、肝心のブレナン達の反応は。
「「「「・・・・・・」」」」
あれ? スヴェンは俯いて小刻みに震えてる。
アイノは口に手を当てて、何かを我慢してるみたいだ。
オーロフは髭面の頬が膨らんで---。
「ぷっ!」
「くくくっ」
「ぶぅ~~、ぶふぅっ!」
「がぁははははっ!」
「ひぃぃっひっひぃ~~」
おぉう!! びっくりした。 皆が一斉に噴出して、机叩いたり、お腹を押えたり、笑い転げてるんだが・・・。
一頻り笑い声が上がった後---。
「くくくっ、ああ、すまんすまん。 あまりにも、素直と言うか、純粋と言うか」
「そうだね~。 あたし達にもそんな時が---」
「ぐはははっ、素直なのは良い事だ! だが、アイノは最初からこうだがな!」
「ああぁん、オーロフ? もしかして、喧嘩売ってんのかい? それとも耄碌して、呆けちまったのかい?」
「なんだと!」
「なんだい!」
「ああ、はいはい。(パンパン!) 仲が良いのは分かったから、じゃれるんなら余所でやってくれ」
「ちょっ、ブレナン! あたし達は別に---」
「分かったって、はぁ~~~。 で、ターニャとコゥだったか?」
「あっ、は、はい!」
「はひぃっ!」
「ふっ、まあ、そんなに緊張すんなって・・・で、ジーク? 出自や個人を詮索するのは、冒険者の流儀に反するんだが、この二人とはどういう関係なんだ?」
「ああ、ターニャは俺の---」
「許婚か?」
ブレナンが食い気味に、言葉を重ねてきたが・・・許婚? 何言ってんだか、ほらヴィなんか厭きれて、口あけて固まってるぞ。 ん?いや、口をぱくぱくさせてって、何それ?楽しいの??
「!!? なっ、なっ、なっ! ななななぁ------------っ!!!!」
To be continued...
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