人族...閑話2
話の途中ですが、ちょっと差込ます。
よろしくお願いします。
異世界へ召喚され、早数ヶ月が過ぎていた。(こっちでも、ヶ月って単位かな? 日の巡りは、そんな感じだけど・・・)
その間は、戦闘術や魔術を学んで過ごした。
後で知ったんだけどロルーさんって、この国の騎士団長とかで凄く偉い人だった。 知った後って微妙にギクシャクしたけど、気さくに接してくれ俺達の教育係りとして、知らない世界での心の拠所になったよ。 ホントに!
で、今は俺と聖火が、ロルーさん相手に模擬戦の真っ只中。
身を守る防具は訓練用の簡易な物だけど、鎖帷子、皮製の鎧、肩当、肘当、篭手等、部分部分に金属補強した物を身に付け、武器は俺が長剣を、聖火は斧槍を選んだ。
毎回訓練後に、二人で考えたコンビネーションで、得物を振りかざし襲い掛かって行く。 当然、刃は潰されているけど、当たれば怪我だけでは済まない・・・。
「はあぁぁぁっ! くっ・・・」
「しゅっ! だあぁぁりゃっ! おわぁっ!?」
俺や聖火が繰り出す攻撃も、ロルーさんには全てかわされ、弾き返され続けている。
聖火が続けざまに突きを繰り出し、リーチを活かして上段から振り下ろすと・・・。
「おりゃりゃっ! どぉぅりゃぁっ!!」
「甘いっ!」
「なっ!? ごふっ・・・」
かわし様に斧槍を踏みつけ、勢いのままの強烈な跳び蹴りが、鳩尾へと入り吹き飛ばされていった。
聖火が地面を転がり滑るのを横目に、俺はその隙を突いて背後から切り掛かったが・・・。
「もらったぁ!」
「ふんっ!」
「ふぇぁっ!? がはぁっ・・・」
振り向き様の切り上げで剣が弾き上げられ、がら空きの胴へと岩のような拳が叩き込まれた。
俺はその場で膝を着き、痛みに苦しみながらも、吐き出した息を必死に吸い込んだ。
「ぐっ、ぐぅぅ、げほっ、ごほっ・・・はぁはぁ」
少し落ち着いてきたところで、視線を上げると聖火も、仰向けに転がりながら、苦しそうに息をしている様だった。
「では、今日は此処までにいたしましょう」
ロルーさんの一言で、今日の模擬戦は終了となった。 結局、一太刀も掠らなかった・・・。
聖火も起き上がって、此方に歩いてきていた。
「いつつつつっ・・・もう少し、手加減してくれよ」
「キヨシ殿、手加減したのでは、訓練にはなりませんぞ?」
「分かってるけど、てててっ・・・ああ、駄目だったかぁ~。 今日こそはっ! って思ったんだけどなぁ~」
「そうだな。 敵うわけ無いけど、そろそろって思ったよな。 けほっ」
「そうそう。 二人掛かりでも、結局掠りもしないんだからなぁ~」
「ははっ、そうでもございません。 御二方とも心身供に成長なされ、一歩一歩戦士に近づいておられます。 実践を意識した重量の防具で、動きも良くなり始めておりますし、初めてお会いした時から、十分に御強くなられております。 自身を持たれよ」
「そう言われてもなぁ~。 なあ、明星?」
「んだな。 はははっ」
強くなったと褒められても、まだ一度も勝てていない状況では、喜んでいいのやら、情けないやらだし・・・防具があっても、めちゃくちゃ痛い。
ドオォォン・・・・・・ッ!
っ!?
っと、そんな会話をしていると、隣の訓練場所から爆発音が響いてきた。
訓練所を隔てる壁は、結構な高さがあるはずなのに、頭上から土塊がパラパラと降ってきた。
恐らく真沙輝が、魔術を行使したんだろうけど・・・。
ロルーさんと供に、隣の訓練所へ向かってみる。
直ぐ隣なので入り口を潜ると、丁度土煙が晴れてきたところで、その先に真沙輝と筆頭魔術師アナイア・リュ・ヤルヴィネンが居た。
俺と聖火は余り適正が無かったようで、使えない訳でないが戦闘で行使するには至らなかった。 真名を感じるってのがなぁ~・・・。
代わりに真沙輝は其方に適正があったようで、それなりに複雑な連続での行使や、複数同時も行使できて教える側も驚くぐらいだった。
「よお、真沙輝」
「ん? 聖火に明星か、そっちの訓練は終わったのか?」
「ああ、完敗完敗。 今日も、まったく歯が立たなかった。 はぁ~」
「俺も、少しはいける。 と、思ったんだけどな~」
「そうか・・・で、こっちに来て、どうしたんだ?」
「いや、お前が派手にやってるから、どうなってるか見に来たんだよ」
「だな。 凄いじゃないか」
「煽てるな」
いや、実際に凄いを通り越して、ヤバイって感じしかしないぞ?
訓練場のど真ん中に、大きな穴が開いてるだから・・・。
俺と聖火が泥臭くやってる中、真沙輝は術の理を理解して、先へ進んでいると思うと、若干の焦りも感じてしまうよ。 息をするように、真名を扱ってるし・・・。
俺達の此処での生活は基本的に訓練が主で、模擬戦以外にも基礎訓練(体力作り)や、この世界・国に関しての講義や、書物等を通して学ぶ時間が別途設けられた。 何か、合宿みたいだ。
そうした中で、世界が置かれている状況、何故俺達が召喚されたのか、俺達が何を望まれているのか、それらを教え込まれていった。
◆◇
神々より継がれし物語。
原初、世界はただ闇に包まれていた。
ある時、生命の始まりの火と氷が現れ、闇と霧の国と、炎と熱の国の、二つの世界だけがそこに存在した。
時が流れ、生命の始まりの火と氷から、原初の巨人が誕生した。
更に時は流れ、三柱の神々と、巨人達が誕生した。
その時には原初の巨人は年老い、三柱の神々は原初の巨人が亡くなった後、その体で大地を創り、その血で海・川を、その骨で石を、その脳で雲を、そして頭蓋骨で天空を、それぞれ創りだした。
炎と熱の国の炎は、天空に舞い上がり瞬く星々を形作った。
更に三柱の神々は小さな苗木から、他の神々や人等の様々な種族を創りあげていった。
そして、その小さな苗木は長き時の流れより、世界樹としてこの世界を九つに別ち支えた。(この時に、俺達が召喚された。 第二層:人間の大地『メディテラ』が出来た)
三柱の神々によりこの世界は、命に溢れ輝きを放っていった。
しかし、三柱の神々は共に生まれた巨人達を、巨大な山脈で隔てた不毛な東の地へと追いやり、神々や他の種族から遠ざけてしまった。
それに怒った巨人達は、三柱の神々を含む全てに戦いを挑んだ。
巨人達との戦いの最中、神々同士も互いに争い、様々な種族を巻き込み、長きにわたる戦争となった。
この争いに疲れた神々は、巨人達や様々な種族と、共に和解し今の世が築かれた。
神々は理をもって自然・世を秩序で治めようとしたが、ある神が巨人達を唆し、怪物達を嗾け、それらを乱し混沌と無秩序へと誘おうとした。
新たな戦争を起こそうとした神は、その手足をドワーフの作った紐で岩に縛られ、頭上には毒蛇の毒が滴り落ち、苦しみを与えられつつ洞窟に封じられた。
こうして、新たな争いは未然に防がれたが、その際に一柱の神が犠牲となった事で生まれた歪から、世界の秩序が乱れ、様々な種族との争いが増え世界が混沌とし始める。
そんな中、三柱の内の一柱が知恵の泉の水を飲み、いつの日にか封じられた神がその戒めを解き放ち、巨人達と共に神々が滅びる運命を見てしまう。
そして神々の手によって世界は崩壊へと向かい、全てが滅び去った後には新たな世界が誕生する。
◆◇
神々の争いによって生まれた歪と混沌、俺達はそれらに抗うため、人族へ安寧を齎すため、希望と言う名の新たな世界へ導くこと、それが召喚された理由と・・・・・・。
そうこうしている内に、その日の訓練や講義は全て終了した。
宛がわれた部屋へ帰ろうとすると、使いの人が来て・・・。
「異世界の方々、王が御呼びでございます。 唯今より、謁見の間へお越しを」
「今からですか? ・・・分かりました」
「恐れ入ります。 では、此方へ」
俺達は呼び出され向かうことに・・・って、あの空間て居辛いんだよな。
王とは召喚された数日後に、一度だけ謁見の間で会っているけど、何処か諦めたような、疲れたような、影があるその顔は、映画やアニメに出てくる王様とは、全然違った雰囲気だったなぁ~。
そんな事を思い出してると、謁見の間の扉前に到着していた。 巨大な扉が内側へと、重々しく開いていく。
扉が開ききった先、間の中には騎士団の他に、貴族や文官が既に揃っていた。
扉の開いた先には俺達が居るんだから、全員の視線が一斉に俺達に向かって注がれる。
好意的な目、好奇の目、嘲笑の目、疑念の目等、色々な感情が綯交ぜになった・・・やっぱ、この空間も空気も、慣れないし、慣れたくないわぁ~。
そんな中を進み出、玉座の前で跪き王の入来を待つ。
俺達が跪くと間もなく、王の入来を告げる声が上がる。
下を向いたままだが、人の歩く気配の後に、玉座に腰掛けたのが分かった。
そして・・・。
「表を上げよ」
顔を上げると視界に、覇気の無い王の顔が入る。
人間の大地『メディテラ』を治める王 ハラルド・メディ・レクス・シグルド。
大きな声では言えないが『灰色の人』と、揶揄されるほどに何にも関心を示さない。 凡庸な君主と、陰で囁かれている人だ。
その隣には、王妃 エリエロ・メディ・レーギーナ・シグルドが微笑を湛え、宰相 ラウヴィーラが脇に控える。
気だるげに、王が言葉を発する。
「息災でなによりだ」
「ありがとうございます。 王のお陰をもちまして、日々鍛錬に励んでおります」
「うむ。 して此度その方達を呼んだのは・・・ラウ何だったかな」
「はっ、遠征の話でございます」
「ああ、そうであったか・・・任せる。 宰相が伝えよ」
「ははっ! 王に代わり告げる。 その方達には早々に、我が騎士団を伴っての遠征を命じる」
「はぁ・・・遠征、ですか?」
「左様。 そろそろ、訓練や講義にも飽きたであろう。 経験を積み力を付け、王の為、人族の未来の為に、外界で魔物を討伐せよ」
「はぁ・・・」
「騎士団長ロルー!」
「はっ! 御前に!」
「その方に、人選は任せる。 近日中に人員と準備を整え、かの者達を送り出すのだ」
「はっ! 承知いたしました!」
「各貴族はかの者らが、自領に立ち寄った際、最大限の支援をせよ。 皆よいな」
「「「承知いたしました!」」」
「王の命は下った。 各自早々に下がり、王の命を実施せよ」
「「「ははぁ~・・・」」」
「ラウ、以上か?」
「左様でございます」
「うむ。 では、わしはロサの世話があるでな」
え~っと、言うだけ言うと、王は早々に下がっていったよ。
召喚されてからずっと城の中に居たけど、えらく唐突に外へと送り出そうとするな。
まあ、城の中以外は見たことが無かったので、この機会に外の世界も見てみたいし、特に異論は無いんだが・・・。
王が退室した後の謁見の間から、ロルーさんに伴われ別室に移動した。 そこで今後について、話し合うことになった。
「急な話で、すまないな・・・」
「いえ、ですが・・・魔物の討伐とは」
「ああ、宰相を初め有力貴族は君たちの事を、実力を含め疑っている。 と言うより、信用していない」
「あん?! 自分たちで呼びつけといて、何なんだよそれはよぉ!」
「聖火、落ち着け」
「これが、落ち着いてられるか!」
「すまんな。 君たちを呼び出した事に関しては、実は神官達の独断先行が大きいのだ」
「んだよそれっ!」
「聖火!」
「へいへい・・・」
真沙輝に諌められ、聖火が不貞腐れる。
「君たちの存在は、神々の力が働いた結果と、それを認めざるを得ないのだが、滅びの運命に抗い新たな世界へ導く。 とは、宰相達は考えていないのだ。 あくまでも、自分達の力で、と・・・」
「しかし、わたしは寧ろ君たちと触れ合う事で、そう言った思惑は別にしても託してみたい。 そう思い始めている事は、覚えておいて欲しい」
「・・・で、俺達は、どうなるんですか?」
「まずは騎士団の中から、十人前後付ける予定で考える。 それ以外にも人員は確保するつもりだが、補給等は基本現地調達と思ってくれ」
「あ、えっと・・・俺達は、分かれて行動ですか? 一緒に行動ですか?」
「当然、三人一緒でだ」
「そう、ですか。 良かった・・・」
「同郷の者を別つのも辛いし、其々が前衛、中衛、後衛を出来る。 今後も供に活動する事を考えれば、連携面でも一緒に行動してもらうのは当然だ」
「よっしゃ!明星、いけ好かねえ奴らに、俺達の実力を見せてやろうぜ!」
「はぁ~、聖火。 危険が伴うことを、もっと真剣に考えろ」
「ああん? 真沙輝、何言ってやがる。 漫画の中の世界が、目の前に迫ってるんだぞ? ゲーマーとしての俺の実力を、黙って見てろってんだ」
「馬鹿か? これの何処が漫画やゲームなんだ。 大体な・・・」
そこからはお決まりのパターンで、聖火と真沙輝の言い合いが始まり、ロルーさんも横で苦笑してる状態が暫らく続いた・・・って、はぁ~。
翌日からは、慌しい日々が始まった。 訓練を続けながらも、同行する人選に続き、向かう先の選定等々、あっという間に数日が過ぎ去った。
そして遂に、外の世界へ出発する日になった。
改めて、装備品を与えられた。 全て希少な、魔銀鋼を使った物だ。
ドワーフと言う種族が鍛えた、青みがかった銀色の金属で、鋼より軽く強いと言われてる。
しかもこの金属って、真名との親和性も高いとか、なんとか・・・。
で、実際に装備してみると確かに、重量等に違和感は感じられなかった。 寧ろ、動きやすいくらいだ。
装備内容として、全て魔銀鋼製の・・・
俺は、長剣に予備として短剣、鎖帷子、胴鎧と肩・腰・肘・膝当(鎧と肩当は首と喉回りにかけて、突起物で覆われている)、篭手で構成された板金鎧に、少し大きめな形状の小盾。
聖火は、斧槍以外は俺と同じだけど、左腕全体を覆う形状が特徴的な防具。 武装が槍メインだから、盾を持てない事への対処みたいだな。
真沙輝は、先端が鎌の様な形状の杖(?)に、濃紺の丈の短い外套、中に鎖帷子と胸部と背部だけの胴鎧。 杖の先端付近には、複数色の宝石が付いている。 綺麗だけど、何の意味(効果)があるのかな? 文字(?)も、沢山刻まれてるし・・・。
ロルーさん達騎士団以外に、特に見送りらしいのは無く、城門を潜って外に出て行く。
「アキラ殿、キヨシ殿、マサキ殿、十分な成果と無事の帰還、心より願っておりますゆえ。 努々、ご無理なされませぬよう」
「はい。 随行いただく方々の意見や、判断を尊重して行動します。 無理なんて、出来ませんよ。 ははっ」
「・・・では、お気をつけて」
「はい! 行ってきます」
そうして、俺達は旅立って行った。
構成は俺達を入れて、十二名の大所帯だ。 基本全員歩きなんだけど、荷馬車とは別に馬が二頭随行する。 馬は先行しての偵察や、連絡に使用するんだってさ。 荷馬車も思ったより、ずっと大きい物だった。 まあ、全員の数日分の食糧に水(馬含む)や、飼料も持ってくとなるとね。
で、向かう先なんだけど、一応北を目指すことにした。 理由として北の山脈付近に巨人族が出没する事と、魔物の量も今居る南側とでは比較にならない程多いから・・・って、未経験者送込むか?普通。
その後数日間は、随行してくれる騎士団の支援もあって、道程自体は順調そのもので、途中ゴブリンや獣の魔物等それなりに討伐しつつ、そのまま街道沿いに北上を続けていった。
魔物や獣なんかも訓練の成果か、特に危険になる事も無く、危なげなく倒すことが出来た。 まっ、騎士や魔術師が、それとなく手助けしてくれたからだけど・・・。 ただ、ゲームやアニメなんかと違って、実際に目で見て生きてる相手を前にすると、最初は恐怖や戸惑いで動けなかったのと、剣で切った後の血や内臓を目の当たりにすると、その場で何度も吐いちゃったりしたけど、それも段々と慣れ気にならなくなったな。
後、野営なんかはキャンプみたいで楽しかったけど、夜番を交代で行うのは辛かったなぁ~。 翌日、眠いのなんのって・・・。
そして更に数日が過ぎた頃、立ち寄った村落を暫らく拠点にし、森や近隣の魔物や獣を掃討する事になった。 大分戦闘にもなれた俺達は、其々別れて森やその周辺へ。
組み合わせは、俺、聖火、真沙輝に、騎士二名と魔術師が付く形だ。
森などの狭い空間は魔術が扱い辛くなるので、真沙輝の組は森の入り口付近など、比較的開けた空間で行動して、俺と聖火の組は森の奥へと向かった。
最初はお互いが視認できる間隔で歩き、山間部の奥へと入り日が中天を越えた頃、俺達は森の中で魔物の集落を見つけた。
「アキラ殿、魔物の住処です」
「ああ、分かってるよ。 で、如何する?」
「このまま此処でお待ちを、キヨシ殿を呼んでまいります」
「うん。 分かった」
「我らが合流後にこのまま接近し、風上より魔術にて火責めにいたします。 そこから左右に展開包囲しつつ、漏れ出た奴を我らで仕留めましょう」
「オッケー。 じゃあ、任せた」
「では」
そこから聖火と合流し、騎士一名と魔術師一名が左右から、魔物の集落の風上に向かって行く。 火を放った後は、側面から掃討する。 残った俺達は風下から、集落に向かって進んでいく。
そして、火の手が上がり、魔物達の慌てる声が・・・。
俺はこの時、調子に乗っていた。いや、感覚が麻痺していた。 一方的に殺戮を行い、抵抗らしい抵抗も無く屠りながら、燃え盛る魔物集落内で集合し・・・。
「アハハハハッ、弱いな~~コイツら~~? こんなのが、本当に脅威なのか~~?」
「そうです。放置すれば、何れ人里を襲います。 魔物と言う存在は、そういう物なのです」
「ふ~~ん。そっか、分かった。 俺達はコイツ等を討伐しつつ、力を付けていけばいい!?」
「!っと、っぶないな~。よっと」
『グギィイイイイイイ・・・・・・』
「弱いくせに、不意打ちとかって・・・どうなの?」
「相手は魔物。狡賢く、狡猾ですので、最弱とはいえども・・・」
「あっ、ごめんごめん。ちょ~っと油断しちゃったよ。気をつけるね」
「にしても、護衛の騎士2人と、魔術師の君だけでも、十分討伐できるんじゃね?」
「はい。討伐は可能ですが、そもそも経験を積んでいただく事が目的で・・・」
「ああっ! そういえば、そんな事言ってたな~。ははっ」
離れた場所かで、物陰からもう1人の騎士が現れ、ちょうど魔物と鉢合わせしていた。
躊躇することなく剣を振り下ろしたが、間一髪のところで魔物がかわしていた。
「シィッ! 何だ、子犬が一匹か・・・」
「グゥゥゥゥッ・・・」
「あれ? そんな所に、もう一匹いたんだ~? 見落としていたのか~」
「いえ! 気配を殺して、何かを探していたようですが・・・」
「そうなの? ふ~ん・・・で、お前なにしようとしたの~」
そう・・・それが、あの運命の出会い、邂逅だった。
To be continued...




