港街と教会...2
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拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。
<毎週土曜日掲載>
果てなく続く黄金の空間で、男のモノとも女のモノともつかない声が、途切れる事無く頭に響き続ける。
『『質問に答えよ』』
『『忌みし獣が、我らが封を解き、何故此処に居る』』
『『答えよ。答えよ』』
何なんだ? 訳が分からない。 いったい・・・・・・。
『『我らが園。 神々の国。 テラへ如何にして参った』』
はぁ?! かみ、がみ、の、くに、だと・・・・・・。
『『答えよ!』』
『ま、待ってくれ。 此処は、神々の国。 テラ、なのか?』
『『不遜な獣よ。 我らを謀るか!』』
『ち、ちょっ、待ってくれ! 俺は教会で祈ってただけだ』
『『愚かな。 己が出自をまだ偽るか!』』
『俺の出自? か、神々よ。 教えてくれ!』
『『我らに問うとは弁えよ!』』
『俺がいったい、何だと言うんだ?!』
『『ほう。 この後に及んで、己を知らぬと申すか』』
『『汝は、その巨大な顎門、その巨大な体躯、それらをもて、神を喰らう災いの獣』』
『『我らに仇なす者。 汝は、魔獣フェンリルではないか』』
お、俺が、魔獣フェンリル・・・・・・。 わ、分からない。 何の冗談だ? 神と名乗る者が、嘘偽りを言うとは思えない。
だけど、俺はコボルトだ。 決して、フェンリルとか言う、神に敵対する魔獣では無い。
『か、神々よ。 今はある力で、人の姿をしていますが、お、俺はコボルトです』
『『ふっ、愚かな。 その姿で尚も偽りを申すか』』
姿・・・・・・!? なっ! い、いつの間に、地に手をついてたんだ? いや、何で四肢が地についてるんだ? しかも、手足のそれは狼のようで、それに体躯も大きく、体毛も青白いだとっ?!
確かにコボルトの中では、毛並に青色が混じっていたけど、ここまではっきりとした色ではなかった。
こ、これはいったい・・・。
『『さあ、答えよ!』』
『まっ、待ってくれ! これは・・・』
『鎮まらんか! 小神共よ!』
『『おおっ! 我らが主』』
『『御座よりお見えになられるとは』』
『黙れ! 我が呼び寄せたモノだ。 何人たりとも、意を唱えることは許さん!』
『『・・・御身の赴くままに』』
『・・・して、フェンリルよ。 そが父とまみえて後、いく年月が流れたか。 神のくびきより逃れ、己が父を幽閉して後、我の監視の目より逃れ、今になって何故現れたか』
『知恵の泉より得られし予言に従いて、我と神々へ災いと滅びを齎すか』
目の前には薄汚れた衣を纏い、杖を握った老人(?)が此方を見つめていた。
いや、顔が見えないので、見た目で老人と思ったし、見つめられている、のか?
それよりも、忽然と現れたよな? どうなってるんだ?!
『なっ! あ、貴方はいったい・・・』
『我の事は知る必要は無い』
『で、では、お、教えていただきたい』
『痴れモノが、・・・申してみよ』
『お、俺は、ジー。 今は訳あって人の姿をし、ジークフリートとして生きる。 コボルトとして産まれ、人の心と記憶を持つ転生者です。 決して神に仇なす、フェンリルではありません』
『ほう。 転生者とな。 偽りを申しても、我は誤魔化せん。 此処に呼びしは、汝の魂のみ。 その姿形こそが、何よりの証拠であるが、戯言に付き合うのもまた一興』
そう言うか、一瞬のような、長いような、例えようの無い時が過ぎ・・・・・・・・・・・・。
『こっ! これは、如何したと言うのだ?! 人と魔と魔獣の魂が!?』
『『我らが主! 如何されたのですか?!』』
『何でもない! 黙れっ!!』
『フェンリルよ。 汝まこと、人と魔を宿しておるな。 人魔のモノか・・・』
『まさかと思うが、その身に宿せし力。 如何にして手に入れたか、我に申してみるがよい』
『こ、この力は、穴の奥で見つけた闇紫色の・・・』
あの時の事を順に説明し、あの白い空間の事、そこで会った”ナニカ”の事、全てを語り終えた後・・・。
『・・・やはり奴が動いたか。 幽閉され堕ちて尚、我らの行いを呪うか。 戒めを解くまで、時はそう多くないか。 ましてや、自らの子をしてこの様な扱いを・・・』
? 最後の方は聞き取れなかったけど、どうやら神々は”ナニカ”について、知っているようで間違いないな。 答えは望めないかも知れないが、この際聞いてみてもいいだろう。
『伺っても、宜しいでしょうか?』
『なんだ、申してみよ』
『俺の出会った”ナニカ”とは、どう言う存在でしょうか? そして、この身に宿った力、権能とはいったい・・・』
『その問への答えは否とする。 が、我が監視下にて暫し観察し、我らの益と成ると判断したその時、全てを話して聞かせよう。 よいか、仇なすと判断した際はその身、炎と熱の国で、尽くを焼きつくされると思え』
『そろそろ我が干渉する時も尽きる。 次にまみえるまで、あ奴の力に対為す力を授けよう』
『我が神族よ』
目の前を幻の様に、幾つもの姿が現れては消えた。
其々に感じることは違ったが、力の息吹、命の息吹が、装身具へと流れてき、この身を淡い光が包み込む。 が、嫌な感じはせず、高揚感に包まれ・・・・・・。
意識としての体は、人としての河野 秋拡、魔物としてのジー、魔獣としてのフェンリル、其々が俯瞰視し其々が存在していた。
流れが落ち着いてきたと同時に、足首装身具、耳装身具、手首装身具、環状装身具其々が、装飾の施された鈍い黄金色へと変化していき、1箇所だけ闇紫色の宝石が光っていた箇所は、複数の色が混じりあい玉虫色に発光していた。
宝石の中の7つの紋章は、真ん中に別の紋章が表れ、それを囲むよう回っていた。
変化が終わった後に、情報が頭に流れ込んできた。
『『『世界樹の枝葉に乗せ、世に曙を齎す楯となり、世を穿つ刃とならん』』』
階一枝葉 正義・公正
階二枝葉 希望・期待
階三枝葉 勇気・剛毅
階四枝葉 知恵・賢明
階五枝葉 信仰・忠実
階六枝葉 節制・貞節
階七枝葉 愛・慈悲
情報の流れと同時に、体に刻まれた痣にも変化が起こった。
初めに刻まれた痣は体から全て消え去り、代わりに装身具へと刻み込まれていた。
『『今よりそれらの身具は、祝祭の装身具』』
『『御身に幸多からん』』
『『眷属を従え運命に抗わん』』
『『理をもて理を破らん』』
身を包む淡い光が落ち着くと、さき程の老人が・・・。
『やはり、一時は神で在ったモノよ』
『その身に宿せし力、それは終焉と原初』
『終わりと始まり』
『汝が心から愛し、慈しみ、許し、赦し、供に歩む。 そういった者達を与えし力の数だけ、世代を超え未来に紡ぎ揃えて見せよ』
『さすれば、力は力を隔てなく分け与えよう』
『さあ、戻るがよい。 我は汝を見ておる事、努々忘れること無く。 その悉くに、抗って見せよ。 よいな。 我は何時でも見ておるぞ』
◆◇
老人が最後にそう言った瞬間、意識が下に引っ張られる感覚に襲われ、目を開けると其処は教会の中だった。 顔を起こし周りを見渡すと、すぐそこにヴィが呆けて立っていた。
立ち上がり声を掛けると・・・。
「じ、ジーク・・・なん、とも、無い、よね?」
「あ、ああ・・・何か、おかしな事でもあったか?」
「う、ううん。 あ、あのね・・・」
ヴィの話では、周りの人と同じように祈っていたら、急に眩しくなったので目を開けて見ると、俺に向かって光の柱が伸びてきていたそうだ。 ただ、それは一瞬の事で、直ぐに消えてしまったと・・・。
で、心配になって俺に声を掛けると、直ぐに返事が返ってきたので安心した。 と言うことだけど、神々との邂逅は、ほんの数瞬の出来事だったようだな。
手首と指の装身具を見ると、あの場で変化した物だった。 やはり、神々の・・・・・・。
ふぅ~、新たな力もそうだけど、今は考えても仕方がないな。 旅を続けていく中で、追々分かってくる事もあるだろう。
さあ、教会を後にして、散策を再開するとしますか。
ヴィに声を掛け、商業区で買い物と買い食いだ!
◆◇
「う"ぅぅ・・・・・・」
「・・・」
「う"ぅぅぅ・・・・・・」
「はぁ~。 だから、程ほどにって言ったんだ。 それを」
「わ、うぷっ、て、うぇっ、る、っぷ・・・」
あれから商業区へと移動し、野営具、食料、医薬品、その他諸々、必要な物を買い揃えながら、屋台の魅惑の食べ物に、その胃袋を蹂躙されまくった。 主に、ヴィが・・・。
必需品の買出しで出費は良いとして、買い食い含めて銀貨4枚(内食費で2枚)って如何よ? まあ、俺もそこそこ食べたけど、ねぇ? で、残金は『金貨1枚、大銀貨0枚、銀貨4枚、大銅貨9枚、銅貨2枚』なりぃ~。
「あ、あんな、げっぷ、おいし、げっぷ、そうな、げふぅ~、食べ物」
「ああ、分かった。 分かったから、もう喋るな・・・はぁ~」
「な、なによぉ! 乙女に、うっぷ、向かってぇ」
「何処が、乙女だよ。 どこが、ったく」
その食欲を遺憾なく発揮したヴィを連れ、宿”磯の漣亭”に戻るとローナン達は、既に帰って俺達を食堂で待っていた。 時間も夕方と言うことで、他のお客でそこそこごった返してた。 そのまま魚介たっぷりの夕食を共にし、今日見て回った所など思い思いに話し、客も少なくなったので部屋に戻って就寝した。
翌朝、港街トゥルクを発ち、サロへ向けて戻る事に・・・。
特に急ぐ旅でもないので、旅程は余裕をもって移動し、三日目にサロへ戻ることにした。
道中特にイベントも無く。 って、起こって堪るか!
順調に旅程を消化しつつ2日目は森で探索をし、常時依頼の薬草等をそこそこ収集して回ったりした。
サロ到着予定の三日目も、同様に収集しながら進んだので、到着が予定の昼頃から夕方頃へずれた。
俺達はそのままの足でギルドへ報告し、これで今回の依頼としては本当の解散だ。
「ジーク、ありがとう。 本当に、ありがとう」
「いや、まあ、なんだ。 お互い、いい経験が積めたし、それで良いんじゃないか?」
「そうだな。 うん。 そうだ! ははっ」
「そうさ! ふふっ」
「ふんっ! まあ、ありがとよ」
「あ、あの、あ、ありがとうございました」
「ああ、ニール、フィオナ。 2人もお疲れ」
「じゃあ、これでお別れだな」
「おいおい、今生の別れじゃないんだ。 お互いランクが上がれば、また組む機会もあるさ」
「そうさ、俺達も負けないように、依頼をこなして追いつくさ!」
「おい、無茶はするなよ。 死ぬぞ?」
「あっ、此間まで同じランクだったのに、先輩面はないだろう・・・」
「・・・ぷっ、あははっ。 すまんすまん。 ある先輩の、受け売りみたいなもんだ。 また明日から、お互い頑張ろうな!」
「ああっ!」
「だなっ」
「はい!」
その場で硬く握手を交わし、俺達の始めての護衛依頼は終わった。
◆◇
『おかしい・・・おかしいぞ! 様子が見えない。 繋がりを、感じられない。 おのれ、おのれぇ-----------っ! 何をした! 忌々しい、神々共めがぁ---------------っ!』
『・・・・・・くっ、くくくっ、あぁ----っはっはっはっ! 何をしたか知らないが、その程度の事で・・・・・・・・・くっくっくっ、ひぃぃっはっはっはっ、あははははっ・・・我が眷属、甘く見るなよ』
狂気と狂喜に満ち満ちた、業火のような、氷結のような、声音が何処と無く響いた。
To be continued...
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