出会い、そして...2
面白いと思っていただければ幸いです。
評価やコメントも頂けると、今後の励みになります。
拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。
<毎週土曜日掲載>
ふぅ~、到着っと・・・起き抜けの身体も、適度に温まったようだ。
さて、軽く手足も、伸ばしておくかな。 いっちに、いっちにっと・・・
その横ではローナンとニールがその場に座り込んだり、膝に手を置いて中腰でそれぞれに息を整えていた。
まあ、そう離れた場所じゃないと言っても、全力疾走に近い速さで走れば、朝一の温まってない身体では堪えるだろう。
えっ? 自分はどうなんだって?
まあ、元が元だから・・・森育ち、見縊るなよ?
「おっしぃ~、付いてこれたようだな。 って、フィオナはどうした?」
あれ? そう言えば途中から・・・と思ってるとローナンが。
「はぁはぁ、おれ、が・・・はぁはぁ、むか、えに・・・はぁはぁ、いって、きます」
「う~ん。 この程度で、ばててるお前が行ってもな~」
「・・・だい、じょう、ぶ・・・はぁはぁ・・・です」
バテバテだな~。 ニールは無言だけど・・・一緒だな。
「ん~おい、ジーク。 お前、見てきてくれるか?」
「えっ? 俺ですか? まあ、大丈夫ですよ。 じゃあ、直ぐ行きますね」
「ああ、すまん。 頼むわ」
という事で、来た道を駆け足で戻って行くと・・・居たよ。 道のど真ん中で・・・
ちょうど中間ぐらいの位置で、座り込んでる?と言うより、手を突いて土下座スタイルのフィオナがいた。
おいおい、通行の邪魔になってるぞコレ。 直ぐに駆け寄る・・・
「おい、大丈夫か?」
「えっ? はぁはぁ・・・ああっ、ジークっ、さん・・・すみ、はぁはぁ・・・ま、せん」
「無理はするなよ。 歩けるか?」
「・・・っは、い。 もう、すこ、はぁはぁ・・・し、やす、めば・・・」
「はぁ~・・・さあ、おぶってやるから背中に乗って」
「いえ、でも・・・」
「いいから、このまま此処に居ると・・・ほら、邪魔になってるから、な?」
そう言うと、状況が分ったのか、遠慮がちにおぶさってきた。
前世を通じても人をおぶる事なんて、幼い日の妹ぐらいだったかな~・・・おっと、急いで戻らないと!
立ち上がりおぶり直すと、練兵場に向けて走り出す。
「っ! きゃっ!」
後ろで声がしたけど、気にせずに走って戻る。
「ん? おお、早かったな」
「ええ、まあ・・・道の真ん中で座り込んでたんで、急いでおぶって戻ってきましたよ」
「そうかそうか、ご苦労だったな。 はははっ」
背負っていたフィオナをその場に下ろすと、2人が近寄ってきて声を掛けていた。
2人とも復活したようで、よかったよかった。
「フィオナ、大丈夫かい?」
「けっ、だから普段から、運動しとけって言ったんだ」
「ニール、そんな言い方は・・・」
「いっ、いいの、わたしが、体力が無いから・・・」
見ていて、微笑ましいと言うか、なんというか・・・ん?
「ジーク、さん。 仲間が、ご迷惑をお掛けしました」
「ん~、気にするなよ。 それと俺も、呼び捨てでいいから、同じ初心者なんだしな。 ははっ」
「・・・分りました。 ジーク、ありがとう」
「けっ!」
なにか不満気だけど、ニールは、平常運転かな? まっ、いっか。
「お~い。 そいじゃあ、練兵場に入るぞ~」
「あっ、はい。 すぐ行きます」
ブレナンが先に進もうとしてるので、それに付いて行く・・・3人組は、大丈夫そうだな。
石組みのアーチを抜けていくと、そこは長方形に仕切られた広場が広がっていた。
その中を複数の人が其々に、組み手や素振りなどの訓練を行っていた。
「よ~しっ、この後外に出るから、基本を簡単に教えてくぞ~」
「その前に、お前ら獲物は、何を使う予定だ?」
はて? 獲物ですか・・・特に、決めてないな~。
「なんだ、決めてないのか?」
「まあ、いいか。 最初から型が決まってるより、経験を積む中で自分に合ったものに決めていけば」
「お~っし、じゃあ基本の剣で、教えていくことにするぞ~」
「そこの壁に立掛けてあるのから、好きなのを選んできていいぞ~」
そう言われ見ると確かに、壁に剣だけじゃなく斧や槍、弓などが立掛けて置かれていた。
近寄って手にとってみるが、どれも同じように見えるので、そのままそれを持って戻る。
他の3人も、それぞれ選んで・・・フィオナは、何してるんだ? 右往左往して・・・
「うん? フィオナ! どうした?」
「その、剣を、扱ったことが無いので・・・」
「ああ、その辺の棒でも構わんぞ。 槍の訓練用に、穂先が無いのがあるだろ?」
「はっ、はい! コレ、ですね」
「よ~し、選んだなら整列しろ」
正面にブレナンが立ち、自分達は壁を背にして並び立つ。
「まあ、なんだ。 昼頃までしか時間がないから、簡単な基本の型だけ教えていくぞ」
「後は実際に依頼をこなしながら、自分に合った形にしていけばいいから、練習だけは毎日するんだぞ?」
「それに”Ⅶ:セプテム”のお前たちでは、採集依頼以外はまだ受けられない。 獣や魔物に遭遇したらまず、倒すことは絶対に考えるな! とにかく逃げて、身を守ることだけ考えろ!」
「蛮勇や虚勢は、死ぬことになるぞ? 分ったな!」
「「「「はい!」」」」
「じゃあ始めるが、まずは2人一組を作るが・・・ローナンとニール、ジークとフィオナで組め」
「おいっ! 何でだ・・・」
「異議は聞かんぞ~。 ギルドで聞いたがジークはすでに、採集依頼もこなしたそうだな?」
「ええ、まあ・・・」
「それに1人で旅もしているそうだし、それなりに場数もこなしてるだろ?」
「はぁ・・・」
「と言うわけで、お前たちとは経験が違うわけだ」
「此処に向かった際もお前たちはバテて、直ぐに動けない状態だったよな? 違うか?」
「「・・・・・・」」
「分ったようだな。 では、この後の討伐行動も、この組み合わせで行くからな」
「では、実施に動きながら、説明していくぞ。 よく見ておけよ?」
ブレナンが訓練用の剣を持ち、動きを交えながら説明を始めた。
◆◇◆◇
「まず剣についてだが、相手を殺傷するためなのは分るな?」
「中には片刃の変わったものもあるが、見ての通り両刃のものが主だ。 相手に向けた側の刃を表刃、反対側の方を裏刃と呼ぶ。 今持っているのは、訓練用で両刃が潰されているが・・・」
「また、切れ味よりも丈夫さが重視されているが、これは俺達の戦い方が白兵戦が主だからだ。 そのため、血が付いて切れなくなったり、刃が欠けて使い物にならなくなるなど、それらを考慮せず継戦するためでだ」
「他、武器を使った術は、剣・短剣・長柄の武器・組打ちと色々ある」
「が、剣を使いつつ組討をしたり、接近されると長柄の武器を捨て、短剣に持ち替えるといった、混在の立ち回りは、戦ううえで必要不可欠なものとなる」
「これは、単一の武器の扱いのみに特化すると、状況や相手に応じた対応が出来ないことに繋がり、自らの戦闘の幅を自ら狭めてしまうことになるからだ」
「次に、剣の種類だが・・・基本は2種類だ」
「ブロードソード・ロングソードは、標準的な片手剣で重さも片手で扱える程度だ。 長さも若干違う程度だが、自らの身長やリーチから選ぶと良いぞ」
「他に、ツーハンドソードや俺のバスターソードがあるが、これは高身長と膂力が必要だから今は考えるな」
「後、主武装以外の予備として、短剣は必ず常備しておけよ」
「次に、持ち方だが・・・これも2種類だ」
「一つは親指の付け根、人差し指と親指の部分に、柄の裏刃側をあわせて持つ方法」
「もう一つは、四指の付け根の関節の裏側に、へりを合わせて親指を立てて持つ方法」
「構え方もいくつかあるが・・・例えば」
「こうして、剣を額の上に並行に構え、頭部を守る構えや、肩に担ぐような構えに、腕を下に下ろす構え方」
「剣も姿勢も真っ直ぐにし、足を左を前にして肩幅に開き、切り下ろし時に体が横や下を向かず、真っ直ぐぐになるようにする構え。 剣を正眼に構え、腕を右に寄せ左足を前にした構え等がある」
「いいか! 攻撃は全て、腰の回転から始まる。 斬撃の場合、右足で踏み込むが、腰のひねりを伝えるように、肩・肘・手首と伸ばし、剣が伸びてから初めて足が着地するようにするんだ」
「基本的な斬りは、左右の水平・左右の上斜め・真上だが、実際は連続攻撃が重要で、攻撃によって空いた部分や、はじかれた力をそのまま使って、相手の反対側を攻撃したりする」
「突きの場合は・・・今回は、まあいいか」
「つまり、攻撃は構えと構えの間にある。攻撃を終えた時には次の構えに、そこから連続攻撃をする。 例えば、斜め左に切り下げ、そこから裏刃を使って下から切り上げ・・・」
◆◇◆◇
・・・と、実際の動きを交えながら、基本の構えや体捌き・足捌き、盾や篭手などの防具を使っての、攻撃や防御・コンビネーションを、一通り説明された後にその模倣訓練を、昼過ぎまで繰り返し行っていった。
ふぅ~、結構ハードだぞコレ・・・
それなりに息も切れたきた中で、声が掛かり一旦終了となった。
休憩を挟んで、この後は討伐に行くことになる。
事前に聞いて準備していたので、水筒の水を飲みながら軽食をつまみ、休息と腹ごしらえを済ませていく。
3人組を見ると・・・・・・後半、大丈夫か?
ま、まあ、駆け出しって、普通こんなもんなんだよな。
こっちが、普通じゃ(魔物だけど)ないんだよな~。
そう思いつつ、聞きたいことがあり、ブレナンに声を掛ける。
「なあ、ブレナン。 聞きたいんだが・・・」
「ん? 何だ?」
「いや、基本を教えてもらって助かるんだが、今後はどうすればいいんだ? この一回限りでは到底役立つ程に、動作を身に付けられるとは思えないんだが・・・」
「ああ、そこか・・・そうだな。 講習としてはこれだけなんだが、当然これで終わりと言う訳じゃない」
「ん? 終わりじゃないとは、どう言うことだ?」
「今日の講習が終わった後は、各々がこの練兵場を使って、基礎を練習していくんだよ」
「ここは、門番や衛兵などが毎日詰めているから、そいつらに混じって訓練を積むとか、ギルド派遣の教官も不定期だが居るんで、そいつらから同じように学ぶんだ」
「それは、無償で参加と言っていいのか、受けることが出来ることなのか?」
「ああ、それは大丈夫だ。 この練兵場は街を守るために日々、それに携わる人々が研鑽を積んでいる。 冒険者も緊急時は、それに参加する義務を負っているから、歓迎はされても邪険にされることは無い」
「そうか、それなら・・・分った。 すまない。 助かったよ」
「いやいや、お前さんみたいに聞いて来る奴は、滅多にいないがな・・・ほれ、あいつ等みたいに、へたばってるのが大半だ。 ふふふっ」
ああね・・・
「さぁ~て、そろそろ行くか?」
「次は、外で討伐か・・・」
「そうだ。 一旦、ギルドに戻るぞ」
「ん? どうして戻るんだ? 門も近いし、このまま行くんじゃないのか?」
「うんにゃ、お前らその格好で行くつもりか?」
「・・・」
そう言われると、俺も旅の旅装とナイフぐらしか身に付けていない。
「ギルドに戻って、一揃い装備を貸し出してもらう」
「まあ、それからだな。 外に出るのは・・・お~い、お前ら行くぞ」
のろのろと立ち上がった3人組と、今度は歩いてギルドへ戻っていく。
さて、準備を整えて、講習後半へ突入だな!
To be continued...
『面白い』『続きが』『頑張れ』と思って頂けた方、最新ページから評価をいただけると・・・。
よろしくお願いします。




