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出会い、そして...1

面白いと思っていただければ幸いです。

評価やコメントも頂けると、今後の励みになります。

拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。

<毎週土曜日掲載>


暫く待つと、受付嬢さんが戻ってきた。


「あの~、どうでした?」


声をかけてみると・・・


「はい。 一般公開可能なものは、閲覧しても良いとのことですが・・・」

「なにか問題でも?」

「いえ、ただですね・・・」


なんか言い辛そうなのは、やっぱり問題があるんだろうか?


ドキドキ・・・


「・・・してないんです」

「えっ? なんです?」

「ですから、・ぅじしてないんです」


なんだ? ゴニョゴニョと、ハッキリと喋らないな~。


「えっと、閲覧は?」

「それは、可能です」


ん? じゃあ、なんで?と思ってると・・・


「ですから! 掃除してないんです!」


はっ? 掃除してない?


「もう! 普段使わないんで、散らかってるんですよ!」


えっ! たった、それだけ? てか、言い淀むほど酷いのか?

そう思いつつ佇んでいると・・・


「わたしが、片付けられない訳じゃないんですからね!」

「ほんとに、ほんとに、違うんですからね!」


頬を膨らませて、ちょっと怒ったように言われ・・・ああっ、呆れてると思われたのかな?

まあ、女性で片付け出来ないって、コボルトだけど一応若い男性(?)の前では、言い淀んじゃうのも納得は出来るかな。 うん。


「ふふっ、そんなこと思ってませんよ」

「個人的な要望に親切に応えてくれたんですから、其ぐらいなら俺がついでに片付けておきますよ。 まあ、纏めてる資料が分らなくなったらあれなんで、埃を払って整理するぐらいしか出来ないですけど・・・」

「えっ! いえ、そこまでは・・・」

「大丈夫ですよ。 それで、その資料室兼書庫と言うのは、何処に在るんでしょうか?」

「はい・・・こちらになります」


受付の奥の一角に在るようで、中に通されて進むと直ぐに扉があり、取っ手を持って押し開こうとすると・・・


ギッ、ギギギィ・・・・・・


普段から余り使われる事は無いのか、立て付けが悪く結構な力で押す必要があった。


「くっ、ぐぅううっ・・・」


ギィッ! キィィィッ・・・


開いた・・・室内は、薄暗いな。


「あの・・・入っても、構いませんか?」

「あっ、はい。 書類を積んでますが奥に、机と椅子があるので使ってください」

「後、締め切ってますけど奥に窓がありますので、開けていただけば明かりは確保できるかと・・・」


薄暗い中、部屋に入ると・・・ぼふっ! もわぁ~ん・・・・・・


「っ! ごほっ、ごほごほっ・・・」


こっ、これは・・・ちょっと歩いただけで、埃が舞い上がって・・・

堪らず、一旦外に出る。


「すみません。 酷いでしょ?」

「ごほっ、いえ。 ごほっ、大丈夫です。 ごほっ・・・」


さあ、どうしようかな。

これじゃ中に、入ることすら出来ないな。


「あの布か何か、お借りできないですか?」

「布、ですか?」

「ええ、口元だけでも覆って、窓を開けて換気をしようかと」

「あっ、でしたらこちらを・・・」


そう言うと受付嬢さんがポケットから、可愛らしいハンカチを手渡してくれた。


「えっ、いいんですか? 汚れちゃいますよ?」

「構いません。 洗えばいいだけですから、どうぞ使ってください」

「・・・じゃあ、遠慮なく」


受け取ったハンカチを、口元を覆うように宛がい、改めて室内に入っていく。

扉は一旦閉めておく・・・

歩くたびに埃が舞い上がるけど、何もしてないとき程ではなく、窓までたどり着き開けようとする。


カチャッ、ガタガタガッタッ・・・キィィィッ


両開きの窓の鍵を外して、外に向けて開け放つと・・・昼の日の光が差し込むと同時に、室内に風が舞い込んできた。

瞬間埃が舞い上がり室内が煙ったようになったが、落ち着いてくると埃が日の光でキラキラと輝いていた。


「ごほっ、ふぅ~。 さて、簡単に掃除しますか!」


受付嬢さんのところに戻り、掃除道具を貸して欲しいと伝えると、箒に塵取りと叩き(?)を持ってきてくれた。

それらを受け取ると、室内の掃除に取り掛かった。

空気の通り道として入り口の戸を少し開けていたら、職員が代わる代わる覗きに来ていたが、気にせず黙々と掃除を続けた。

暫らく続けると大分きれいになったので、掃除道具を戻し本題に移ることにする。

あっ、忘れずハンカチも返しておかないと・・・受付嬢さんは、いた、居た。


「あの! これ、ありがとうございました」

「あっ、いえ・・・埃だらけですね。 くすくすっ」

「ああ、まあ叩けば、大丈夫ですよ。 ははっ」

「・・・」


うん? なんか、見られてるけど・・・何か他に用事があるのかな?


「調べ物、頑張ってくださいね」


それだけ言うと、受付に戻って行っちゃった。

何だったんだろう?

まっ、いっかな。


「さてっ、目的の書物はっと・・・」


ゴソゴソゴソッ・・・ガタッ、ドサッ・・・パラパラパラッ、ゴソゴソッ

ゴトンッ、カサカサッ・・・ゴソゴソゴソッ、バサッ・・・


雑然と積みあがられただけの書類と、それに混じって書籍らしいものが散在して、中々お目当ての情報が見つけられずにいると、壁に建て付けられた棚の一番下・・・・・・隅の紐で縛った紙束が、気になったので手にとってみた。

パラパラと、捲って呼んでいくと・・・一枚の用紙に魔術書(?)らしき記述が、書き込まれていた。

じっくりと呼んでみると・・・



◆◇◆◇



(アクア)(イグニス)(ウェントゥス)(テラ)


この世は4つの性質それぞれが、循環することで世界を形作っている。

これらは『根本の意識に影響を与えるもの』で、魔術とはその意識を扱うものであり、この循環を感じ取れることで、その力の行使と発現が可能となる。


世界の根源たる真名(ルーン)よ・・・


また、こ・・・・を行使す・・・・別の真名(ルーン)の一・・・は、全を・・込んだ物・・持す・・要があり、それは剣や・・・・・等を所・・・行為・・って、固・・「真名(ルーン)の力」を・・・作用・・・・、・々の真名(ルーン)は詠・・・・、歌っ・・・る行・・も同・・効・・・・・。


・・・・・・



◆◇◆◇



後半は文字が掠れていて、読むことは出来なかったけど、これって魔術に関しての記述だよな。

う~ん。 断片すぎて、よく分らないな。

まあ、判ったことは・・・


・前世知識としての、魔法と言う概念は存在しない

真名(ルーン)と言うものがある

・剣~と言う事は、物体で事象を起こす物がある?

・詠や歌とあるから何か、言葉にする事でも事象を起こせる?


ふぅ~ん・・・さっぱりだな。

他に何か無いか探してみたが、特に情報らしい情報も無かった。

誰かの日記は見つけたけど・・・何処の世界でも、黒歴史は、ね。 そっと戻して、隠しておいたよ。


さて、気付けば夕方で日も暮れ始めていたので、ここまでにして宿屋に引き上げることにしよう。

明日は、初心者講習がある日だ。

早めに食事を取って、明日に備えておこう!


でも、明日泊まったら、手持ちがまた無くなる・・・はぁ~



◆◇



翌朝・・・

日の出と共にギルドへ向かい窓口で今日の講習の件を聞くと、裏手に集合してくれとの事で言われたとおりにする。

そこにはベテランと思われる人物が居たので、そちらに近づき挨拶を交わし自己紹介をしておいた。

教官(?)は”Ⅲ:トレース(中堅)”ランクのブレナンさんで、中肉中背の引き締まった体に、背中に身長ほどある大剣を背負ってる。

普段は4人でパーティーを組んでるそうだけど、1人怪我をしている間の繋ぎで講習を請け負ったそうだ。

他に、3人が参加するとの事なので、その場にて暫らく待つことになった。

ただ待つのも暇なので、ブレナンさんに講習の内容を聞いてみる。


「ブレナンさん? 講習って、何をするんですか?」

「ぅん? ああ、さん付けはいいよ。 ブレナンと呼んでくれていいし、敬語も出来ればなしでたのむわ」

「・・・分った。 で、ブレナン。 講習って、何をするんだ?」

「まあ、簡単な武器の扱いと、街を出ての魔物を討伐だな」

「魔物の討伐って・・・初心者には、危険じゃないのか?」

「俺が付いてるから危険なことはしないし、討伐すればちょっとした小遣い稼ぎにもなるだろ? はははっ」

「そう・・・だな」


ほ~、武器の扱いは別として、討伐が組み込まれてるのか~。

これは、楽しみだな。

ちょっとした収入も見込めるのは、依頼をこなせない分助かるし・・・ベテランのサポート付きで、講習費が無償とは破格な待遇だな。

それだけ人の育成に、力を入れてるって事なのかな?

そうこうしてると、他の3人が連れ立って現れた。


「おおい! 遅いぞ!」


ブレナンが声を掛けると、こちらに駆け寄って来た。


「すみません。 遅くなりました」

「けっ、調度ぐらいじゃねえのか?」

「あの、その、すみません。 わたしが歩くの遅くて・・・」


ん? 知り合いなのかな?

何か田舎から出てきた、幼馴染のグループと言うか・・・てか、そうだよね?


「まあ、いい。 俺はブレナンだ。 それぞれ、自己紹介をしておけ」

「あっ、俺はジーク。 今日一日、よろしく頼む」

「僕、いや! 俺は、ローナン」

「ニールだ」

「あっ、わた、わたしは、フィッ、フィオナです」


ほむほむ、ローナンは細身の純朴そうな青年だし、ニールは体格はしっかりとしてるが、小生意気で強がってる感があって、フィオナは小躯で大人しげな感じだな。

うん。 第一印象通り、同じ田舎の幼馴染だな。

それぞれの距離感が、近く感じられるもんな。


「さて、自己紹介も済んだことだし、そろそろ講習を始めるか」

「では、今から移動するが、特に問題はあるか?」


何も無いので、それぞれ首肯で返す。


「よし! じゃあ街門横の、練兵場へ移動するぞ」

「直ぐそこだが、遅れず付いて来いよ?」


そう言うと、ブレナンが走り出した。

結構、早いな・・・ランニングと言うよりか、中距離走みたいな速度だ。

まあ、この身体になってからはアレだけど、森の中を駆けてたころを思えばそれ程ではないかな。

で、付いて行きながら後ろ振り返ると、ローナンとニールは付いて来れてるが、フィオナは・・・姿が見えないぞ? 大丈夫か?

と思ってると、ブレナンの速度が落ちてきたので、目的の練兵場にもう直ぐ着くようだった。

ふぅ~、軽い運動ぐらいにはなったかな?

さてさて、いよいよ講習会の開始だ!


To be continued...

『面白い』『続きが』『頑張れ』と思って頂けた方、最新ページから評価をいただけると・・・。

よろしくお願いします。

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