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空の彼方に  作者: しまねこ


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子供達との再会と戻ってくる日常

「ルリ姉さん! ねえ、飛べるようになったって本当なの?」

「ルリ姉さん、退院おめでとう!」

 食堂へ入ったところで、私に気付いた子供達が一斉に駆け寄ってきてくれた。

「はい、無事に退院したわ。心配かけてごめんね」

 笑ってそう言い、前回と同じように駆け寄ってきてくれた子達の名前を呼びながら順番に撫でてあげたわ。

「ほら、先に食べてしまいなさい。お話は後でね」

 笑ったパムの言葉に、子供達が慌てたように席に戻る。

 そうそう。前回私が退院した時には、食事の前にこんな風に集まってきてくれた子達とゆっくり話をしていて、食べる時間がなくなっちゃって慌てて食べたんだっけ。

 前回退院した時の事を思い出して、小さく吹き出した私だったわ。



 って事で、久し振りに子供達と一緒の食事を終え、そのまま子供達と一緒にホーム前の庭へ出ていく。

 午後からは近場に採取に行く予定らしいんだけど、その前にい子供達が、私が飛ぶところを見たがったからね。

「じゃあ、いくわね」

 子供達から少し離れたところに立った私は、翼を広げてから子供達を振り返った。

 皆、目を輝かせて私を見ている。

 一つ深呼吸をした私は、地面を蹴って真上に飛び上がり、それと同時に大きく翼を広げた。

 ググッと体が持ち上がり、そのまま一気に上空へ舞い上がる私の体。

 子供達の歓声が上がり、何人かの護衛の子達がそれを見て舞い上がってきた。

「ルリ姉さん、本当に飛べるようになったんだね! おめでとう!」

「おめでとう、ルリ姉さん。飛び方もすごく安定しているね!」

 護衛役の子達が、口々にそう言って褒めてくれる。

「ありがとうね。あんなに苦労しても全然飛べなかったのに、あれは何だったのかって思うくらいに普通に飛べるようになったわ」

 笑った私の言葉に、護衛役の子達も皆も笑顔になる。

 その後、少し上空を旋回してから地上に戻った。

 結局、もう今日から採取に一緒に行かせてもらうようにお願いして、そのあとは子供達と一緒に歌を歌いながら近くの森へ行き、いつもの薬草やパンの実を集めて回ったのでした。

 もちろん、私はあちこちに散らばっている子達の間をカーク君やキース君と一緒に飛び回って、子供達が集めた薬草やパンの実をせっせと集めて回ったのでした。



 その夜は、部屋でのんびりと過ごし、翌日も食事の後は子供達と一緒に採取して回ったわ。

 皆、大喜びで私と手を繋ぎたがり、一緒に歌を歌いながら目的地まで頑張って歩いていたのでした。

「もうすっかり元通りね」

 一緒に子供達の集めた薬草を回収していたチムタムが、私の翼を見ながら笑顔でそう言ってくれた。

「そうね。パンの実の採取上手に出来るようになったし、微調整もほぼ完璧に出来るようになったわ」

 軽く翼を広げながらそう言うと、チムタムも笑顔で真っ白な翼を広げた。

 もうチムタムは背の高さも、それから翼の大きさも私よりも大きい。

 身長はまだ伸びそうなので、完全に見下ろされる日も近そうよ。

 それから、チムニーは飛ぶ練習をかなり頑張っているらしく、もうそろそろ体が浮きそうなんだって。

 きっと、飛べるようになるまでもすぐなのだろう。

「ねえ、俺が飛べるようになったら一緒に飛んでくれる?」

 目を輝かせるチムニーの言葉に、私が返事するよりも早く横からチムタムが笑いながら首を振った。

「残念ながら、ルリにはもう予約が入っているから駄目よ」

 にんまりと笑ったチムタムの言葉に、チムニーがわざとらしく口を尖らせる。

「知ってるよ。姉ちゃんから何回聞かされたか。でも、一緒に飛ぶだけなら別に構わないだろう?」

 完全に拗ねた口調でそう言われて思わず笑ってしまった。

 成る程。手を握って一緒に飛ぶ、って事に意味がある訳で、単に一緒に飛ぶ場合は異性からのお誘いでもそれ以上の意味はないわけね。

「もちろんよ。皆と一緒に飛べるようになる日を楽しみにしているね」

「うん、一緒に飛ぼうね!」

 まだまだ小さい、それでもしっかりと風切り羽が生え揃った翼を広げたチムニーの嬉しそうな言葉に、もう一度笑顔で頷いた私だったわ。



「そういえば、明日の採取はお休みなんだって?」

 血止め草を採取しながら、今朝パムから聞いた予定を思い出してそう言ってみる。

「ああ、聞いていたのね。明日は、いつものお休みの日ね。ルリさんは、まだ退院して間がないんだから、ゆっくり休んでね」

「今回は、腕の怪我だけだったから体の方は健康だもの。それほど弱っていないわよ」

 まだ包帯を巻いている右手を上げてみせると、チムタムは笑って首を振った。

「そういえば、別の浮島へジェムモンスター狩りに行っていたグレイさん達、そろそろ戻ってきているはずよ。明日は、彼らもお休みのはずだし、なんなら一緒に飛んでみれば?」

 にんまりと笑ったチムタムの言葉に、側にいたチムニーが笑いながら拍手をし、私は持っていたカゴを放り投げてその場から文字通りすっ飛んで逃げ出したわ。

 そんな私を見て揃って吹き出すチムタムとチムニーに、私は上空から思いっきり舌を出してあっかんべーをしてみせたのでした。

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