楽しいお出かけ準備
「おはよう。今日もご機嫌ですね〜〜」
「おはよう! ねえルリ! 俺も抱っこしたい! 良いよね!」
食堂に来ていたチムタムとチムニーが、スリングにそれぞれ赤ちゃんを抱いた私達に気付いて笑顔で駆け寄ってきてくれる。
また身長が伸びたチムニーは、もうすっかり頼もしいお兄ちゃんになっているわ。
いつも家に来てくれた時には、赤ちゃんを抱いてあやしたりもしてくれる。
「二人は、今日は採取なの?」
スリングを外してヴァナをチムニーに抱かせてあげつつ、横から覗き込むチムタムにそう尋ねる。
「ううん。今日は、採取はお休みの日よ。チムニーは友達と遊びに行くって言っていたけど、私は特に用事もないし、赤ちゃんのお世話に行くからね」
「そうなの。じゃあチムタムも一緒に行く? お天気もいいみたいだし、気分転換を兼ねて、この子達を連れてちょっと遊覧飛行でもしようかなってグレイさんと相談していたの。なんならどこかの草原でお弁当を広げるのも良いかなって言っていたの」
「何それ! 俺も行く〜〜〜〜〜〜〜!」
目を輝かせたチムニーが、翼をパタパタさせながら今にも飛びそうになっている。ここは建物の中で天井もそれほど高くないから、飛行は禁止区域よ。
「何言ってるのよ。あんたはカトリー達と遊びに行くんでしょう?」
「別に、何か約束している訳じゃあないよ。遊びに行くならあいつらと一緒かなって言っただけです!」
何故か胸を張るチムニーの言葉に、私とグレイさんは揃って吹き出したわ。
それで相談の結果、今日のお世話役担当の自称保護者の会のお姉様達も一緒に、皆で遊覧飛行という名の遠足へ行く事になったのでした。
「ええと、お弁当はまだまだ手持ちが色々あるから大人数でも大丈夫ね」
食事を終えてひとまず家に戻った私は、お出かけ用に何がいるかを確認していた。
「郊外での装備なら俺が一式持っているから敷布やテント、食器やカトラリーなんかも提供するよ。お湯を沸かす用のやかんや茶葉もあるし、スープくらいなら作れる鍋もあるぞ」
笑いながらそう言い、本当に大きなお鍋を取り出して見せてくれるグレイさん。
手持ちにベーコンや野菜なんかもそれなりにあるから、確かにスープくらいは作ってもいいかもね。
ううん。でもあれって、一体何人前用のお鍋なんだろう。どう見ても業務用サイズよ。
「離乳食は、この間まとめて作ったのがまだまだあるからそれでいいわね。水石の手持ちもまだまだあるし、オムツの替えもちゃんと用意した。一応着替えも色々持っているから、万一汚しても大丈夫ね。あとは何がいるかしら?」
こういう時、収納の有り難みを実感するわ。
元いた世界では収納なんて便利なものは無かったから、出掛ける時には荷物は全部手持ちになるから、当然赤ちゃん二人分の荷物なんてかなりの量になる。
それを考えれば、気軽にお出かけしようって言えるこの世界は本当に良いわよね。
「お待たせ〜〜お弁当用意してもらったよ〜〜」
「なんとワイバーンのハム入り!」
「ええ、私達も用意してきたのに」
「しかもこっちもワイバーンの燻製肉入りよ!」
準備が出来たところで、満面の笑みなチムタムとチムニーが来てくれて、そのすぐ後お姉様方も来てくれたわ。
しかも、お弁当を食べようって言っていただけだったので、チムタム達も、それからお姉様達までいくつもお弁当を用意してきてくれたもんだから、またしても並んだ大量のお弁当を前に皆で大笑いになったのでした。
うん、これからもお天気の良い日には、外に出て皆でお弁当タイムにするのが良いわね。
大量のお弁当を収納しながら、そんな事を考えた私だったわ。
「これだけ弁当があるのなら、これからも天気の良い日には、皆で気分転換に出掛ければいいな。フレイとヴァナもきっと喜ぶぞ」
どうやら同じ事を考えていたらしいグレイさんの言葉に、顔を見合わせて揃って吹き出した私達だったわ。




