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空の彼方に  作者: しまねこ


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お買い物の終了とその後のあれこれ

 商人さん達はあっという間に撤収を終え、私達が見送る中を去っていった。

 たった一日だけの滞在だったけれど、大喜びしている皆を見ていると、どれくらいの売り上げがあったのか割と本気で聞いてみたい気になった私だったわ。



 翌日、私はリッティやチムタムと一緒に口紅作りに初挑戦しました。

 用意されていたのは、大きな瓶に入った真っ白なクリームと、各自が買った原色の口紅。

 私が見たところは二色だけだったけど、他にも口紅を取り扱っていたお店はあったみたいで、皆いろんな色の原色の口紅を持っていたわ。

 白のクリームは、口紅専用の純度の高い油を泡立てて香料なんかも少し混ぜて作ったものらしくとても爽やかな香りがしていて、触らせてもらうと思ったほどベタベタって訳ではなくなんとも不思議な優しい手触りだったわ。

 でも、色合わせは意外に難しくて、私は相当苦労して何度も作り直してようやく理想の色を作り出せたのでした。

 何しろ、入れすぎるといきなり原色になっちゃうのよ。

 最初、適当に赤色の口紅をすくって入れたら多過ぎたらしく、どれだけ混ぜてもほぼ原色そのままになってしまい終了。

 結局、勿体無いのでそれを少し別のお皿に取り分け、そこにまた白のクリームを追加で入れては必死で混ぜ、それでも濃くて、またそれを少し取ったところへ白のクリームを足して混ぜるのを全部で五回繰り返し、最後にほんの少しだけ紫の口紅も足して必死になって混ぜた結果なんとか理想の色を作り出せたのでした。

 うん、赤を混ぜたのがめっちゃ段階的にたくさん作れたので、これはそのまま他の皆にも使ってもらう用に提供させていただいたわ。

 絵の具の感覚とは全く違っていて苦労したけど、出来上がった口紅はとても綺麗な色に仕上がって、皆からもお褒めの言葉をいただきました。

 それ以外にも、私は買わなかったんだけど白粉っぽい白の粉や、頬紅などもあり、何故か張り切った女性陣に、結婚式の時のメイクは任せなさいなんて言われて、もう耳まで真っ赤になってテーブルに突っ伏したわよ。

 本当に冗談抜きで、グレイさんとの恋が成就してからの展開が早過ぎて、全くついていけない私だったわ。



 後片付けをしながら周りの人達から聞いた話によると、結婚式自体はこの世界でも普通にすると聞いてちょっと嬉しくなったわ。

 しかもその結婚式は、大抵ホームにある庭で行われて誰でも参列してもらえるスタイルらしい。

 そして晴れの衣装に身を包んだ二人が、皆の前で結婚の報告をするだけ。あとは、その場でちょっと豪華な料理を振る舞う程度の事をするらしいので、いわゆる人前式スタイルなわけね。

 まあ、この浮島では特定の宗教のようなものは無くて、一応ドラゴン様が神様みたいな扱いではあるけれども、私が元いた世界のような宗教ではなく、特別なお祈りなんかは全く無い。

 あくまでも、遥か高みから自分達を見守ってくれている聖なる存在的な考えみたい。

 それから、結婚式の後に振る舞う料理については、なんと周りの人達が全部準備してくれて、結婚する当の二人は招待客扱いなんだって。

 つまりは、人前式までは新婚夫婦が取り仕切り、その後のいわゆる祝賀会的なものは、新婚夫婦の友人達が集まって開催するものなんだって。

 これに関しては、ワルターさん達狩猟組の面々をはじめ、リッティやチムタム達女性陣の有志もすでに相当な数が名乗りを上げてくれているらしく、未だかつてない規模で相当豪華な祝賀会になるだろうと言われていて、皆楽しみにしてくれているんだって。

 ええ、ちょっと待って。まだ結婚式の日程すら考えていないのに、もう祝賀会の準備が始まっているって事?

 これだけ大喜びなこの周囲の人達の反応を見るに、グレイさんとの両片思い状態がどれだけ皆に知られていて、全く進行しない私達の関係に周囲がどれだけもだもだしていたのかを考えて、割と本気で気が遠くなった私だったわ。

 うん、恥ずか死ねるってこういう状況の事を言うのよね。



 その翌日からは、すっかり元の日常が戻り、また私は子ども達と一緒に周囲の森へ採取に向かう日々が続いた。

 子供達は大喜びで私と手を繋いで歩きたがり、結婚しても一緒に採取に行くよねと、何人もの子供達に涙目でそう言われてしまい、もちろん笑ってずっと一緒だよって、その度に答えていた私だったわ。

 唯一違っていたのは、時々グレイさんと一緒にパムのところへ行って結婚式についての相談をしたり、夫婦棟、通称新婚棟への引っ越しについての説明を受けたりした事。

 もうほぼ部屋の準備は出来ているらしく、いつ引っ越してもいいよと言われて、揃って真っ赤になった私とグレイさんだったわ。

 ここでまたグレイさん達狩猟組の人達が違う浮き島へジェムモンスター狩りに行く事になり、相談はひとまず一段落。

 留守番組の服の縫製を担当している人達は、今回の商人さんとのコロニーの取引の中で真っ白な絹を手に入れてくれたらしく、これで私の結婚式用のドレスを作ってくれると聞き、大感激した私だったわ。

 実は少し前、リッティに結婚式の時のドレスの色に希望はあるかと聞かれた時に、私が元いた世界では、結婚する女性のドレスは真っ白なのが一般的だって話をしていたの。

 それを覚えていてくれたリッティが留守番組の縫製担当の人にその話をしてくれたらしく、その結果、真っ白なドレスが実現する事になったみたい。

 そのドレスを作ってくれている裁縫組の人達も、揃って真っ白なドレスはすごく綺麗だって大感激していたから、結婚式で白いドレスが流行りそうねと言われて、なんだか嬉しくなった私だったわ。

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