(´・ω・`)
ポムの樹の上で、食事を済ませた。手持ち無沙汰になったので、紅葉に覆い尽くされた赤の森の中にある、この太くて白い枝だけの変な樹を、キョロキョロ探すが、錬金素材(ポムの実)は、見当たらない。
「そういえば、ポムの実らしき物が、見当たらないが、季節外れなのか?」
「んん。ポムの女王樹にある。」
レイの視線の先を見ると、小さい白い湖が、あった。
「白い湖?」
「ん。ポムの女王樹が分泌する液が、白い湖を作る。その湖中に、ポムの実はある。」
「白い湖に、潜るのか?」
「んん。潜っても何も見えない。ついてきて。とう。」
ぴょんと、樹の幹から飛び降りるレイ。地面は、柔らかくぴょんぴょんと弾む。
「ゼル、早く早く。」
ぴょんぴょんと弾みながら、催促してくるレイちゃんは、世界の至宝だ。あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~
ぴょんぴょんレイに、ついていくと、白い湖が、見えた。牛乳風呂みたいな、白。
パシャリ、パシャリ
水面から魚が、跳ねる音がする。が、跳ねた魚は見えない。白い湖の中程に、白いポムの女王樹があった。上から見た時は、湖と同化して気付かなかった。
「魚がいるのか?」
「ん。透明空魚、生きてる間は、見えない。」
「次の錬金素材か。よしっ捕まえよう。」
「んん。明日でいい。今日はポムの実を採取する。」
「レイ、何をしてるんだ?」
「仕掛け、作ってる。」
レイは、ゴソゴソと、先程、採取した紅葉蟹に紐を括りつけ、その紐の反対側には、石を括りつけていた。何か、釣るなら分かるけど、実を取るんだよね?それ、無意味じゃね?蟹をイジメてるだけじゃね?
子供は、無邪気に残酷な事をする事がある。それを正すのは、大人の仕事だ。
「レイ、蟹さんを虐めるのは、良くないと思うぞ。イジメ反対。」
「んんん。違う!見てて。」
レイは怒りながら、仕掛け?を持ち、くるくると石を回し出し、遠心力で石を湖に投擲した。びゅんと、石が飛び、紐の先に括りつけられた蟹もびゅおんと飛んでいく。
ボチャン、ポチャン。白の湖で、赤い蟹がもがくが、紐に縛られているため、白い湖の底へ沈んでいった。
「蟹さん、可哀想。」
「んんん。紅葉蟹は、紐を切れるから問題ないの!彼には仕事をやって貰うだけだから。」
「仕事?」
「見てて。」
しばらく、白い湖面を見つめていると、色とりどりの丸いボールが、ぷかぷかと浮かび上がってきた。
「なんか、浮いて来たのだが?」
「あれが、ポムの実。紅葉蟹が、湖の中で、ポムの女王樹の袋を切ったから、ポムの実が浮いてきたの。」
「ほほう。では回収しようか。」
泳ぎは小学校で習ったから自信がある。湖の中を泳ごうとしたら、レイに止められた。
「空気中浮手。」
「それは?」
「見えない手、遠くまで届くけど、凄く力が弱いから、出来るのは近くに寄せる事だけ。ゼル、手伝って。」
「あぁ、任せろ。」
レイが、白い湖面際に寄せた色とりどりのボール(ポムの実)を、次々と回収し、アイテムバックに入れていく。持つと弾力があり、普通に投げて遊びたくなる。そうだ、犬のスパニエル君と戯れよう。
ポムの実を採取した。
「いっぱい採れたな。凄いぞ、レイ。」
「ん。私、天才。」
得意げなレイの頭を撫でて、お手手を繋ぎ、帰路につく。
「レイ、家まで競争だ。」
「ん、望む所。」
結果は考えるまでも無く惨敗。まぁお約束だから、イベント消化をしただけだ。
今日の夕食は、紅葉蟹のフルコースらしい。ちゃんとした手料理は初めてだ。レイの料理を、テラスでのんびりと待つ。手伝おうとしたのだが、驚かせたいらしく断られた。
風に揺れる、美しい赤の森を眺める。家から、しっかり運動して空腹になったお腹を刺激する、美味そうな香りが漂ってきた。高まる期待、なんという焦らしプレイ。
「ゼルー。ご飯、出来た。」
「おぅ。」
異世界、最高だぜ。




