(´・ω・`)
美少女シェフのレイちゃんが、腕によりをかけて作った手作り料理を堪能する。
「う、美味い。」
紅葉蟹は、なんと殻ごといける。パリパリと砕ける食感が楽しい。味は、地球の蟹に、似ている。少し濃厚にして、魔素味を足せば、紅葉蟹になる。焼いたのは、濃厚さの代わりに香ばしさが出てる。
イメージとしては、上海蟹に近い味だ。
茹で蟹もいいが、焼き蟹も美味い。ガツガツと夢中で喰らう。火の通し加減が、絶妙だ。しっとり、ぷりぷりとしている。この辺りが、流石、錬金術師といった所だろうか。
「レイ、美味いぞ、天才だ。いい奥さんになれるぞ。」
「ん。」
嬉しそうに、頷いてくれた。あぁ幸せだ、これは幸せの味。一番好きな食べ物は?それは、もちろん断トツで、レイの紅葉蟹だ。
人生のフルコースの1つが決まった。これは、「グルメ時代」の幕開けだ。ただ、おじさんの場合は、冒険に行かなくても、この食卓に座っているだけで、フルコースが完成しそうな予感がする。
満腹になり、疲れた体が睡眠を求め、フラフラとベッドに誘われるよう眠りについた。これが、満たされるという事か。
幸せな夢を見て、目覚めた。
今日の予定は、メルカーナの卵を集めた後、透明空魚の採取だ。
釣りは楽しみだ。どんな胸が熱くなるバトルが待っているのだろうか。ぜひ、ビギナーズラックで、レイより大魚を釣り上げて、ゼル凄いと言われたい。言わせてやるぜ。
実は、秘密兵器を持っている。エアロバイクで味をしめたゼルは、ジャンク屋に足繁く通い、釣り竿セットを手に入れていた。
「ゼル、おはよ。」
「あぁ、レイ。おはよう。今日は、透明空魚の採取が楽しみだ。」
「ん。あれも美味しい。そうだ。手伝ってゼル。」
レイが持ってきた器には、色とりどりのビー玉のようなものが入っていた。
「あぁ、任せてくれって何だコレ?」
「ホプの実の中身。ここでは、ポプの実をとった翌日は、コレを針に付けてテラスに吊るすのが習慣。」
「ふむ。」
お呪いのようなものだろうか?異世界は、分からない。レイと手分けして近くのテラスに付けていく。
針に、ホプの実をつけて、2mぐらいの糸につけて、テラスの柵に結んでいく。ツリーハウス通しを繋ぐアーケードを抜け、どんどんと、他の家々のテラスに結んでいく。無くなったら、下から声がかかった。
「ゼル、早く、早く。」
「あぁ、今行く、とぅ。」
地面に向かって、飛び降りる。軽く投身自殺できる高さだ。おじさんも、異世界に毒されてきた。
「ゼル、透明空魚は、お刺身が美味しいの。それをポプの実と、一緒に食べたら、さらにいい。」
「ふむ、ふむ。」
小さいお手手に、引っ張られながら、赤の森の深い所へ入っていく。
ポゥポゥポゥポゥ
プヮプヮプヮプヮ
「レイ、あの鳴き声は、何だ?」
「え?知らないけど。」
「お、そうか。」
そういえば、虫の鳴き声とかを欧米人は、ノイズとして処理するとか聞いた事があるな。脳内電話案内で問い合わせたいが、安定の無能スキルだからな。
ふと、変な黒くて丸々と太った鳥と目が合う。
「何だ、あの黒い鳥?」
「死食鳥。森の掃除屋、死体の目だけを食べる鳥。」
「え?体が残るのでは?」
「唾液から、スライムが生まれて食べ尽くした後は、消滅する。」
こっちを見るな、おじさんは、まだ生きているぞ。ふんぬー。と威嚇する。
ゲェェ
死食鳥が変な鳴き声をあげ、タタタッと走っていった。
「ゼル、遊んでないで捕獲瓶を回収する。」
「分かった。」
昨日、木の上に、仕掛けたメルカーナの捕獲瓶を集めて回る。木の上の瓶は、完全に密閉されていたが、瓶の中に卵があった。不思議すぎる。
そして、捕獲瓶を仕掛けた場所が思い出せない。半分程、回収して諦めた。良く分からない卵より、釣りがしたい。
「ゼル?全部無いよ?」
「自然の恵みを、捕りすぎていけない。」
「おお、大長老と一緒に行った時もそんな事言ってた。さすが、古代の叡智。」
若くしてアルツハイマーの域に、足を踏み入れる男、ゼル。レイちゃんに悪気は、無い。
メルカーナの卵を採取した。
「次は、透明空魚だな、早く行こう。」
「ん、ついて来て。」




