(´・ω・`)
「ぐふ?まさか否定したのか?」
「ヤメるんだ、敵わない。」
ゼルは、無謀なる反撃を止めようとしたが、いまだ未熟である精神ドライブが暴走する。あと、2ヶ月後なら。
「むん、ただの肉とは密度の違う本物の金属の筋肉を魅せよう。吾輩は、やれるニク。」
☆
2人は、視線で、いや筋肉で、どちらの筋肉が本物なのか、語り合う。「マッスルトーナメント」の頂上決戦が、ここチュワークのアジトで、開催された。
青コーナぁ、挑戦者!怒れる人造筋肉っ、古代の叡智の決勝ぉ、2時間で封印された最短記録を持つ男、マァーッスルゴォーレム、ポチョム、キン肉ぅ。
「意気込みは、どうですか?ポチョムキンさん。」
「むん。生肉とか、笑わせる。挽き肉に変えてやるニク。」
「ん。頑張って。」
セコンドのレイさん、なんとお美しい。え?解説の私に水を頂けるのですか、では有り難く。う、美味い。美少女から、絞られる奇跡の水。それは最高の甘露っ、なんて美味いんだーーー。
提供は、安全安心をお約束、貴方の街の錬金術師、マーシャル工房でした。
対するは、赤コーナぁ、チャンピオン!その鍛え上げた筋肉は人類を超えた、暴力の化身となり、この世を蹂躙する、お馴染みの筋肉勇者ぁ、theプロテイン!
「チャンピオンのプロテインさん、仕上がりはどうですか?」
「ぐふふ、紛い物の筋肉など恥ずべき相手だ。スクラップに戻してやる。」
「チュチュ、我々の勝利は確実ダ。問題があるとすれば、オッズがあまりに低いということダケダ。」
勝利を確信してニタニタと気持ち悪い笑顔で笑うセコンドのチュワークさん。犯罪で汚れた手を、お怪我されてますよ。ドクターストップして、頭の病院に行かれる事を強くお薦めします。
カンッ!試合開始のゴングが鳴る。
まずは、初手。挑戦者、ポチョムキンは、近くにあった、チュワークお気に入りの椅子に近づいた。
おぉっとぉ、何をするのでしょうか、チュワークお気に入りの椅子を、持ち上げてぇ、なんと、そのまま空中で2つに粉砕したっ。凄いマッスルパワーです。
バギッ!
砕けたところから木ぐずのいい匂いがした。チュワークの勝利の愉悦に浸る顔が、ひきつる。
「解説のレイさん、どういう事ですか?」
「ん。地面に、叩きつけずに壊せるのが凄い。」
ほほう、確かに。なぜ、地面に叩きつけないのか?対戦相手を椅子で殴らないのか?とも思いましたが、それは、素人のやる事でしたね、さすが、レイさん天才です。
「ぐふふ、その程度か。」
さぁ、チャンピオンは余裕の表情だ。プロテインは、のしのしと、チュワークお気に入りの重厚な高級机に近づいた。
「これは、なんて、高そうな机なんだ。セコンドのチュワークさん。もしかして、あの装飾は?」
「チュチュ、間抜けな素人にも、分かってしまうカネ、私の至高のコレクションの良さガ。最高と名高い職人を罠に嵌めて監禁し、2年の歳月をかけて作らせた究極の一品。この至高の机の前に、座らされた愚かな獲物は、これを見て、萎縮するノダ。」
プロテインは、ニヤつきながら、こちらを見ているぞ。そして、触った。
まさか、まさか持ち上がるのか?な、なんと、重厚で高級感溢れまくる、チュワークの至宝の高級机を、軽々と持ち上げた。いったい、どんな筋肉をしているのだ、この漢は!常識を超えた筋肉っ。
そしてぇ、空中で軽々と、粉砕っ!!
メキメキィ!
砕けた木くずからは、さらに良い香りが広がる。素材にまで妥協しない、これが、最高級の証。チュワークの顔は、泣きそうな深い絶望の表情だ。
「あの、大丈夫ですか、チュワークさん?じめじめしたオーラを出されては、困るんですよ、貴方もプロなら早く切り替えてください。」
「チュチュ、私の私の。これだから、喋る筋肉ハッ。だが、まぁイイ。良くないが、この部屋に壊されて困るものなどもうナイ。」
「開き直りですか、泣いてもいいんですよ。しかし、確かにそうですね。めぼしいものは、何も。」
「んん。まだ、戦いは、終わって無い。」
くいくいと、裾を引っ張って否定する解説のレイさんが可愛い。




