(´・ω・`)
「うっひょーっ、ラピュラス。」
「ぐはっ」
マリナの部屋に入るなり、熱いタックルを受ける。身構えて扉を開けたのに、おじさんの敏捷力では避けられない。ちよっと、この褐色娘、モンスターより、早いんだけど。
凄く嬉しい。けど、痛いんだ。
「マリナよ、お願いがあるんだが?」
「なぁに?ゼルさん。」
「レーションを入れる袋を作って欲しい。とりあえず、100個程。ここの子供の呼び出しバッヂみたいに、体につける感じで。」
マリナをモフりながら、おねだりする。
さっきのダンジョンで、冒険者を見ていて分かった事がある。あいつら、身体は大きくなっても中身は子供だ。結局、レーション落としてて、死にそうになってたヤツいるしな。なら、子供の対策でバッチリだろう。そういう結論に至った。
「いいよー。他にも欲しいものあるー?」
おおぅ、ここにもダメ人間製造機がいた。友達だから、レイとそういう所が似てるのかな。「いや、大丈夫だ。いらない。」なんて事は、言わない。おじさんは、ダメ人間だ。
有り難く貰う!
「魔道具が欲しいかな?なんて?」
マリナの表情が、困惑したものに変わる。魔道具は高額なのだ。しまった、欲張りすぎたか?
「えー、動かせたら、あげるって言ったよー。」
「そ、そうだったな。ありがとう。」
違った!何処までも甘やかし隊だった。疑ってごめん。ダブルもふもふで、誤魔化す。
「ふあぁぁぁ。」
「ん。ん。ん。ん。」
何だ?レイが、スネを軽く、連続蹴りしてくる。ごめん。痛い。マジで痛いから辞めて。マリナの比じゃないよ。たぶんダメージも入ってる。
むっすーとした表情だ。言葉で言わないと、分からないよ、レイちゃん。とりあえず、モフって誤魔化す。おぉ、正解だったか。なんかもう、2人は、この雑な対応で、切り抜けれる気がする。いや、人間は、さらなる刺激を求める生き物。慢心すると、食われる。
2人が落ち着いたようなので、マリナのコレクションの魔道具の物色タイムだ。新車を選んでいるようで、ワクワクする。
どれも飛びっきり価値があるくせに、しかも、全部タダだ。少し目がギラギラする。どれにしようか。
2人は、大人しくしている。マリナは、コアラのように、なぜかお腹に抱きつき、幸せな弾力を供給し続けている。っていうか、何故お腹なのか、意味が解らない。幼気な少女を、駅弁ファックしてるみたいで、興奮よりも罪悪感が勝つ。さり気なく、お腹にポケットが追加され、青い悪魔のドラに、一歩近づいた。
レイは、お手手を繋いでいる。やっべ、マジでドキドキするんだが?デートかな、デートですよね、これ。前は迷子の保護ぐらいのノリだったんだか、この所、女を感じてしまい調子がくるう。
ちなみに、本命は、ジーニャさんだからとこの場にいない女の事を考える、女の敵、ゼル。
「ん。どれにする?」
悩む。とりあえず、ポーション作成の手伝い要員が欲しいので、ゴーレムを見て回る。でも、レイのお手伝いないので、レイが選んだ方がいいかも。
「レイは、欲しいのとか、気になるのあった?」
「無い。しいて言うなら、新作ラプラスがいい。」
「レイ、さすが、分かってるよー。」
「ん。私、天才。」
駄目だ。さっき、あれだけ、同じような縫いぐるみを買い求めたのに、女性の欲望は、留まる所を知らない。
ふぁぁぁ。しっかし、良い匂いがするなぁ。なんなの?別の生命体なの?
先程から、気になっているゴーレムがいる。もちろん、悪い意味でだ。マッスルポーズを決めた暑苦しい筋肉ゴーレム。関わりたくないが、ポージングがなんか変だ。
どうも見ていて、落ち着かない。コマネチで固まってるのだ。
「え、ゼルそれがいいの?」
「いや、ポージングが変でな、なんか見ていて落ち着かないだけだ。」
「正解は何?」
「ちょっと、待ってろ。ここが、クイッとなって、あそこが、クイッと。」
ゼルが、ポージングをし直すと、ゴゴゴコゴ、と暑苦しいそれは、動き出した。
「むん。アイム、キンニク!」
くっそっ、罠だった。正しいポーズが起動スイッチのようで、動き出すゴーレム。封印しようと、元のポーズを取らせようとするが、ビクとも動かない。凄いパゥワーだ。
「くっそっ、戻れ。戻れよぉ。」
「むん。無駄である。よろニク。」
「うっぜっ!ところで、貴様は何が出きるんだ?錬金術の手伝いは可能か?」
「え、ヤダ。いらない。」
「むん。娘さんよ、安心して欲しい。吾輩、何も、出来ない。」
「前は、何やってたんだ?」
「むん。2時間で封印されたニク。」
哀しきゴーレムだった。ゼルは、落ちこぼれ組なので、感情移入してしまう。もう、このゴーレムを封印する事は、できない。
ポチョムキンが、仲間になった!
もう一つ、小さいゴーレム戦隊がいたので、それを起動する。高さ10センチぐらいで、カラーリングが別れて5色。こいつらは、何も喋れないようだが、こっちの言ってる事は分かるらしい。
「貴様ら、名前は?」
「戦闘は、出来るか?」
「錬金術の手伝いは、出来るか?」
「えっと、この家は、貴様らのか?」
1人ごと言ってるみたいじゃねぇか。ボディランゲージで決めポーズを取りながら応えてくれる。しかも、全員で1つのポーズをとってくる。なんか、めっちゃ仲がいい。
分かった事は、
名前は、分からなかった。
戦闘は、出来ない。
錬金術の手伝いは、出来る!
そして、生意気な事に、小さな共同の家を持っている。家ごと移動すればいい。
「レイ、お手伝いにどうだ?」
「ん。」
オッケーらしい。少し嬉しそうに、口元が弛んでいる。着せ替え人形に、なりそうなサイズだ。まぁ小さくて可愛いしな。主人に似て、無口で宜しい。
なっ!?ポチョムキンは、おじさんには、似てないよ。こんなに暑苦しくないし。そもそも、共通点が見当たらない。いや、あったが、優しくしてやってくれ。
ポチョムキンにも、おじさんにもだ。
ゴーレム戦隊が、仲間になった!




