(´・ω・`)
「着ぐるみの旦那、助かったぜ、ドロップアイテム持っていってくれよ。俺らは、今回はここで引き上げだ。」
「この中に勇者はいる?」
「なんだ?急に、ちっこいの?いないけど。いたら、勇者協会に入ってるだろう。」
「なら、コレを貰う。危険なモノ。こちらで処分しておく。」
「そういう事だ。他の物はいらぬ。」
欲をかくと、失敗するから、ここらが落としどころだろう。冒険で稼ぐつもりは、今のところ、無い。レベル低すぎて無理だ。
「そうか、恩にきる。」
魔導バイクに乗り、颯爽と分かれる。なんか、この魔道具の方が、おじさんより活躍している気がするのだが。気のせいか。
「レイよ、さっきのアイテムはなんだったのだ?」
「選別の枝。」
【選別の枝】
勇者を選別する危険な木。服用すると、強烈な作用を及ぼし、超常に近づく。勇者以外の者は耐えられない事からそう呼ばれる。素質の無い者は死ぬし、素質のあるものは、肉体が変質する。
迷い木等の徘徊系ツリーモンスターが稀にドロップする。
「たしかに、危険物だな。」
「ん。」
過去に何かあったのか、そこで会話が切れる。なんとなく気まずい。放置が正解なのか、誘い受けなのか分からない。
気まずいままダンジョンを後にした。何も語らない。ただ小さいお手手の温もりがそこにある。
「次は、どこに行けばいい?」
「マリナのとこ。」
☆
魔獣キャンディー社。甘ったるい匂いのするお菓子の城に到着する。子供に絡まれて仕方無いので裏口から入る。前回、レイはこちらから入ったそうだ。そういう事は、先に教えて欲しかった。
マリナのお部屋に行く前に、ショップによる。
「いらっしゃい、レイちゃん。」
「ん。いつもどおり、全部。」
奥からバンバンと、ダンボール箱が運ばれてきた。平然とアイテムポーチに入れていくレイ。
「え、買いすぎではないか?」
「分かってない。すべてコンプしてこそのファン。ゼルの着ているラプラスなりきりセットは、その景品。」
「マジで?」
「ええ、そうですよ。レイちゃんしか持ってません。」
「ん。私、天才。」
若干、引き気味の店員と、誇らしげに、ナイチチを張る残念ハーフエルフのレイがいた。
どんどん運ばれてくる飴の入ったダンボール箱。絶対食べ切れない。その箱1つ1つに魔獣ラピュラスの小さな縫いぐるみがついている。
「なぁ、レイ、こんなに、同じ縫いぐるみを集めて、どうするんだ?」
「んん。分かっていない。良く見て、ここと、ここ。全然形が違う。」
「え?誤差の範囲だろ。こんなの間違い探しのような。店員さんは、キチンと分かってるのか?」
「たぶん、違いが分かるのは、マリナ店長と、レイちゃんぐらいかですかね。あはは。」
唐突に理解する。大金を稼いでいるのに、お金が貯まらない原因は、コレだ!
無駄遣いを辞めさせるのが、正解。しかし、無償提供された魔道具と比較すれば、お釣りがくる。より高い視点で全体で視る。
「レイ、偉いぞ。ファンの鑑だ。」
「ふみゅう。」
とりあえず、今回は、もふもふで、甘やかす事にした。




