準々決勝、日本対アルゼンチン(7)
「おお! 鷲介が、日本が前に出た!」
「最終ラインも高く上げている。総攻撃か」
「けど無謀だ。もしパスカットされてアルフレッド達にボールが渡れば終わりだぞ」
攻撃に出た日本を見た、前の席のロナウドたちの声を耳にしながらアーギアは大型スクリーンを注視する。
そして一分ほどしたとき、そばにいるジュニオールたちが声を上げる。
「日本、ボールを奪われないなぁ。パスも動きも延長戦とは思えないほど早くて軽快だ」
「一方のアルゼンチンは後手後手だな。何とかシュートに持っていくことは防いでいるが、それ以外はやられたい放題だ。これは一体、どういうことだ」
「日本の策だ」
断言するアーギアへ仲間たちが一斉に振り向く。
「どういうことだアーギア。こうなるよう日本が仕掛けていたのか」
「ああ。とはいえそれはギャンブル、おまけにツギハギだらけの杜撰なものだがな。
日本が張った罠はディエゴらに攻めさせてからのカウンターと、攻めに注力させて消耗させることの二つだ」
延長前半、日本が守備に力を入れたのは失点しないためと、あえてアルゼンチンに攻めさせて疲弊させるのが狙いだ。
アルゼンチンの攻撃は脅威だが、無限に続くわけではない。また得点と言う結果が出なければ自分たちの攻撃に絶対的自信を持ってるアルゼンチンはますますムキになって攻撃に集中する。
だから日本は亀のように守りを固めてある全員の攻撃を受け続けて消耗させた。──自分たちと同じかそれ以上に消耗させるために。
「なるほど。アルゼンチンイレブンの反応や動きの鈍さは攻め疲れというわけですか」
「だがここまでいいようにされるものか? 日本とてアルフレッドたちと同じぐらい疲弊しているだろうに」
「そのアルフレッド達の怠慢も理由の一つだ。日本の最終ラインを見ろ」
スクリーンの左端を見るマルシオ達。
そしてそれを見てマルシオとアントニオは不機嫌そうな顔になり、ジュニオールは呆れた声を発する。
「アルフレッドさんたち、守備をしていませんね。いやパスコースを切ったり最低限のことはしていますけど」
「何やってんだこいつらは。今は守りに徹するときだろうに。何故守らない」
「守らないんじゃない。守る気が希薄なんだ。こいつらはこう思っている。
ボールさえくればすぐにゴールできる。仮に1点取られてもすぐに同点、逆転できると。それを前半、自ら証明したからな」
「それも日本の罠か」
「いや、それは偶然だろうな。さっきも言ったがこの策はギャンブルでツギハギだらけな、杜撰なものだ。
そもそも日本は前半で数回ゴールネットを揺らされているし、それらどれかがゴールとなっていればその時点で策としては破綻しているからな」
今思うに、延長前半で日本ゴールがネットを揺らされたことは両チームにとって予想外だったはずだ。
何とか猛攻を耐え凌ごうとしていた日本。日本の固めた守備を打ち崩すべく力を尽くそうとしていたアルゼンチン。
しかし延長前半は両者の予想を裏切って、あっさりとゴールネットが揺れた。ノーゴールになったとはいえ、だ。
結果、アルゼンチンは調子に乗り、日本がこうして攻めてきた事態に備えるだけの体力まで攻めに使い、アルフレッド達はボールさえくればいつでもゴールできると錯覚、いや驕った。──自分たちが疲弊し、前半よりも動きが鈍っていることに気付かずに。
「今こうなっているのは運以外の何物でもない。とはいえこの時間は長くは続かないだろう。日本も限界に近いのだから」
いま日本がボールを回せているのは日本は守備に注力すると同時に、極力無駄に走らず体力を蓄えていたからだ。
とはいえ延長前半で回復した体力は雀の涙程度。それもそろそろ尽きるだろう。
左サイドを激しく動き回っているナカヤマだが、当然彼一人では疲れ切った仲間たち全員のフォローができるはずもない。
(何より日本としては攻勢に出てゴール前で決定的シーンが一度も作れていない。これも誤算のはずだ)
日本のプランとしては前半アルゼンチンに攻めさせれ疲れさせ、後半より攻撃に注力したところでカウンターを放ち、速攻でゴールするはずだったのだろう。
疲れ切っているが一瞬の爆発力を持つヤナギをピッチに残しているのと、彼と同等のスピードを持つナカヤマを投入したことからそれは明らかだ。
しかしレネを始めとするアルゼンチンイレブンの奮闘がそれを阻んだ。エリアに接近させても侵入はさせず、日本が放つクロスやシュートも体を張って防ぐ。最もどれもギリギリと言った場面なのでこぼれ球のことごとくを日本に回収されているが。
(しかしそろそろ)
限界だとアーギアが思った時、とうとうこぼれ球をペドロが回収。すぐさまイワナガが迫るが疲弊しているにもかかわらず正確なパスを放つ。
密集した日本代表イレブンの頭上を超えるパス。それに真っ先に反応するアルフレッドと連動するティトとラモン。
マンマークしているフジナカ達も動いているがアルフレッド達より動き出すのは遅く、鈍い。アーギアがアルフレッド達三人の繰り出すカウンターとそれによるゴールを脳裏に思い浮かべたその時だ、
「!」
息を呑むアーギア。ボールが届く直前、日本陣内のセンターサークル付近にてペドロが放ったボールを戻ってきたタカノが跳躍し胸トラップで止めた。
ボールとともにピッチに降り立つタカノ。そして彼は前を向くや前へボールを蹴る。
偶然、ではない。今の動きを見ればわかる。明らかにこのような場面を想定していた動きだ。
(どういう頭をしていやがる……!)
タカノが蹴ったボールは両チームの選手が集まっている左サイドではなく右。ハーフレーンとサイドの境界線辺りだ。
誰もいないそこに飛んだボールはパスミスと思われるが、パスが放たれるより一瞬早く、そこへ飛び出している選手がいる。
(そしてこいつも、どうやってパスが来ることが分かったのか)
ため息をつきながらボールを猛追する日本の背番号10──ヤナギに視線を向けるのだった。
◆
右サイドへ飛ぶボールに鷲介は体を酷使して猛追する。どうして英彦のパスに反応できたのか、自分でもうまく説明できない。
ただ彼がボールを拾ったのを見て、あの人ならこうするだろうなと思い、自然と体が動いた。そして予想通りにボールは右サイドに飛んだ。それだけなのだ。
(間に合え……!)
自分の今の状態から察するにボールに追いつけるかは半々だ。追いつけたとしてもライン際で拾えるかと言ったところか。
そう思いながら走っていると、ボールがピッチに落ちる。そして外に跳ねるがその跳ね方が思ったよりも弱い。
どうしてかと思い落下地点を見て気づく。ボールが落ちたのは抉れた芝の内側。そのためボールの跳ねる勢いが弱まったのだろう。
(まさか狙ったのか? いや、今はそんなことはどうでもいい……!)
心中で吐き捨て勢いの弱まったボールを回収する。右のサイドライン数メートル手前でボールを回収した鷲介は迷うことなくアルゼンチンゴールを目指す。
波が引くように左サイドに集結していた両国のイレブンが中央に流れてくる。それを見ながら鷲介は一気にペナルティエリア前へ迫る。
「行かせねぇぇええぇえ!!」
必死の形相をして立ちはだかるホアキンを鷲介は強引にスピードでかわす。彼の伸びてくる腕が腕をひっかくがかまわずエリアに侵入。
がその直後、レネが姿を見せる。しかもこちらに激突するような速さで。
(やってくれる……!)
鷲介の今の走りはわずかに残った体力を振り絞ったものだ。それを例えるなら限界まで絞られたレモンから滴り落ちる果汁だ。
この後はもう全力疾走はできないだろうし、一旦停止すれば確実に足は止まる。それを見透かしたかのような、レネの絶妙なタイミングでの接近。
ボールに伸びてくるレネの足。それを見ながら鷲介はクロスを上げた。
「何!?」
鷲介をよけながら驚きの声を発し、ボールが飛んだ先へ振り向くレネ。
パスを出したのは誰かがいることがわかっているからではない。ホアキンが来たように自分の仲間の誰かもアルゼンチンゴール前に来ているという信頼に基づくものだ。
そしてその信頼に、仲間は見事答えた。ペナルティエリア中央に浮いたボールに真っ先に走りこんできたのは久司だ。すぐそばにミカエルもいるが彼の方がボールに近い。
「おおぉおぉぉっっ!」
火を吹くような叫びを上げて久司は跳躍。体を投げ出すようなダイビングヘッドを放つ。
ピッチを叩く強烈なヘディング。ボールは前に出ていたGKの右わきを通過し、アルゼンチンゴールに突き刺さった。
一瞬、凍り付くスタジアム。そして次の瞬間、瞬間沸騰したかのような声援が周囲に響き渡る。
「おおおおーーーーーーーー!!」
両腕を振り上げ絶叫する久司に駆け寄ってくる仲間。
鷲介も彼に駆け寄ろうとするがその時、主審の姿を目にして足を止める。アルゼンチン選手になぜか囲まれていた彼は耳元に手を当てていた。
(VARチェックだと?)
一体どうしてと思い周りを見渡し、鷲介は軽く目を見張る。アルゼンチンゴール前でミカエルが腰を落としているのを見たからだ。
苦痛に表情を歪めている彼に駆け付けるスタッフ。どこか痛めたのだろうかと思った時、高い笛の音がピッチに響く。
「はぁ!?」
「嘘だろ!」
驚きと怒りの入り混じった久司と岩永の声。笛を吹いた主審を見て鷲介も大きく目を見開く。主審がノーゴールを示すしぐさをしていたからだ。
これは流石に鷲介も理解不能だ。久司のゴールには何の落ち度もなかった。一体どういう理由でノーゴールと判断したのか。
サムライブルーに囲まれている主審の下へ行くと、詰め寄る久司らに主審は言う。
「しつこいですよ。先程も言いましたがナカガミ選手、あなたのゴール前にミカエル選手に対する過度な接触があり、それを我々はファウルとしたためノーゴールと判定を下しました」
「俺はファウルになるような当たりはなんてしちゃいない!」
「ですがあなたとの接触でミカエル選手は倒れました。どこかを痛めたのか現在治療中です。
それを踏まえればあれは過度な接触と認めざるを得ません」
主審の言葉を肯定するように大型スクリーンに映し出される一連の場面。
鷲介が上げたボールに駆け寄る久司とミカエル。双方体をぶつけながら走りボールに接近している。
そして久司がペナルティエリアに飛び込む直前、ミカエルの体勢が崩れた。
(微妙だな。ファウルにも見えるが、そうでないようにも見える)
ともあれノーゴールとなったのは間違いない。鷲介は大きく息を吐くと仲間たちに引き留められながらも再度主審に食い下がろうとする久司と岩永の首根っこを掴み、引っ張る。
「ぐえっ。何しやがる鷲介!」
「苦しいじゃねぇか!」
「二人ともそこまで! 気持ちはわかるがまだ後半は終わってない。体力の回復に努めるんだ」
そう言う鷲介に二人は反転。怒りの表情で迫る。
「あれば絶対ファウルじゃねぇぞ! 目ぇ腐ってんのか!!」
「何でそんなに冷静なんだよお前は! あれは絶対主審の、VARの間違い」
「試合がまだ終わってないからだ馬鹿ども……!」
鷲介は両手で二人の襟首をつかみ引き寄せる。
「俺だって苛立っているし主審に抗議したい気持ちでいっぱいだ。だが、まだ後半は残っているし、何より俺たちは皆、本当に限界が近い。
主審への文句をして無駄な体力を消費するなんてことをする余裕はないだろ。周りを見ろ!」
襟首を離し二人を振り向かせる。
彼らの視界に映る仲間たち。皆苛立ちと悔しさの入り混じった表情を浮かべながら日本陣内に向けてのろのろと足を進めている。
鈍重な足取りだが無理もない。今の数分間の総攻撃で残り少なかった体力をさらに消費させたのだ。もちろん鷲介も出し目の前の久司たちもだ。
「……糞がっっ!」
無念の塊のような呟きを発し岩永と久司は彼らと同じように動く。
改めて理解したのだろう。もう自分たちに攻撃に出る体力はないと。勝つためには──残り数分とはいえ──全員で守り切ってPK戦に持ち込むしかないと。
彼らとてもう攻撃する体力が無いからこそあれだけ主審の判定に食って掛かったのだろうが。これ以上やればカードを突き付けられかねない。
(後半の残り時間は数分だが、ミカエルの治療が長引いているから少しは加算されるはず……)
そう思い鷲介はミカエルを見る。接触があったとされる右肩の治療はとっくに終わっており今は右足の治療をしているようだ。
そしてそれをしているメディカルスタッフの表情は深刻だ。もしかしたら倒れたのは接触があった部位が原因ではなく、ピッチを踏み込んだ際に右足を痛めたからなのか。
交代するのかと鷲介は給水ボトルに口をつけながら思ったが、それからほどなくしてミカエルは立ち上がり、試合は再開される。
ミカエルの治療でわずかだが休めた鷲介たちサムライブルーだが、それは相手も同じ。予想通りディエゴたちは攻勢に出て、鷲介たちは防戦一方となる。
しかし先程の日本のカウンターが再び炸裂するのかと恐れたのか、アルゼンチンの攻撃はアルフレッド達FW三人とホアキンを覗いた中盤三人だけだ。残りは高くポジションを取りつつもいつでも守備ブロックを作れるような位置にいる。
不幸中の幸い。そう思いながら鷲介はPK戦に持ち込むため走る。そして7分もの時間が経過した後、主審が後半終了の笛の音を吹く。
日本対アルゼンチンの試合は延長戦を経ても決着つかず。試合の行く末はPK戦に委ねられることになった。
◆
「皆、よく最後まで走り抜いた。中神君のゴールはノーゴールとなったが、審判によっては認められるレベルのものだ。気落ちする必要は何もない。
さてPK戦だが、キッカーは堂本、小清水、岩永、中神、柳の順番で頼む」
皆を称賛した後、表情を引き締めた監督は言う。PKとなった場合の選手選考は監督に一任しているのだ。
それを聞いた鷲介は順当だと思う。選ばれた面々は疲れ切った仲間たちの中で正確にボールを蹴れるだけの体力を残しているメンバーだからだ。
「PK戦になった以上、私から言うことはただ一つ。──勝ちなさい」
監督の言葉に皆は頷き、円陣を組む。
「勝つぞ!」
『おおっ!!』
キャプテンである井口の声に、スタメンはもちろんベンチメンバーを含んだ大円から勝利を渇望する、勇ましき猛りが起こる。
円陣を解いた後、似たような叫びがアルゼンチンイレブンからも聞こえた。円陣こそ組んでいなかったが、彼らの上げた叫びは日本のそれと全く同じだ。
PK戦の先行は日本、後攻はアルゼンチンだ。
「さて、サクッと決めてくるわ」
ボールを手にしたそう言って堂本がゆっくりとした足取りでペナルティスポットへ向かう。
彼の代表におけるPKの成功率は100%。ここは決めてくれるはずだ。
スタジアムに響くアルゼンチンサポーターのブーイング。当然日本の堂本に声援を送っているがスタジアム内のサポーター数の違いからか、押し潰されてしまっている。
そんな敵のブーイングにもひるまず、落ち着いた様子でボールをセットする堂本。相対するアマデオは一度大きく両腕を広げ、腰を落とす。
止まぬブーイングの中、鳴る主審の笛の音。堂本はリラックスした状態でボールに駆け寄り、右足を振るう。
左横へ飛んだボール。コースはやや甘いがシュートスピードは速くサイドネットを確実に貫くだろう。
それと横っ飛びしたアマデオの右手が弾き飛ばした。
「何ィ!?」
驚く久司の声。その驚きぶりは彼も堂本なら問題ないと思っていたのだろう。
あれは堂本に非はない。アマデオは完全にシュートを見切っていた。単純に読み勝ちだ。
悔しさのあまり、鬼の形相で戻ってくる堂本。井口や田仲達の声に「問題ねぇ」と言葉短く応じて、ピッチに座り込む。
そしてアルゼンチンの最初のキッカーは、なんとミカエルだ。久司の幻のゴールの後、しばらく動けなかったというのに、その足取りは軽い。
(どこか痛めたと思ったが、俺の勘違いだったのか……?)
アルゼンチンサポーターの大声援を受けて堂本と同じくゆっくり、余裕たっぷりの動きでボールをセット。対面する冷静な表情の兵藤を見て、かすかに笑う。
いつもと同じ余裕と尊大な態度を見て鷲介がカチンとくると同時、ミカエルはボールに駆け寄る。
堂本と違い助走は短い。聞き足である左足が振るわれ、ボールが動く。
「なっ!?」
飛んだボールは、とてもゆっくりだった。ふわり、と表現する以外ない、緩いボール。
それがゴールど真ん中に飛び、右に飛んだ兵藤を嘲笑うかのようにゴールネットを優しく揺らした。
(パネンカ。この大舞台でやってのけるかよ……!)
唸る鷲介の前の前でミカエルはサポーターと仲間たちに体を広げて喜びを表す。
そして最後に、ピッチにいる日本代表──鷲介を見て、見下すような笑みを浮かべた。
(この野郎……!)
挑発とわかっていても腹が立つ。そんな笑みを浮かべたミカエルは背を向け、軽快な足取りで仲間たちの下へ向かう。
「気にするな小清水。君が決めて兵藤が止めればイーブンだ!」
「頼むぞ!」
仲間たちの声に小清水は表情を動かさず頷く。
再び起きるアルゼンチンサポーターのブーイングにも動揺せず、彼はボールをセット。十分距離を取ってボールに駆け寄った。
ゴール右下に飛んだスピードが十分なシュート。しかしまたしてもアマデオがボールのとんだ方向に反応。
伸びた左腕と手はボールを止めずかすめただけだ。しかしそのわずかな接触が理由なのか、ボールはわずかに軌道を変えてゴールバーに当たり、ピッチへ跳ね返った。
「おおおおおおっ!!!」
二本連続セーブしたアルゼンチンの守護神が絶叫し、それを助力するかのようにアルゼンチンサポーターが大声援を送る。
「……すみません」
無表情で戻ってきた小清水はそう呟いた次の瞬間、両眼から涙をあふれさせピッチに崩れ落ちる。
それを見て鷲介は気づく。彼は平常心だったのではない。今の今までずっと緊張していたのだ。無理もない、彼は鷲介より年上だが22歳の若者なのだ。
「泣くな。お前は精一杯やった」
「それにまだ試合は終わっていない。泣くには早いぞ」
泣き崩れる彼を慰めるため、また隠すために井口たちが枷を囲み、慰めの言葉をかける。
アルゼンチンの二人目は途中出場のラモンだ。ベテランらしく緊張するそぶりを全く見せない。
主審の笛と同時に駆け寄るラモン。彼は渾身の力を込めて右にシュートを放つ。
それに反応する兵藤。左手のグローブがボールに当たる。
だが軌道が変わったボールはゴールバーに当たり、ゴール内側に跳ね返ってゴール内のネットを揺らした。
アルゼンチンの二本目のPKは見事、成功したのだった。
リーグ戦 24試合 18ゴール10アシスト
カップ戦 3試合 3ゴール4アシスト
CL 10試合 18ゴール4アシスト
代表戦(三年目)2試合 3ゴール1アシスト
W杯 4試合 7ゴール5アシスト




