原案4 封印魔王復活②
RCWを更新しようと思ったんですが体調不良で仕上がりませんでした……。
プロローグ
多種多様な種族が存在するとある世界。
無数の国家が乱立する群雄割拠の時代。
ある小規模な王国で1人の王子が生まれた。
神の血を引くと言われる王と、高名な女冒険者の間に生まれた王子。
彼は新たな魔法を自在に作り出すという特異な才能を持っていた。
優秀な人材を持ちながら、小国であるがゆえに他国に脅かされていた王国。
王子はその国に力を齎した。
15年、それを長いと捉えるか短いと捉えるかはそれぞれだろう。
だが、数ある小国の1つであった王国が大陸を制覇する。
その事実を考えれば恐るべき早さであった。
王国は帝国となり、国王は皇帝を名乗った。
小国の時代から懇意にしていた異種族国家は、同盟国としてその地位を保証された。
敵対した国家も融和的な政策によって支配を受け入れた。
自ら傘下に入る事を望む国も多かった。
帝国の一部となれば、帝国の進んだ魔法技術の恩恵を受けられるのだから。
帝国の繁栄は永遠に続くと臣民は信じていた。
しかし、大国は外側からの侵略には強いが内側の混乱には弱い。
それは世界の歴史が証明している。
この超大国もまた内側に火種を抱えていた。
後継者問題という特大の火種を。
皇帝には皇子が3人いた。
しかし、3人が全員問題を抱えていた。
故に後継者が定まらなかったのだ。
長男は父の武勇を受け継いでいた。
しかし、彼はプライドが高く臣下の意見を聞き入れなかった。
さらに民を見下し、皇帝となれば暴君となることが予想されていた。
彼は幼少時代、民に配慮し贅沢が出来ないことが不満だった。
さらに小国の王子として他国に見下されていた反動もあった。
次男は父の知恵を受け継いでいた。
しかし、彼は選民思想に染まり人間至上主義者達と近づいた。
彼が皇帝となれば、同じ帝国の民を種族によって差別することは確実だった。
これは彼の教育係が、異種族差別思想の化身ともいえる『教会』関係者であったことが原因だった。
そして『教会』の教えを常識として教え込まされた結果であった。
三男は父の魔導を受け継いでいた。
その血に宿る神秘を発現し、帝国成立の原動力となった皇子。
他種族も平等に扱い人気もある。
唯一つ、彼は玉座に興味を持たなかった。
魔導の深淵を探求する魔導王であることを望んだのだ。
皇帝は勢力を増す長男次男の派閥に対し、対策を立てる必要に駆られた。
勢力的には大きいが本人のやる気により纏まっていない三男の支持者たち。
皇帝はそこに新たな旗印を送り込もうと考えた。
それが娘婿の貴族であり三男の友人でもある人物だった。
彼自身は善良だが凡庸な人物だった。
しかし、嫁いだ皇女はまさに女傑と呼べる人物であった。
皇子であればと皇帝が何度も嘆いた皇女一の才媛である。
異種族の同盟国の指示も受けて勢力を拡大した第3皇子派。
三すくみとなり動きが取れなくなったところで悲劇が起こる。
3派閥の対立を押さえていた皇帝が崩御したのだ。
ここから3つの派閥は急速に対立を深めていく。
分裂寸前の帝国とは裏腹に第3皇子は魔導の研究に精を出していた。
そして3つの強力な新魔法を開発する。
ちょうどその時、新たな魔法開発の依頼を受けることになる。
依頼主は長兄と将軍、次兄と教皇、義兄と姉の3派閥だった。
彼は長兄に禁術レベルの威力を持つ暗黒魔法を、次兄に同レベルの神聖魔法を、義兄と姉に絶対防御の精霊魔法を提供した。
それが何所でどの様に使われるかは特に考えていなかった。
緊張の糸が切れ、3勢力が武力衝突する事など知る由もなかった。
そして3つの極大魔法は1つの戦場で使用された。
第1皇子、第2皇子の軍は消滅し、第3皇子派は防御魔法によって生き延びた。
これによって単純な戦力パワーバランスは決した。
しかし、そう単純に話は終わらなかった。
直接戦力を失った2つの派閥は民を扇動し始める。
曰く、第3皇子は危険である、と。
大軍を一瞬で消滅させた魔法が民に向けられればどうなるのか、と。
お前らが言うなと感じるが、群衆とは理性を感情が上回るものだ。
程なくして第3皇子は『魔王』と呼ばれ、全ての悪事の黒幕とされてしまった。
狂乱する民に言葉は届かず、帝国に第3皇子の居場所はなくなっていった。
他種族国家とはいえ国民の8割は人間であり、第1皇子と第2皇子の派閥の支持者は7割を超えるのだ。
同盟国の王、竜王や精霊王は自国への移住を進めたが彼は応じなかった。
彼は現状の全てが煩わしくなってしまったのだ。
ついに彼は自分の研究成果や資料を封印、あるいは信頼のおける相手に譲渡した。
そして自身を地下深くに建造した封印施設に封印してしまう。
封印の期間は500年。
それだけ経てばほとぼりも冷め、少なくとも自分の顔を知る人間はいなくなるだろうとの考えだった。
そして突然、魔王は歴史から消え去る。
第3皇子の失踪。
それは彼を『魔王』と貶める事で勢力を維持していた第1、第2皇子にとっても衝撃だった。
両派閥が自分たちが魔王を討伐したと主張した。
しかし、旧第3皇子派閥は彼は帝国に愛想を尽かして帝国を去ったと主張した。
民はどれが真実かわからず困惑するだけだった。
結局、帝国は3つに分裂した。
第1皇子の国は軍事優先の覇権国家に、第2皇子の国は『教会』中心の宗教国家に、義兄と姉の国は異種族との共存を目指した他種族国家に。
そして時は流れた。
第1章
帝国分裂から500年。
国家はさらに分裂し、小国が入り乱れていた。
幾つもの国が興っては滅び、合併しては分裂していった。
第1皇子の国は民への圧政が原因で反乱が相次ぎ、衰退した。
直系の皇家は絶え、遠縁の末裔も離島へと追いやられた。
しかし、未だに自分達こそが大陸の覇者というプライドを捨てていなかった。
小国の中でも最底辺の国力でありながら、未だに軍事国家であり続けていた。
第2皇子の国は帝国分裂から100年ほど後、異種族国家に侵略戦争を仕掛ける様になった。
しかし、異種族を排斥した結果、技術力の衰退を招いており、戦争には尽く敗退した。
狂信を糧に懲りる事無く戦争を繰り返した結果、国としての存続が不可能となり分裂する。
皇家の血は絶えたが、教会の勢力は地下に潜伏し、悪性腫瘍の様に周辺国家に根を張った。
しかし、異種族に対する過激な排斥行動からやがては危険思想、不穏分子として排斥されることになる。
彼らは辺境の山奥に逃れ、そこで自分たちの国を密かに興した。
そして水面下で各国に手を出し続けていた。
旧第3皇子派の興した国は500年後も存続していた。
多種族の思想を統一するのではなく、各種族の代表を選出する合議制を採用したのだ。
意思決定は遅いが柔軟な対応により500年間存続し、大国としての地位を確たるものにしていた。
歴史の浅い国家に目の敵にされる事もあったが、帝国時代からの同盟国という心強い味方もいた。
そんなある時、旧帝国皇族の末裔である議長の私有地で異常な魔力反応が観測された。
議長は調査隊を送ろうとしたが、予想外のアクシデントが起こる。
帰郷していた2人の孫が学友と共に問題の地点に向かったとの報告があったのだ。
議長の孫は、姉も弟も帝国時代に非常に興味を持っていた。
魔力反応の原因が帝国時代の遺跡と聞いて、迷う事無く飛び出してしまったのだった。
時を同じくして、地下深くに存在した魔法装置がその役目を終えた。
装置の機能は停止し、再び時は流れだす。
魔王と呼ばれた少年が、再び歴史の表舞台に立つ日が近づいていた。
設定とか複雑過ぎかな? 過去の出来事は徐々に判明していく感じのつもりなんですけど……。
第1章で魔王は姉弟に保護されて学園に連れていかれる予定なんですが。
うーん、全体的にあんまり良い出来じゃないかな。




