インパルス対インパルス2⑦
リナやラプトン達は要塞司令室のシェルターに避難していた。万一に備え全員宇宙服に着替えている。ようやくヨキ達が合流する。
「え?」
震えるリナをロミがやさしく抱きしめていた。ケミイは先ほどリナを守って死んだ。
そこへ何者かがテレポートして来る。
「!!」
その人物の姿を見たグレイとロミとヨキは唖然となる。
「兄さま!」リナはロミから離れ、兄のもとに走る。
「そちらの方は頼んだぞ」
そう言うとオズマはリナやその侍女やSPを連れテレポートで消える。
しばらくグレイたちは動けないでいた。
ようやくヨキが「え?・・啓作?」
「何をしている?遅いぞ。早く救助しろ!」ラプトンは礼を言わない。
「はいはい」
ロミ達はATU幹部を連れ、<スペースインパルス>へテレポートする。
グレイとヨキは残る。決着をつけるために。
「合図したら頼む。つきあわせて悪かったな」
「いいよ。今度何か奢ってもらうから」
「出てこい!ボマー!お前も残っているんだろ?」
「ボマー?」
それは爆弾魔の賞金稼ぎ。以前<フロンティア号>を攻撃した生き残りか。
光学迷彩が解けて宇宙服の男が姿を現す。タコとカエルが混じった様な風貌だ。
「あの毒ガスはお前の手口だ。お前の狙いは俺なんだろ?」
「そうだよ。グレイ=フィリップス。<スペースインパルス>は防御が厳しくて手が出せなかった。船から出るのをずっと待っていた。イエーも会談のお偉いさん達も関係ない。俺の標的はお前だ」
「依頼人はショーンの親か?」
「ええっ?」ヨキが驚く。
「ああ。ギャングの娘に手を出したのはまずかったな。しかも死なせた」
「生き残ったら依頼主に知らせてくれ。気が変わった。あの子は俺が育てる!」
ボマーは手を動かそうとする。それをグレイは見逃さなかった。
「今だ!」
閃光! ボマーは自爆した。無人のシェルターを道連れにして。
ヨキとグレイはインパルスへテレポートで逃れる。
スペースインパルス2司令艦。
その船体は被弾し、大破している。メインブリッジも火に包まれている。
ロイは倒れた乗員を起こす。すでに死亡している。
「何でこんな事に?」
「キサマタチハ戦ッテイレバイインダ」
「!!」
死んでいる乗員の口が動く。
「キサマラノこんぴゅーたーハ幼稚デアツカイヤスクテ助カッタ」
「だ、誰だ!?」
「キサマラ二協力サレテハ困ル・アト少シデコノ宇宙ハワレワレノモノニナル」
他次元生命体!
ロイは銃を抜いて構えるが、撃てない。部下の死体を傷つけたくないし、撃ってもおそらく意味はない。
ブラックインパルスがロイの司令艦に向けて主砲を発射する。
<スペースインパルス>が主砲を発射。防御する。
衝撃がロイのいるブリッジを襲う。
「おい!貴様は何者だ!?」
死体はもう喋らない。
インパルスとブラックインパルスは並行して飛行する。
両者の主砲が旋回。敵の方が速い。インパルスに狙いを定める。発射!
明は垂直上昇ノズルを噴射。間一髪、上に避ける。
インパルスの下部砲塔が火を噴く。
ビームの束が次々とブラックインパルスに叩き込まれる。
コントロールを失ったブラックインパルスは要塞に衝突する。
爆発。 要塞は真っ二つに割れる。
インパルスの医務室でモニターを見ていたラプトンは思わず声に出す。
「なぜだ!?なぜ?相手は最新鋭艦だぞ!」はっとなり、「何をしている?艦長に伝えろ。早く我々を安全な宙域へ」
QはSPの手当てをしながら「なーにを言っとるんじゃ。お偉いさんだけ助かればいいって言うのか?」
被弾し航行不能になったトスーゴ艦に向けビームが迫る。
ラーは狙いを定め、第八主砲発射。被弾を防ぐ。
インパルスはトスーゴ艦とブラックインパルスの間に割って入る。
「撃て!」
主砲一斉発射!
全弾ブラックインパルスに命中。爆発。
その光景をオズマは無言で見つめる。
ミサイルを撃ち尽くした<スペースコンドル>は編隊飛行する。
「コンピューターだ!メインコンピューターを狙え!」
編隊はブラックインパルスに接近、ビームを一斉に発射する。
ブラックインパルスのメインコンピュータードームに命中。そのまま離脱する。
コンピューターを破壊するには至らなかったが、動きを止める。
そこをすかさずトスーゴ艦が一斉攻撃。爆発。
「あと4隻です」クリスが伝える。
ブラックインパルス3隻よりスーパーノヴァボンバーが発射される。全6門!
「!」明は舵を切る。
回避。
「しまった!」
逸れたビームの行き先に・・<アポロン>。
オズマは無言で指さす。
<アポロン>艦首より発射される光の塊。その砲の名は反物質転換砲という。
それは6つのスーパーノヴァボンバーを吹き飛ばし、発射源のブラックインパルス三隻に命中する。大爆発。
「・・なんて威力だ」明がつぶやく。
流が「気を抜くな!」
再びインパルスは敵へ向う。




