インパルス対インパルス2③
M33ギガロ宙域。
援軍としてATUの艦隊500隻が到着していた。こちらに残ったブラックインパルスは3隻、トスーゴ第一艦隊は1800隻。ガルゴスの命令を守り攻撃はない。緊張状態が続く。
<スペースインパルス>メインブリッジ。
麗子とシャーロットは美理の手紙を読む。
「よかった。無事で。言いたい事も言えたようだし」シャーロットがちらりとこちらを見る。
明はちょっといやかなり恥ずかしい。
うなずきながら麗子は涙を拭く。何よりも美理とピンニョが無事だったことがうれしい。
「問題はこの手紙を艦長に見せるかどうかだよね」
「うーん・・」明は悩む。
流艦長宛の手紙はない。書く時間がなかったのだろう。
メインパネルにTV中継が映る。超光速通信による生放送だ。
『今まさに、ATUとトスーゴの平和への第一歩が刻まれようとしています』
会談の行われるATUの宇宙要塞の周りには<ペガサス>、<ポセイドン>、トスーゴ第一艦隊50隻。ATU側はインパルス2司令艦と無人艦13隻、他500隻。
『ATU側はラプトン総長とコンガッシュ総督が、トスーゴ側は第一王女リナが来られているとの事ですが・・』
「艦長、イエーは誰を狙うと思いますか?」明が尋ねる。
「ロトス=リカだけじゃなく壊滅した星は数えきれない。リナ王女のせいではないが、トスーゴを憎んでいる者は多い。だが王女に何かあった場合、状況はもっと悪くなる」
「だからグレイとロミを派遣したんですね」
「誠意を示さんとな」何よりふたりは有能だ。
「ラプトンの可能性もあります。優秀な政治家なのは認めるが、裏で何をやっとるかわかったもんじゃない」やっぱりリベラはラプトンが嫌い。
「ジグ、コンガッシュ総督はどんな人物なんだい」
「見た目(ゴリラ似)と違って優しい方です」
「ふーん」
『あ!リナ王女です』
画面は望遠で要塞への連絡通路を歩く人物を映している。
『美しい姫君です。これがトスーゴなのでしょうか?我々と変わりません。我々の同胞を殺したトスーゴ。我々を作ったと言うトスーゴ。憎むべき敵トスーゴ』
機関室でもマーチンたちがTV中継を視聴中。またヨキが遊びに来ている。
「あおっとるなあ」
「あ、グレイだ」
「なんでサングラス?」
「目線を悟られないためだろう」
マーチンが人差し指を振りながら「ちっちっちっ・・それもあるが、俺のバイザーといっしょで、あれに情報や映像が表示されるんだ」
リナ王女一行は要塞内への連絡通路を移動する。
通路自体は結構広い。外から丸見えなのは意図的か?イエーの情報を知らないのか?
リナを真ん中に前にケミイとトスーゴSP一人、右にロミ、左に一人、後ろにグレイと一人の合計六人が護衛する。ガルゴスは自艦の中で待機だ。
グレイは思考をめぐらす。
「(イエーは目標だけを撃ち抜く。陽動はしても無差別殺人はしない。もしリナ王女が標的だとしたら今が絶好のチャンスのはずだ。どこだ?どこから来る?)」
グレイは立ち止まる。一瞬殺気を感じた。宇宙空間を見上げる。通信のスイッチを入れる。
「ロイ艦長。要塞の上方85度、何かありませんか?」
『宇宙船の残骸がいくつかある』
「調べてみてもらえませんか?」
『了解』
インパルス2より小型無人機が数機発進する。
それらは宇宙船残骸の間をぬって飛ぶ。
味方巡洋艦の中へ。
破壊されたブリッジ。乗員の遺体は回収されたが船体は手つかずの状態だ。
何も発見できず無人機は艦外へ。他の艦へ。
ブリッジの空間が揺らぐ。ステルス迷彩が解ける。
イエーは宇宙服のまま座禅を組み微動だにしない。そのサングラスには何かの映像が映っている。
異常なしの報告を受けたグレイは視線をもどす。
何事もなく要塞内に入った一行は会議室前の控室に案内される。
もうすぐ会談が始まる。
ATU側は今日歓迎のセレモニーや会食を行い、会談は明日にしようと提案したが、リナはそれを否定した。急ぎたいと。
「(明が来るべきじゃなかったか?)」グレイにふとそんな考えが浮かんだが、もう遅い。「(今はやれることをやるだけだ)」
ドアが開く。
会議室は要塞の最深部にあり、窓から要塞中心部の“中庭”は見えるが外は見えない密室だ。中庭自体は天井で外(宇宙)と繋がっているが、会議室は外からは死角になっていて狙えない。部屋の中は厳しくチェックされ不審物はない。
リナをラプトンとコンガッシュが出迎える。
大物三人の他に入室を許されたのはラプトンのSP隊長とケミイだけだ。
会談は自動で記録される。書記は要らない。
グレイたちのいる控室のモニターに映像は流れるが、音は聞こえない。
沈黙が続く。
前言撤回。明なら寝ているとグレイは思った。「(俺で正解。流艦長の判断は正しい)」
グレイがにやけているのを見て、隣のロミが尋ねる。
「ねえ、赤ちゃんいつ生まれるの?」
「あと3ヶ月」
「楽しみ?」
「ショーンの両親が引き取ると言っている」
「え?・・それでいいの?」
「俺には育てられない」
「・・・」
グレイは笑みを浮かべ「いいんだよ、これで・・任務にもどるぞ」
(NGシーン)
「リナ王女より“真っ赤なスカーフ”をいただきましたあ。ありがとうございます。こんなんいくつあってもいいですからね」
「艦長、イエーは誰を狙うと思いますか?」明が尋ねる。
「ロトス=リカだけじゃなく壊滅した星は数えきれない。リナ王女のせいではないが、トスーゴを憎んでいる者は多い。だが王女に何かあった場合、状況はもっと悪くなる」
「だからグレイとロミを派遣したんですね」
「誠意を示さんとな」何よりふたりは有能だ。
「ラプトンの可能性もあります。優秀な政治家なのは認めるが、裏で何をやっとるかわかったもんじゃない」やっぱりリベラはラプトンが嫌い。
「ジグ、コンガッシュ総督はどんな人物なんだい」
「見た目(ゴリラ似)と違って優しい方です」
「ほなコンガッシュと違うかー」




