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霊感ホスト  作者: かなえ
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ここから行くんですか?」


基地と名づけた部屋にマンホールのような鉄の板を愛紀が退かすと地下へと続く穴がでてきた。

ごわごわと穴をのぞいている美雪の前髪を冷たい風が揺らした。

真っ暗な穴のそこは見えない、細い梯子が地下へとつづいているようだ。


「よっし行くか」


鷹矢は軽く腕を回して言うと、愛紀とアランは親指を立ててうなずいた。

「がんばれよ」

「お気をつけて」


「ウィッス」


鷹矢も親指を立てて 穴にかかっている梯子に足を掛けて一歩ずつ降りていく。


大きく息を吸い込んで美雪も梯子に足をかけた。




「気をつけて」


聖さんが地下へと続く階段を降りていく美雪に言った。

いつも微笑んでいる印象の彼だが、今は緊張した面持ちで顔に笑みは無い。


「はい」


美雪は頷いて 地下へと続く梯子を降りた。



降り立った地下は真っ暗で、どぶ川の水が流れているイメージだったが実際は薄暗い廊下だった。

電気も通っているようで蛍光灯の明かりが薄暗い廊下を照らしている。

蛍光灯が離れて設置してあるせいか、廊下は暗かった。

窓も無い長い廊下の終わりは見えないが風が前髪を揺らしているのを感じて美雪は息を吐く。

風があれば、窒息死することはない。


「てっきり、下水道に続いているのかと思ってたよ」


腕を組んで降りてくる美雪を見ていた鷹矢に気づいて慌ててスカート抑えた。


「あんた見てたんでしょ」

「見てねぇよ。タイツはいているシリなんて見ても楽しくないしな。おら、行くぞ」


さっさと歩き出した鷹矢に慌てて着いていく。

コツコツと足音が廊下に響いた。


細長く薄暗い廊下は終わりが見えない。


「すっごく長いね・・・」


窓もない廊下を5分は歩いている。

息苦しさを感じてジャケットのボタンを外す。


「多分、あと5分ほど歩けば東京駅に出ると思うんだが」

「本当?」

「お前、話きいてなかったのか?この道を歩けばドアが見えてくるらしい。そのドアを開ければ社員用通路にでるわけだ」

「あのドア?」


灰色のコンクリートが続いている廊下にポツンとクリーム色のドアが見えてきて美雪は指をさす。


「あれだな」


鷹矢は頷いて、襟元についている無線のボタンをおした。


「ドアが見えた」

『そのまま入ってください』


アランの声がイヤホンを通して聞こえてくる。

「了解」


短く答えてドアを開けた。


「お疲れ様です」


てっきり無人だと思っていたドアの向こう側に、駅員の制服を着た男が二人立って頭を下げている。

驚いてのけぞった美雪に鷹矢は笑いながら説明した。


「言ってなかったか?俺達の仲間」

「従業員用の通路なんで誰にも見られないようにここから入ってもらいました」

駅員の帽子を取って、明るく言う男は良く見れば結構若い。


「俺達、聖さんにすげー世話になってるんで、どんなことでも協力してるんですよ」

「例の幻の駅は俺達の間では有名な話なんです」


浅黒い肌の男が歩きながら話し出した。

鷹矢と美雪も着いていく。


先ほどの廊下とは違い、幾分明るく感じた。


「運転席にいれば、チラリと見える駅なんですけど、乗客として乗ってたら見えないかもしれないですね。

ちょうど、複雑に別れている分岐店にあるんですよ」


「で、ここがその駅に通じる線路です」

しばらく廊下をあるき、使用禁止とかかれているドアの前に立ち止まった。


ガチャリとドアを開けるとそこは線路に続いていた。


「線路じゃない」


驚いて真っ暗な線路を見る美雪に駅員は笑った。


「大丈夫ですよ。ここは通常使われている線路ではないので電車に轢かれる事は無いと思います」

「と、思いますって、絶対じゃないってことよね」


「えぇ・・まぁ。貨物とか時刻表には乗ってないのがたまーに着ます」


苦笑している駅員に美雪は辞めたとばかりにドアから一歩下がった。

「やっぱり帰る~」

「お前はなぁ、まだ言ってんのかよ」


すでに線路に降り立っている鷹矢が美雪の洋服を掴んで引いた。

弾みで美雪もドアから線路へと落ちる。


「あ」

危ない。と声を上げそうになった駅員だったが鷹矢が両手で受け止めてそのまま立たせた。


「ほら、行くぞ」

無理やり服を引っ張られて引きずられるようにして歩いていく 美雪に駅員は手を振った。


「おきをつけて」


「行きたくない~」








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