原住民?との邂逅
トボトボと歩き出した未来だが、不意に思ったことを言う。
「山だか森だかわからないけど、ローファーって歩きづらい…」
『どの様に歩きづらいのですか』
「不安定な道だからさー、革だから小指とか踵とかが靴擦れになりそうなんだよね」
『マスターより申告、靴の内部を変化させます』
淡く光る両方の靴、思わず立ち竦んでしまう
『接触面の柔軟化に成功、マスター歩いてみてください』
「え、えぇぇぇ!?何がどうなってるの!?って歩けば良いのよね!?」
『はい、ビジターまでの距離半分を切りましたので進行してください』
変化した靴で一歩目を歩いてみる
「痛くなくなった…けど、どうやったの…」
『マスターの体内に現存するピコマシーンを複製し靴に流し込み形状を変える命令を施しました』
「さらっと言っちゃってるけど、地球…えっと元の地球?でもそこまでオーバーテクノロジーなの出来なかったし聞いたこともないわよ?」
『はい、他TIMのデーターベースを総合し機能を獲得しましたので』
なんて怖い子…言ったら行動出来ちゃう執事ならセバスチャン…あれ、TIMって性別あるのかしら…。
「ねぇTIM、音声?は中性的な感じだけど性別っぽいのってあるの?」
『性別は特にはありませんが、マスターが女性ですので女性の方向で修正されています、それと音声ではなく直接マスター中枢に話しかけていますので、マスターが認識した時点で女性的な声に変換されると思われます』
なるほどね、私の思ったとおりになるって事よね。
『マスターそろそろビジターとの距離が100mを切りますので、会話を試みて危なそうであれば、対象をエネミーに切り替えます』
「わかったわ、話をしてみて駄目そうなら逃げるって事よね」
『ではお気をつけください』
「ん」
ゆっくりと歩き、ビジターとの接近に注意しながら向かう…少しすると、人影が見えた!
木の陰に隠れて顔を斜めにして覗き見ると人と同じような170センチ前後の男性に似た人影が見える。
黄緑の髪に、目元はここからは伺えないが、服装は皮の鎧の上下に、抜き身の100センチほどの両刃剣の様な物を腰にぶら下げている感じ、あと首には布地のマフラーっぽいのが特徴といえばいいのかな。
<GAGULOTAM…草回収也…GetHerbs…>
『翻訳機能で解析中、40%完了しました、続けますか?』
「すっごぃノイズ交じりで聞き取りずらかかったけど、TIMもう少しだけ続けて」
『了解いたしました、引き続き翻訳機能を効果的に使用するためマスターのピアスに接続します』
「あ、うん」
もう驚かない。驚いたとしても顔には出したくない…。
<もう少しだけ薬草が欲しいよなぁー、この辺に群生していたはずなんだけどなぁ>
「ねぇTIM、聞くのは大丈夫そうだけど、話すのってどうしたらいい?」
『会話用のインターフェースを構築いたします』
私のTIMがどんどん壊れ性能を発揮し始めている…
『ビジターの襟巻きを参照し構成を開始します』
淡い光でピコマシーンが結合されている様子を垣間見た…シュッて出来ていくの!3Dプリンタをありえない速度で動かしたらこうなるってやつ…でも、素材って何?やっぱりピコマシーンそのもの!?私の中にあるピコマシーンが減ってるってことなのかしら。
『襟巻きの会話インターフェース付きですが、概ね翻訳できるはずです』
「あ、ありがとう」
『改良などしたいときに改めて命令をお願い致します』
「あぁ、はい…」
その頃、本題のビジターは
<あったあった、これこれ。ひいふうみい…5本もあればいいし場所も覚えたから次の分もとっておかないとなぁ>
はい、ビジターは冒険者って感じですね。
なので、安全度は比較的上がったので話しかけを開始してみる。
「あ、あのー、道に迷ったんですが…」
<わっ!女の子、こんな山の奥に!?>
「えっと…」
考えろ私!考えるんだ!国語表現2だけど頑張れ私!
「行商中に事故に遭い、置いて行かれてしまったのですっ」
ナイス私!非の打ち所がない受け答え!
<ほーん、そう言って盗賊の部類じゃないの?大丈夫?>
この世界にはやっぱり盗賊も出るみたいです…。
初めて出会った青年、タダのモブになるか、それとも一緒にダンジョンを…
どうなることやら。




