ラルフ殿下Side
結婚なんかしない。
婚約者なんていらない。
幼い頃から側近候補として側にいたクリスが辟易した顔で告げる。
クリスはモテる。私の次くらいに。ただ私は王太子だし婚約者がいるので令嬢方の圧はクリスに向かっていた。
令嬢達に纏わりつかれ、待ち伏せされクリスを挟んで争いが起きる。そんな日々が続いていた。
そんな環境で数年立つ頃には見事な女性嫌いへと育っていた。
女性に対して笑わない。勘違いさせない。隙を見せない。と徹底していた。隙を見せたら終わると。
そんなクリスがある女性の事を気にし出した。妹であるエリザベスのところにいる侍女で、リリア嬢というらしい。なんか誤解して強く言った事を謝りたいと。謝るタイミングを計るべくエリザベスの元へよく覗きに行っていた。
その度に努力家だとか、いつも頑張っているんだと褒めだした。まだ謝れても無いのに。
早く謝って仲良くなればいいのに…意外とヘタレなのか?
謝る機会を与えるために、わざわざエリザベスとの茶会をセッティングし時間を作ってやった。
無事話しかけれたようだなと横目に様子を見ていると、楽しそうにリリア嬢へと微笑んでいた。あいつあんな顔して笑うのかと驚愕する。エリザベスも目が落ちそうなくらい2人を見ていた。
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エリザベス様がリリア嬢を隣国へ連れて行こうとしてる。リリア嬢が全く意識してくれない。と、朝からずっと落ち込んでいるクリスの相談に乗ることにした。こんなに落ち込むのを見るのは初めてで、面白そうだったから。
結婚すればいいんだよっと囁いた。
結婚したらエリザベスも連れていけないと。
そうか結婚すれば独り占めできる!父上に相談して釣書を送ってもらう!と意気込んで出ていった。
やはり私の友は面白い。
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昨日一緒にでかけたようだった。出かける数日前から何度もシミュレーションをし、用意周到に動いていた友に正直引いた。
リリア嬢が想いを返してくれるといいな。じゃないとあいつ危ない。監禁しかねない。宰相候補なのにマズイと自分の将来のためにリリア嬢には悪いが密かに願った。
翌日のクリスは上手くいったようで上機嫌だった。良かったと私は一安心。
喜ぶクリスを見て、私も笑ってしまう。
今日もエリザベスの元へ行ってやるか。
何て優しい主なんだろう。
私だって面白がってはいるが、昔から付いてくれているクリスには幸せになって欲しいんだよ。
女性嫌いで結婚を諦めていた友の幸せを願って、今日もエリザベスの元へ行く。
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