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クリス様とは会えば会話をするようになった。声をかけてくださるし、重い物を持っていれば変わってくださったりする。冷徹だと思っていたが仕事熱心で、仲良くなれば分け隔て無く接して下さる。美人で仕事が出来る上に優しい方なのだなと感心する。
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「リリアは結婚しないの?」
ある日エリザベス様が聞いてきた。働かないとダメな事やそもそも婚約者がいないと伝える。
「お金持ってる人捕まえればいいじゃない。」
エリザベス様は笑いながら、とんでもない事を言う。
「そんな方いないですよ。エリザベス様が隣国へ連れていってくださるんですよね。」
「そのつもりだったんだけど…事情が変わりそうなのよね。」
「…なぜ」
ショックだ。私はエリザベス様と隣国に行くつもりだったのに。何が邪魔をするのか。
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お父様から1度早急に帰ってくるようにと連絡が来た。今までそんな連絡無かったのにどうしたのだろう。
翌日久しぶりに家に帰り皆に挨拶をする。お父様がこちらへと呼ぶ。
どうしたのだろうと不思議に思いながらソファーに座る。お父様が珍しく困った様子で、言いづらそうにしていた。
「リリア…宰相候補のクリス様とは話したりするのか?」
「クリス様ですか?会えばお話して下さいますが。」
「んーーー。実はクリス様からリリア宛に釣書が届いたんだよ。」
は?クリス様から?釣書?昨日会った時に実家に帰る話をしたら、「そうなんだ。気をつけてね。」と言っていた。いつも通りだったけど。
「クリス様は無理強いしないしリリアに任すと言ってくれている。とんでもない大物を連れてきたな…。」
お父様がため息をつきながら思案している。戻って1度クリス様に確認してみる事で話がついた。
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「リリア!クリスに求婚された?」
会った瞬間キラキラした顔でエリザベス様が聞いてきた。
「え!何故ご存じなのですか??!」
「クリスがお兄様に相談していたから知ってるわ。そうかー。やっとか。嬉しいけど寂しいわ。結婚したら隣国へは連れていけないものね。」
「釣書はきっと間違いなんです!」
「間違いなわけ無いわよ。クリスは本気よ?リリアにだけあんなに甘く優しい顔してるじゃない。クリスの想い人がリリアだって皆わかってるわ。」
周りを見ると皆うんうんと頷いている。え?そうなの?
「でもここまで伝わってないなんてクリスが可哀想。ね?クリス?」
「やめてください。私達の事はそっとしておいてください。」
クリス様だ。エリザベス様に対して怪訝そうなクリス様がいる。ちょっと来てとクリス様が私の手を取り歩き出す。
「ごゆっくりー。」
戸惑っているとエリザベス様が笑いながら送り出してくれる。
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