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おはようと同じ侍女仲間のサナ様に声をかけられる。おはようございますと返事をし、共にエリザベス様の元へ向かう。
道中王太子であるラルフ様御一行が歩いてきたため壁際に寄り頭を下げる。
エリザベス様と同じ金髪碧眼、ふわふわな髪に柔らかな笑顔。皆の憧れだ。
「リリア様はどちら派ですか?」
サナ様に問いかけられる。どちら派というのは先程のラルフ殿下と、ラルフ殿下の側にいたクリス様の事だ。サラサラッとした黒髪に紫の瞳。ラルフ殿下に負けず劣らずの容姿端麗な上、宰相候補の『麗しの貴公子』。王太子は無理でもクリス様なら手が届くかもと令嬢達から人気だ。
あぁ…綺麗過ぎる方にあまり興味無いのですよねっと話すと、サナ様が私はラルフ殿下派ですとこっそり教えてくれた。
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「この書類をラルフお兄様の所まで届けて頂戴。」
エリザベス様から書類を受け取り、かしこまりましたと部屋を出る。エリザベス様のいるトパーズ宮を出てあまり馴染みの無いラルフ殿下のエメラルド宮へと向かう。
事務官の方は何処だろうとキョロキョロ探していたら、どうされましたか?と後方から声をかけられた。助かったと声のする方を向くと先程の麗しのクリス様がいた。説明をし書類を預けると、雑に受け取りサッ行ってしまう。
「あ、えっとクリス様…」
一言お礼を伝えようと呼びかけたが、もう用は無いですよね?と冷たい笑顔であしらわれた。はい!ありがとうございました!とだけ強く伝えイライラしながら早急に立ち去る。何あれ?!何が麗しの貴公子だ!おさまらない苛立ちに腹を立てながらトパーズ宮へ帰る。
イライラして戻るとどうしたのかと驚いたサナ様に聞かれる。一連を話しラルフ殿下派にします宣言をしていると、ちょうど通りかかったエリザベス様にリリアはラルフお兄様派なのねっと微笑まれる。昔からクリス様は女性に絡まれすぎて女性嫌いとなり、女性全般に冷たく優しくない事を教えてくれた。
本当子供よね。とエリザベス様が言うので笑ってしまった。
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今日はラルフ殿下とエリザベス様のお茶会が催される。隣国からエリザベス様の婚約者が来られるので、昔から親交があり歓迎の意味もあり一緒にお茶をするようだ。数年後エリザベス様は隣国へ嫁いでしまう。
慌ただしく用意をし、庭園へと向かう。
お茶を入れるとエリザベス様がリリアのお茶はとても美味しく嫁ぐ時も連れていきたいと褒めてくださる。
側を離れ壁際に立つと、ふと隣に人が来た。
エリザベス様は貴方の事をずいぶん信頼されているのですね。とクリス様が話しかけてきた。
ありがとうございますと無表情で答える。
「先日はすいませんでした。お礼を言ってくださろうとしただけの貴方に対して、過剰に反応し冷たくあしらってしまいました。」
申し訳ありませんでした。って頭を下げてくれた。
「いえ!頭を上げてください!」
私は焦ってクリス様をとめる。
「同僚達からエリザベス様の新しい侍女の方は仕事に真摯な方だと聞き、謝る機会をずっとうかがっておりました。」
「大丈夫ですよ。気にしてません。クリス様くらい令嬢に狙われてたらそうなります。」
くすくすっと笑ってしまう。クリス様はありがとうございます。と微笑んだ。倒れそうになったが、グッとこえる。美人過ぎる貴公子の微笑みは破壊的だった。
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離れたところからエリザベス様とラルフ殿下がこちらを見ていた。




