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カマセ一番!  作者: 鍵っ子
格闘少年の日常
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幕間:辰門司君視点のお話・京都からの刺客 その2

 校門蹴ってジャンプ。真っ直ぐだ。脇目も振るな。ロケットみたいに突っ込め俺!


「オラァ! そっから退け不審者この野郎が!」

「チィッ!?」


 よし、拳に手応えあり! そのまま吹っ飛ばして! 壁にでもぶつけてやる!


「こぉ、のぉ、オラァ! って嘘こいつ馬鹿みたいに重イィ!? 押し切れねぇっ!?」

「ぐっ……」


 うがっ、はじき返された!? ちょっとは後退させられるかと思ったけど嘘だろ!?


「けど、なんとか退かしたか……童子切、平気か!?」

「……なんで、来たの……あんた」

「友達助けに行くのなんざ当たり前だろ、いいから静かに休んでろ」


 どんだけのダメージかは分からない。けど、それこそ生活に支障が出るほどじゃない。けどもう少し到着が遅かったら、どうなっていた事か。


「ったく、少しは容赦って……するわけないか、お前みたいな怪物がよ」

「怪物とは、言ってくれる。これでも熱い血の通った武芸者なのだがな」

「嘘つけ。熱いどころか冷徹で冷血、南極でも歩いてるみたいな寒さを感じるぜ」


 一応血の繋がった親族を、ここまで痛めつけて顔色一つ変えないとか、マジで人間かも怪しいくらいだと思う。


「不躾にもほどがあるな……お前にも、少し灸を据えてやるか?」

「やってみろ木偶の坊! 今度こそお前に吠え面書かせてやるよ!」


 踏み込んで一気に加速! 校庭が若干ひび割れたが、後で謝ろう……とりあえず、今はそれはそれとして置いておく! 今は目の前に迫った此奴に集中!


「踏み込んだ! 一発、頂きっ!」


 こいつに行動させたら多分ダメだ。先手先手で、一気に差を空ける! 当然狙いは顔面クリーンヒット狙い……それに、もう一つ。


「……見事な踏み込み、だが、一歩遅い!」

「いや防御間に合うのかよっ!? 結構完璧な足捌きだと思ったんだが!?」


 こ、これでダメなら……ってうぉお!? 丸太が来る!


「っしゃオラァッ!」

「っ、またサマーソルトかっ!」


 あ、あぶねぇ……舐めてんじゃねぇぞ!


「お前対策に覚えたサマーソルト! 童子切との組手で制度も上がってるんだよ!」

「蹴りを躱しつつも、反撃する為か……涙ぐましい事だ!」


 そうはいっても、もう距離はとってる。あいつが一気に踏み込んで来たとしても逃げられる。大丈夫だ、落ち着け!


「踏み潰すっ!」

「うわぁおっ!?」


 踏み込むのと攻撃とまとめてやるとか!


「一石二鳥の俺のやり方パクるのはやめてくれませんかねぇ! アイデアは個人の物ですよ! 特許侵害だ!」

「戯言を……武術は合理的な形になるのは必然! 貴様のオリジナルなどと、なんとも傲慢! 不遜にも程があるのではないか!」


 ええい、こんな野郎に真っ当な正論を説かれるとは! なんか悔しい!


「正論を言ってても、親族を痛めつけたのは変わらねぇぞコラァ!」


 ダメだ、日和るな! こっから一気に押し込み返すんだ! ちょっと理不尽なセリフだが、ここは俺のやる気を震え上がらせる為だ! 押し通す!


「それを正当化しようと思って言ったセリフではない」

「じゃあドヤっていうんじゃねぇよ独活の大木ぅ! オラオラオラァッ!」

「ええい、こうも、小刻みな打撃……以前より、更に動きに機敏さが!」


 よし、とりあえず、最初の一手はしくじったけどこうやってラッシュで封殺するのは成功した……挑発気味に、ちょっとオーバーなリアクションもしたし、注目されてるだろうから、ここまで引き付ければ、童子切に意識もいかねぇだろう。


「それに、しても! これだけ、打ち込んでも! 一発も! 入んないとはな!」

「確かに反撃は出来ないが、対処するのであれば、どうとでもなる」

「経験の差ってか!? 嫌味ったらしい!」


 此奴は、強い。マトモに殴り合って勝てるような相手かって言われれば、正直厳しいと思う。なら、ここは俺が限界まで時間を稼ぐのが吉。その間に、ヨシタケが来てくれれば童子切を回収してもらって、トンズラもできる。


「そこだっ!」

「甘い!」

「ドォッ!?」


 ……甘い一発で顔なんか狙うと、杭打ち機みたいなパンチがカウンターで飛んで来るんだけどさ! やべえ、フォン、とかじゃなくて、ゴォッ、って、そんな音がガチでする。


「けど……」

「なかなかいい動きをする!」

「この前、やりあって、動きは、少し覚えた! なら、対応できないことは、ないと思いたい! とはいえ、当たったらやばそう!」

「当然だ、直撃すれば顔面を吹き飛ばすくらいには、力を込めているからな」


 そんな恐ろしいセリフを、呼吸でもするみたいに気軽に言って欲しくないんだけど!


「……とはいえ」

「ぬっ! 隙があるぞ!」


 こんな化け物みたいな奴とやりあうのも、良い経験になるって話だ。


「ちょっ、と! あぶねぇ!」

「っ、貴様!」


 あ、あっぶねぇ……もうちょっとで、直撃して消し飛ぶところだった。いや消し飛ぶってのは物理的なアレじゃなくて、意識的な意味なんだが。


「俺の拳を、()()()()()()()に躱したな、貴様……」

「へ、折角の機会だ。経験積んでおきたいところなのさ」

「俺との手合わせを修行の場とでもいうつもりか、貴様……」


 ご名答! 本当だったら、勝ちに行きたいところだけどよ!


「(時間稼ぎと合わせて)修行の場にさせてもらうぜ、悪いな!」


書いててわかる本編主人公との素質の違いよ。素直にこっちを主人公に据えてた方が良かったんだろうか。

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[気になる点] うがっ、はじき返された!? ちょっとは交代させられるかと思ったけど嘘だろ!? →後退させられる 「ちょっ、と! ああぶねぇ!」 →あぶねぇ!
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