宿酔から醒めかけた百姓と兵士たちが、未だに深い眠りの底
美嘉は正座の椅子に腰掛け、目の前で繰り広げられる熱気あふれる光景、三千人の人間が同時に杯を掲げて大口で肉を喰らう様を眺めながら、この乱世の地へと降り立って以来、ただの一度も味わったことのない、胸のすくような輕鬆と心地よさを覚えていた。
魯智深、武松、そして阮家の兄弟たちは、とっくに兵士や職人たちの座席の中に混じり合い、大声を張り上げて笑い合い、大杯で酒を煽っていた。林冲は酒こそ口にせぬものの、温かい蒲公英の茶を手に提げ、その一貫して厳格だった面持ちに、温和で引き締まった笑みを浮かべていた。
集まった一同と象徴的な乾杯を数度交わした後、美嘉は静かに席を立った。
彼女は素色の披風をきつく体に巻き付けると、楽大娘子と共にいくつかの酒菜(料理)を抱え、前砦の崗哨(見張り台)へと歩みを進めた。刺すような寒風の吹く闇の中、当番のために宴への参加が叶わぬ兵士と女兵たちが、兵刃を固く握りしめて前線を見据えていた。美嘉は彼らの傍らへと歩み寄り、温かい煮込み肉や糕点を手渡していった。楽大娘子は柔らかな微笑みを浮かべて、「今日は、私たちのこの山岡にとっての、本当の新年(年越し)ね」と言い添えた。そうして言い終えると、通常の二倍に及ぶ節日の津貼(節日手当)を、自らの手で一人一人の掌へと実直に手渡していったのである。
美嘉たちは前砦の巡視を完全に完了させた後、さらに山砦の内をぐるりと一圏(一周)して回った。すべては平安無事であり、何一つ異常はなかった。再び食堂の大庁(大ホール)へと戻ると、魯智深、武松、阮家の兄弟、さらには扈成や戴誠といった連中が、未だに盛大に酒を酌み交わしているところだった。
一同は持てる限りの歓楽を尽くし、大宴の火は徹夜のまま途絶えることはなかった。
大宴が深夜になってようやく散り、美嘉は自分に割り当てられた偏棚(奥の間)へと戻って横たわった。一日のあらゆる操労(仕事)の疲れと、酒宴の後の深い疲弊がどっと押し寄せ、彼女が眠りに落ちた、まさにその瞬間だった。
「――砰、砰、砰!」
突如として、激しく、かつ重苦しい門を叩く音が、刺すような冷たい晨風(朝の風)を切り裂き、破霧(夜明け)の静寂を無残に叩き潰した。
美嘉は猛然と驚醒(目を覚まし)し、衣物を大急ぎで身に纏うと、部屋の門を力任せに押し開けた。
朝霧の立ち込める小さな中庭のなかに、主管外政の顧大嫂、今日の值班(当番)である行者の武松、そして神色を厳格に強張らせた女兵情報頭領老七が、面色を鉄青(真っ青に)に変えて立ち尽くしていた。
「三妹、一大事だよ」顧大嫂は腰の戒刀(刀)の柄を上から鷲掴みにし、声を低く潜めながらも、その奥に氷のような殺意を宿らせて言い放った。「山の下の県官(お役人)が、自ら大量の官兵を引き連れて、いま朝霧のなかを前砦の大門の前まで押し寄せてきている。あの犬官(悪徳役人)は朝廷の公文を掲げて、大声で叫陣(門を開けろと要求)しているわ。上峰からの死命令を授かっている、この独竜岡の中に入って、匿われている朝廷の逃亡犯を残さず捜査する、と言いやがるんだ!」
武松の二つの虎の瞳が、うっすらと差し込む晨光のなかで凄まじい精芒を暴漲(爆発)させた。彼は冷笑を浮かべながら、顧大嫂の言葉を引き継いだ。
「どうやら、昨夜の俺たちの爆竹の音が派手に響きすぎて、山の下の耳目を完全に驚かせて(叩き起こして)しまったらしいな。県衙(お役所)の寄生虫どもめ、早からず遅からず、俺たち三千の人間が酒に泥酔して眠りについた、まさにこの瞬間を狙ってきやがった。多半(十中八九)、火事場泥棒(趁火打劫)を仕掛ける腹づもりだろう。――三姑娘、この大門、俺たちは開けるのか、それとも開けねえのか?」
朝陽の最初の一縷の光が雲霧を貫き、美嘉の顔を青白く照らし出した。彼女は、周囲の空気がさっきよりもさらに凍りついたかのように冷たく感じていた。
後方の大営のなかでは、三千人の宿酔から醒めかけた百姓と兵士たちが、未だに深い眠りの底に沈んでいる。しかし、前砦の関門の外では、官府のあの冷酷にして残虐な爪牙(牙)が、すでに独竜岡の大門へと、生々しく食い込んできているのだった。




