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 大陸暦1053年 戦の月 29日



 =B9階=



「剣の王」のカード

 分類:イベントアイテム

 レア度:1

 品質:A

 重量:-

 剣の王が描かれたカード。



 剣の王のカードを回収しました。これで十振りの剣、剣の王子、剣の女王、剣の王の4枚のカードを入手できたことになります。


 残りは名称的に一振りの剣のカード、かな?


 剣の王の部屋から扉を開けて先に進んでいくことにしましょう。


 いつものように折れ曲がる通路を進んでいくと扉に到着します。


 扉を開けると中は空っぽの部屋でした。どんな像があって最後はどんなボスか……と思って身構えていたのですが、少々拍子抜けです。


 部屋をぐるっと見回します。


 部屋の奥の壁に上下に動かすレバーが3つ並んでいます。1,2,3とナンバリングされているようです。(これは普通にアラビア数字なので読めました)


 ……カードが見当たりませんね。


 このレバーを動かせば何か隠し扉が開くとか……と思って色々上下に動かしてみましたが、特に何も起きません。部屋の壁や床を探してみましたが、隠し扉とか床が持ちあがる場所とか、そういうものは見つかりません。


 最後のカードどこに行きました!?


 レバーについてのヒントは特にありませんでした。なかったはずです。上下の組み合わせは一通り試してみましたが何も起こりませんでした。となると考えられるのは。


 1.通路あるいは前の部屋に隠し扉がある。


 ノーヒントでしたよね……何か気づくようなスキルがないと気づかないとか……?隅々まで調べないと見つからないとかになると莫大な時間がかかりそうです。


 2.B8階あるいはB10階から移動する。


 エレベーターで各階を移動していたので忘れそうでしたが、最初は階段とかハシゴで順番に降りて来てたんですよね。となるとB8階から下に降りる道が、あるいはB10階から上にのぼる道があるのかもしれません。B10階にはなかったような記憶がしますけれど。


 うーん、となると。今のところ未探索のB8階を見てみる必要があるようですね。


 ……結局B8階の探索をしないといけないんですか……。



 =B8階=



 ここは杯の王国。

 かつて大いなる自然の恵みで栄えた国。

 森は火で焼き払い、

 火の山は冷たい水で鎮め、

 湖は砂で埋め尽くし、

 砂漠には木を植えた。

 そして最後は全て海の底に沈んでしまった。



 銘板のメッセージ再掲です。さて、どんな階層なのか……エレベーターを降りて最初の小部屋の扉を開けました。


 砂漠でした。


 はい?


 ダンジョンの中にいたはずなのに、一面砂の海と言う奴です。どうなっているんでしょう?


 とりあえず部屋の外に出てみます。今までの冷たい石の床ではなく、確かに砂の感触ですね。というか裸足なので熱くなくてよかった。


 振り返って扉がどうなっているか確認すると、空中にぽつんと扉が浮いているような状態になっています。ためしに扉の周囲を触ってみますと、何もない空間のはずなのに見えない壁のようなものに触れることができます。


 試しに扉の向こう側に進もうと思っても、見えない壁に阻まれました。


 ははーん、なるほど。ようは屋外にいるように「見える」けれど、実際はダンジョンの中で、行ける範囲は限定されていて壁に囲まれている、というわけですね。


 無限に屋外が続いていて戻れなくなる、ということはなさそうなので先に進んでみましょう。

 「砂漠には木を植えた」とありましたけど、何かあるんでしょうか。



 デザートシャーク

 種族:魚

 レベル:24

 属性:土

 スキル:〈地中移動〉



 何かあるかと思っていたら遭遇したのはこいつらでした。砂の中から黒い三角のヒレが見えて迫ってきた時は何事かと思いました。


 どうせ地中を潜って泳いで来れるなら直前まで潜伏して奇襲したらよかったのに……黒い背びれを見せて迫るのがサメのお約束だからしょうがないんでしょうかね。



     ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇



 砂の上を歩き続けて行くといつしか砂漠が終わり草原になり、大きな湖にたどり着きました。


 ……ダンジョンの中ですし、地形の現実性については考えないことにします。


 湖の向かって右側には鬱蒼とした深そうな森が広がり、左側は逆に木はほとんどなく高い岩山がそびえ立っています。


 ……地形の現実性は考えないことにしましょう。


 それと湖の真ん中に小さな島があるのも見えますね。


 左側の山が銘文にあった「火の山」で右側が普通に「森」でしょうか。そして「湖」。


 何となく謎かけに該当しそうな地形が見られますが、実際にそれがどういう意味なのかはわかりません。実際に行ってみないと、というところですね。


 山も森も探索には時間がかかりそうですから、まずは手近な湖の中の島から見てみることにしましょう。


 〈ドラゴンウィング〉。背中に翼を出し、空中に飛び上がります。さすがに泳いで島まで行くのは私の能力的に無理でしょうし。潜水服の使い所かとも思ったんですけど、飛んでいけるならそれに越したことはないですよね。


 というわけで、島に向かって飛んで……行こうとしたところで湖面から水柱が立ち上がり、巻き込まれそうになります。間一髪で避けましたけど。


 危ない、と思ったら次々と水柱が立ち上がって来ます。


 明らかにおかしい。


 と、水柱が足首に巻き付きました。


 いや、それはどう考えても水柱じゃなありません。水っぽい触手?


 そのまま物凄い力で湖の中に引きずり込まれました。もがきますが、足を引っ張られ続けているようで、そのまま水底に沈んでいきます。


 息が止まって、力尽きる前にせめて足に巻き付いて引きずり込んでくるモノに〈鑑定〉を……。



 レイクスピリット

 種族:精霊

 ボス

 レベル:100

 属性:水

 スキル:〈吸収〉〈土属性弱点〉



 レベル100って……というか……これ……。


 湖そのものが、モンスターですか……!



 大陸暦1053年 戦の月 30日



 =B8階=


 レベル100、湖全部が1体のモンスターというのはちょっと予想してませんでした。


 したくもない貴重な溺死の体験ができたわけですが、となると山と森にも行ってみないといけません。


 というか、すごい嫌な予感がしますが……。



 ・山


 ケレス山並みの険しい岩山でしたので〈ドラゴンウィング〉で飛んで行くことにします。


 途中で火喰い鳥という鳥のモンスターが襲ってきましたが、特に強くもありませんでしたので戦闘は省略です。火を吹いてきたくらいかな?火を喰うじゃなくて吐くんですね。


 山頂に近づくほど暑くなっていったので何かと思ったら、この山、どうやら火山のようです。下から見た時には煙が上がってるようには見えませんでしたが。

 兎に角高く飛んで、山頂を空中から見下ろしてみると、火口の部分に真っ赤なマグマが溜まっているのが見えます。暑いのはそのせいですね。


 あからさまに不自然な状況なので、火口のマグマに〈鑑定〉をかけてみます。



 マグマティタン

 ボス

 種族:精霊

 レベル:100

 属性:火

 スキル:〈溶岩の体〉〈水属性弱点〉



 やっぱりー!?


 というか〈鑑定〉をかけたら何かマグマの中に目のようなものができてこちらを見ているような気が……。

 急いで逃げました。



 ・森


 空中から見る限りでは永遠に森が続いているように見えます。まあ、そう見えているだけでどこかで見えない壁があって遮られているのでしょう。


 とりあえず空を飛んでどこまで行けるか見てみようか……と思いましたが森の上空に差し掛かったら、木の枝やら蔓、蔦が次々にこちらを捕らえようと下から飛んできました。


 どう考えても捕まったら湖の時と同じことになりそうなのでさっさと逃げることにします。


 とりあえず襲ってこない位置まで避難したところで、〈鑑定〉をかけてみます。



 リビングフォレスト

 ボス

 種族:精霊

 レベル:100

 属性:木

 スキル:〈群体〉〈復活〉〈火属性弱点〉



 ……湖と同じですね。

 この森全部が、1体のモンスターのようです。



 山、というか火山にマグマのモンスター。


 湖は湖そのものがモンスター。


 森も森そのものがモンスター。


 ということは砂漠も……うん。素通りしてきましたけど、巨大な砂丘があるのが見えます。おそらくそこにいるのでしょうね。いるというか砂丘そのものがモンスターかな。



 ひええ……この階層、「巨大ボスモンスター」ラッシュですか……!

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