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「2章:終わりなき迷宮」開始になります。よろしくお願いします。
大陸暦1052年 土の月 12日
とりあえず、このダンジョンを突破する。これが当面の私の目標になります。
どこに出るかはわかりませんが……ケレス山周囲の樹海の森の中とかだと死にかねませんが。
たぶんそれはないと思うんですよね。このダンジョンに出てくる敵が弱すぎるので。ゲーム的な見解ですけど。
まずはちょっと一段落ついたことですし、しばらく確認できていなかったキャラクターブックを確認しましょう。
【キャラクター名】ノエル
【家名】なし
【種族】人竜
【生年月日/年齢/寿命】大陸暦1013年 空の月 24日/38/-
【言語】
[会話]大陸共通語・西域人間語・ドラゴン語
[読解]大陸共通語・西域人間語
【HP】57/57 【SP】35/35 【MP】54/54
【空腹度】63/100【渇水度】 58/100
【ステータス】
[体力]7
[生命]21
[器用]16
[敏捷]6
[知性]12
[精神]15
[魔力]24
【スキルとアーツ】
〈竜闘術・王魔★〉LV1 〈状態異常耐性〉LV1 〈礼儀作法〉LV4
〈園芸〉LV1 〈調教〉LV1 〈動植物知識〉LV1
〈魔力知覚〉LV1 〈気配察知〉LV1 〈鑑定〉LV1
〈魔力操作〉LV1 〈魔力奪取〉LV1 〈睡眠負荷軽減〉LV1
〈MP回復率上昇〉LV1 〈HP自動回復※〉 〈SP自動回復※〉
〈MP自動回復※〉
【装備品】
[頭]
[顔]
[上半身]粗末な服♀
[下半身]粗末な服♀
[手]
[足]粗末なサンダル
[アクセサリー1]ロスフェラードの指輪
[アクセサリー2]グリムレットの王竜珠
[アクセサリー3]
[アクセサリー4]
【所持品】
骨×99
錆びた剣×99
ダンジョンバットの牙×99
ダンジョンバットの翼×99
ダンジョンラットの牙×99
ダンジョンラットの尻尾×99
ノクターナルの竜珠
針×10
糸×99
布×99
----------4ページ目----------
【あなたの歩んだ歴史】
大陸暦1052年 氷の月 17日 〈異人〉として覚醒。
大陸暦1052年 氷の月 18日 〈魔力知覚〉を習得。
大陸暦1052年 氷の月 20日 〈気配察知〉を習得。
大陸暦1052年 氷の月 20日 〈鑑定〉を習得。
大陸暦1052年 雷の月 9日 〈魔力操作〉を習得。
大陸暦1052年 雷の月 9日 〈魔力奪取〉を習得。
大陸暦1052年 雷の月 17日 〈睡眠負荷軽減〉を習得。
大陸暦1052年 雷の月 17日 〈MP回復率上昇〉を習得。
大陸暦1052年 土の月 10日 CW「グリムレット討伐Ⅱ」に参加。
大陸暦1052年 土の月 10日 〈種族:人竜〉に進化。
大陸暦1052年 土の月 10日 称号〈竜姫〉を取得。
大陸暦1052年 土の月 12日 称号〈メイマリアの加護〉を取得。
【称号】
〈ロスフェラードの三美姫〉
〈竜姫〉
〈メイマリアの加護〉
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2ページ目と3ページ目は特別変化がなかったので省略です。グリムレットさんのプロフィールに死亡年月日が増えたくらいですね。つらい。
では変わったところを見ていきます。
まず、種族。
【種族】人竜
魔力の変質により、人間の姿のまま竜に至った珍しい存在。種族は竜種に分類される。体の一部に竜の特徴を持ち、竜の力を操ることができる。
竜の力を持った人間から、人間の姿の竜に無事(?)進化しました。公式では竜人という種族がいますが、あれは二足歩行しているドラゴン、という感じですね。人型の竜(外見)と人型の竜(中身)の違いという所でしょう。
種族の変更に伴い寿命がなくなりました。見た目もそのままなので不老な存在になったということでしょう。とは言ってもゲーム内時間は現実の3倍程度なので1年ゲームを続けてもゲームの中ではたった3年、寿命ってどうでもいいように思います。
スキルについては変化が見られるのが1つ。
〈竜闘術・王魔★〉
★マークがついているのは「上級スキル」だそうです。
王魔という名称は種族の変更も合わせてグリムレットさんの魔力を継承したことによるからでしょう。
上級になって1番の変化はアーツの多重発動が可能、つまり同一のアーツなら同時に発動ができるようになる、ということだそうです。地味にありがたいかもしれません。〈ドラゴンクロー〉が今まで1つしか使えずに片手しか出せなかったのが両手が出せるようになりました。
装備品と所持品はグリムレットさんから受け継いだ竜珠はアクセサリー扱いのようです。取り外しできるのかな……やりませんけど。
所持品にはダンジョンで集めたもの、ノクターナルさんの竜珠、サマリーさんに用意してもらった針と糸と布が大量にあります。
ダンジョンで集めたものは、初めてダンジョンに入ってからクロニクル・ウォーが始まるまで現実で約4日間、訓練を兼ねて籠っていた成果です。スキルとアーツのレベルの方の成果は消えてなくなりました。ちくせう。
ちなみに、同種のアイテムは最大99個しか持てないようです。99個もまとめて持てるのはいかにもゲームですけどね。
歩んだ歴史、は全然見てなかったのですが、スキルの習得やクロニクル・ウォーの参加が書かれるようです。CWというのはクロニクル・ウォーのことです。
それと新たに増えた称号が2つ。
〈竜姫〉
魔竜の王の子として竜珠を受け継いだ証。未熟ゆえにいまだ王に至らぬ女児は姫と呼ばれる。
〈メイマリアの加護〉
命の女神メイマリアの寵愛を受けた者。
王の子供は姫……というのはわかりますが。人間の元お姫さまから竜のお姫様になったようですね。特にお姫さまという柄ではないのですが。
あと〈メイマリアの加護〉……メイマリアって会ったことないですし、メイマリア様!不敬罪だ連れて行け!のイメージしかないのですが。
ああ、そう言えばさっきフェルエさんが「メイマリアが知ったら加護を奮発しそう」て言ってましたっけ。
加護を奮発しそう、て、本当に加護を渡すんですか。
それはさておき。
〈メイマリアの加護〉により覚えたスキルが3つ、〈HP自動回復※〉〈SP自動回復※〉 〈MP自動回復※〉です。これはHP、SP、MPが自動で回復するようになるスキルで、レベルは存在せず、回復量は固定のようです。MPは〈MP回復率上昇〉の影響を受けますね。何と強力な……と思われるかもしれませんが、座るか寝転ぶかした休憩中にしか発動しません。それでも十分便利ですけれどね。これがあれば断崖絶壁で6時間睡眠を取る必要はなかったのに。
ここまではいいとして。
あえて見ないようにしていた1番の大きな変化について。
何で能力値とスキルレベルが全部初期値になってるんですかぁぁぁっ!?
ちゃんと記録しておいたから(>>1章8)間違いありません。新しく覚えたスキルも全部1レベルになっています。
あのですね。
グリムレットさんやみんなとの別れを悲しんだりとか、理不尽な背景に女神に怒ったりとかありました。グリムレットさんから受け継いだ竜珠はとても大切なもので、それを受け継がせてもらえたのはとても嬉しく思います。
それはそれとして。
能力値が成長したり、スキルのレベルが上がって新しいアーツを覚えたりするのって結構楽しいじゃないですか。楽しいですよね?自分の努力が直接数字という形で成果として見える、これはゲームの魅力だと思いますし、多くの人がゲームに魅了されるのがとてもよくわかります。
だから。
グリムレットさんの竜珠を継承して、ちょっと自分だけの劇的なパワーアップとか新たな力に目覚めるとか、そういうことに密かな期待やわくわくを感じなかったかというと、嘘になるわけでして。
不謹慎じゃないですよね……みんなそう言う風に思いますよね……わくわく……。
ああ、わかりました。
これはバグですね。
ゲームにはたまによくあると聞きます。きっとそうでしょう。そうとわかればGMに問い合わせです。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「お問い合わせありがとうございます。私はGMニーネアです。なお、ゲームの攻略に関する情報に対する質問は返答しかねますのでご了承ください」
問い合わせ内容を入力してGMコールをキャラクターブックより発動させると、やってきたのは銀髪に眼鏡をかけた白衣姿の女性でした。頭に大きな犬科っぽい耳があり、お尻に大きな尻尾が生えてるのが特徴的です。
「お問い合わせいただいた件ですが、《進化》が発生したプレイヤーの方にはインフォメーションで《進化》のシステムについて連絡をさせていただいています」
確かにキャラクターブックに何か【NEW!】という形で何か連絡が入っていたようです。私が人竜になったのはグリムレットさんから竜珠を継承したタイミングでしたから、あの時はそんな場合じゃなかったのですっかり見てませんでした。
「あらためて説明しますと、《進化》とは主にモンスター種の方に発生します。もちろん人種の方にも可能性がありますが、その方法はゲーム内で確認ください。具体的に《進化》が発生しますと、種族が上位種に変更となり、新たなスキルの習得が可能になります。一部、取得していたスキルが変化する場合もあります。代わりに能力値とスキルレベルが初期値に戻ります」
「え、なぜです?」
「《進化》とは実質生まれ変わりです。新しい命になったことで今までの経験が役に立たなくなった、と考えてください」
「つまり仕様なんですか?」
「仕様です」
では引き続き、アナザーアース・クロニクルをお楽しみください、と言い残してニーネアさんは去って行きました。
仕様かあ……仕様じゃしょうがないですね……
……って納得できるかーーーーっ!?
私の能力値とスキルレベルは、ノクターナルさんと一緒に頑張って上げた大切な思い出なんです。
一緒に訓練して模擬戦して強くなったね、て褒めてもらった私の能力値とスキルレベルを返して……せっかく新しいアーツを覚えたぜ強くなったぜ、と、にまにましていた私の喜びを返して……。
……まあ、泣いても怒っても仕様は覆りませんので、そろそろダンジョン探索を始めましょう。
まずは、空腹度と渇水度が不安なので戦闘をして〈ドラゴンバイト〉で回復させることにしましょう。
〈ドラゴンバイト〉を……。
あっ。
以前、〈ドラゴンバイト〉取得したのは〈竜闘術〉が3レベルになった時です。
今の私。
人竜に進化してスキルも〈竜闘術・王魔★〉にパワーアップ。
〈竜闘術・王魔★〉LV1。
私はおそるおそる〈竜闘術・王魔★〉の取得アーツを参照しました。
〈ドラゴンクロー★〉LV1
〈ドラゴンスケイル★〉LV1
〈ドラゴンバイト〉がない!?
CW=クロニクル・ウォー
行の都合で省略しています。
確かに仲の良かった人が死んでしまうのは悲しい。
しかし、レアアイテムによるパワーアップへの期待と喜びはまた別の話なのだ。




