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12 狂気のショー

恐怖のショーの幕開け幕開け…

男がパチリと指を鳴らすと、床や天井からステージが出てきて、次々と組み立てられ始めた。


「私(わたくし)のステージは、観客により身近に楽しんでもらうために、選ばれた幸運な方にこのサーカスの参加権を与えマス。

そーして見事パフォーマンスを成功させればClearです!

そして今回選ばれたのはーこちら!」


警戒しつつもそのギミックに感心していた連我達の

すぐ隣にスポットライトがあたる。


「…ワイ…?」


スポットライトが当たった弾は、自分の顔を指さしながら困惑して聞く。


「そう!さあこちらへーカモン!」


すると瞬きする間に弾が観客席から姿を消す。

驚いてステージを見れば3メートルほどの高さの地点に立っている。

それは天井から吊られた板の上であり、その先には火の輪が2つ。


「あなたが挑戦するのは火の輪くぐりデース!

あなたはこの火の輪2つを丸焦げにならず通り抜けられたらクリアになりマース!」


「ちょっと待て、ワイは1言もやるなんて言うてへんで!」


慌てて下にいるピエロに掛け合う。

ピエロはそれに対し、ニヤリと笑みを浮かべ返す。


「あなたの参加は決定づけられていマース!

あとは生きるか丸焦げか、それとも生きて食われるか…どうぞ!」


パチン、と再び指を鳴らす。

弾の背後には火でできた虎がいた。


「な、なんやこれ!こんなん聞いてへんて!」


…見ていた連我たちにも緊張が襲う。

たしかにこれは異常だ。


「弾さん、やるしかないと思います!

がんばれー!」


「そうですね柔音さん、木三、私たちも応援しましょう!」


異変を感じて横を見る。

柔音と強乃が立ち上がって応援している。

さらに他の観客達も、数名同じように立ち上がって拍手している人がいる。


「おい強乃どうした!弾が危険なんだぞ!応援している場合か!」


「木三、何をそんなに焦っているんです?

これはただのサーカス、楽しまなきゃ損ですよ」


「連我と言ったな、君は冷静か、これは…」


「ああ。考えれば最初からおかしかったんだ。

ホラーチックなのが嫌だと幽霊町(ゴーストタウン)に行きたくないと言い出したのは柔音だ。

なのに失踪事件が起きるところに興味あるって言った時点で気付くべきだったか…

これは洗脳に近いかもしれない…何かだ」


弾は仰向けに倒れ込んだまま、じわじわと後ずさりしている。


「く、来るな!こんなんおかしいて!」


指をピストルのように構え、その先から輪ゴムを発射する。が、それは炎に触れるとあっけなく消える。

虎はじわじわと近づいている。


「う、うわぁぁぁ!!」

弾は意を決し、立ち上がって火の輪に向かって走る。

目に涙を浮かべつつ、板の先で踏み切って飛ぶ―…


その体は、2つ目の火の輪に触れ、燃え上がった。

「ああああっ―

そして、そのまま落下する―最中、声ごとどこかへ消えた。

まるで初めから誰もいなかったように。

気づけば虎も消え、そこには火の輪と板だけが残される。


「弾!くそっ、消えた…?」


「これは…一体…」


まだ洗脳を受けていなさそうな一部の観客もどよめく。

そんな声を無視して、ピエロは両手を合わせ、再び話し出す。


「残念ながら最初の挑戦者は失敗デース。

さて、次の人の挑戦と行きましょう。

では―…うん?」


急に話すのをやめ、鋭い目つきで舞台裏を見つめる。


「何こそこそしてやがんデースか?

どうやら1名、ショーを乱す不純物がいたようデースね…

いいでしょう、特別ショーのお時間です!」


すこし苛立ちを見せ、パチンと指を鳴らす。

すると、ステージが引っ込んでいくとともに、

洗脳らしきことをされていた観客から赤と黒のモヤが

スッと抜ける。


「…あれ、私どうして…ってかなにここ」


「柔音、やっぱりなんかされてたのか」


「あ、連我…うん、なんか黒いモヤみたいなのに縛られてる感覚だった」


「私も同じでした。木三、弾は―…」


「覚えてないのか。

さっき火の輪くぐりで失敗した直後フッとどこかへ消えたんだ」


―他の客も次々ともとに戻り、ざわつき始める。


「さあ早く出てきたまえ。戦いに邪魔な観客は消してやる」


そういい終わるやいなや、先ほどまで洗脳を受けていた観客の体が光りだす。


それは、柔音や強乃も例外ではなかった。


「…まって、なにこ―…

柔音が連我に手を伸ばした瞬間、フッと消える。

そしてそのすぐ隣で強乃も。


気づけば、ほとんどの観客が姿を消していた。


「…やはりお前は情報の通り、そうやって誘拐してるみたいだな」


コツリ、コツリと舞台奥にいた人物が出てくる。

灰色の男子にしては長めの髪に、緑の帽子。

服は迷彩服で、背中に弓を背負っている。


「俺は冒勇隊本部群前衛部隊(ぼうゆうたいほんぶぐんぜんえいぶたい) No.14、

瞬飛(しゅんと)と言う者だ。

誘拐し人身売買や洗脳による捨て駒要因として

人々を恐怖に陥れるとし、お前に殺害命令が下っている。」


そういい、弓を取り出して構える。

だが、ピエロは余裕の笑いを見せる。


「冒勇隊ぃ?俺はな、今50人程度の人質を持ってんだぜ?こいつらは俺の意識を持って能力解除することで解放される。俺は大事なこいつらのゲートなんだぜ?

打てるのかよ?」


話し方も変わり、本性が露出する。


「ならば、人質を取り戻しお前を捕まえて気絶でも何でもさしてお前が解くから勘弁してくださいと言うまで尋問拷問するまでだ」


「無理さ!俺の心臓には闇臓器がくっつけてある。

たとえ俺が何処かで勝手にころぼうがなんだろうが

気絶すりゃ勝手に俺は死ぬ。

つまりお前は俺に乱暴できないんだよ!!」


「俺の射撃技術をあまり舐めないでもらいたい」


そう言うと、消える。

いや、消えたのではない。高速で移動し、相手が人質を構えて矢を人質に刺されないよう、隙を伺っている。

《三本之矢(トライアングルアロー)》

一瞬にして全くバラバラの3方向から矢が放たれる。

それは1人がやったとは思えないほど一瞬だった。


「ぐうっ!」


ピエロの脇を少しかすめ、ピエロは避けようとして倒れる。


「やはり人質をとるしかないそのうろたえ、お前自体の戦闘力は底辺といったところか」



その時、観客席から連我はあることに気がついた。ピエロが転けたことで服からばら撒かれたカードに、まるで人が閉じ込められているかのようにドンドンとカードの内側から透明な壁、をこちら側に叩いている。

それも1人ではない。

1つのカードに1人、数え切れない何十人といった人が助けを求めているようだ。

…そして、その中に弾がいた。


「木三、あれだ、あのカードだ!」

そのまま気づかれないようしゃがんで移動し、連我は木三に伝える。


「…あれが人質か。気づかれれば俺らも危ない。

気づかれず隙を見て奪えればいいんだが…」


「あぁ、今は隠れて…

…その時、見つけてしまった。

ピエロのケツにカードの半分を踏まれている柔音のカードを。


咄嗟に連我はサッと立ち上がる。


「おい連我!!見つかる、隠れろ!」


「あいつは…俺の大事な、守ると決めた柔音をケツで踏んづけた…今だから言うけど俺は柔音が好きだ…あの可愛いのを踏んずけるとは!!許さん!!」


連我は抑えきれず、本心を語ってしまった―

木三は頭を抱える。

心のなかでツッコむ―

(こいつ!!あの見た目話し方からして明らかな幼女を連れていた時点でそんな気はしたがやっぱ俗に言うロリコンじゃねぇか!!なんでこうなんだよちくしょう!!)


一呼吸置き、連我はしっかりと立ってピエロに標準を定める。

「丸聞こえだ馬鹿野郎…さ、蹂躙の時間といこうか」

木三の肩をポンと軽くたたき一歩前へ出る。

「『鳥』の力を使いたい」

そして、ピエロに向かって鳥の羽の矢を向けた。

連我からの1言

Q.後半ロリコンが炸裂しましたが柔音の好きな所は?

A「俺の中の天使のビジョンはあれだと思う(即答)」


さて、次回はそんな熱き謎の思いを秘めた連我が、

冒勇隊の瞬飛や木三と協力して戦います。

いつもとは全く違うメンバーでも、連我は上手く連携することができるのか…?

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