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浪人日記  作者: クスクリ
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1977年2月

 2月25日(金曜日)

 夜、KGI大学の合格発表の結果を聞きに豊田と田尻が来た。俺自身不合格の知らせに初めはふ~んという感じだったが、段々と悲しさが増してきた。当たり前の結果さ。どうってことはない。


 解説;豊田と田尻は共にTS高校文系31ホームルームの同級生


 2月26日(土曜日)

 卒業式が終わってから、豊田と田尻と日隈の4人で市役所通りの喫茶店に16時くらいまで居た。それからずっと朝まで山本の家でパーティー。トランプでベラベラ。卒業式以外何もなし。滔々、何もなく高校3年間が過ぎ去ってしまった。ただ虚しさだけを残して。


 解説;日隈も鳥巣高校文系31ホームルームの同級生。山本は鳥巣中学校の同窓生。高校は鳥巣工業でレスリングの特待生。日体大への進学が決まっていた。ベラベラというのは当時の鳥巣高校での流行語。卒業記念のクラスの文集にベラベラという題を付けた。

『卒業式以外何もなし』というのは女子のこと。俺が告った相手は同級生1人と下級生1人、見事に玉砕。女子に好意を寄せられることもなかった。この四人の中で彼女ができたのは豊田だけ。田尻は同級生の柴田さんに告って玉砕。日隈は梁井さんが好きだったが、告ることなく高校生活は終わった。


 2月27日(日曜日)

 昨日寝なかった分を取り返す。気持ち的には自動二輪の中型免許取得を諦めざるを得ない。宅浪に耐えられるだろうか心配だ。


 解説;鳥巣高校の大学入試に失敗した者は男も女もほとんど例外なく、福岡市の親不孝通りの二大予備校、水城学園か九州英数学館に入校した。東京に行くことになったら家計に多大なる迷惑を掛けることになるから、両親へのせめてもの詫びのつもりで予備校には行かないことにした。入学金は20万円くらい掛かった筈。

 同窓生の中で宅浪を選択したのは俺だけだ。原文には「中型免許失念」とか書いている。ほんとアホ。失念が、『忘れていた』という意味の謙譲語であることも知らないで使ってるから。


 2月28日(月曜日)

 高校3年間、在学中は例え浪人しても中型免許だけは取れると思っていたが、いざ大学に落ちてみるとそんな気になれなくなった。不思議なものだ。

 う~ん、でも中型免許だけは持っていたい。この事は高校3年間、考え続けていたことだから。

 だが…やっぱり免許取得は大学に受かった1年後の楽しみにして、今は受験勉強にすべてを賭けて悔いのない1年を送り、その苦しさを今度は俺自身の自信に変えよう。運任せにしてはいけない。

 中型免許は諦める。できるなら原付で我慢して、TL50(ホンダ)やTY50(ヤマハ)、マメタン(スズキ)などを同時に手に入れて、生涯それに乗っていてもいい。


 解説:グダグダグダグダ、中型免許諦めたと言ったりやっぱり取りたいと言ったり、しょうもない奴やな俺は。

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