1977年10月前半Ⅰ
10月1日(土)
お菓子の多くを俺一人で食ってしまったことに次男の賢二が一言、偉そうに俺を貶してくれた。腹が立った俺はKGⅠ大学に落ちたら死のう、受かったら東京から二度と帰って来るまいとか、いつもの如くネガティブ思考に陥ったが、暫くしたら収まった。俺も日頃、あの糞野郎を目一杯貶しているから似たり寄ったりか。ムカつく野郎は相手にしなければいいだけのことだ。
今日18時頃、豊田が遊びに来て弁明するには、昨日ちゃんと朝8時に車でやって来たとのこと。朝の8時?何やて!俺が床に就いて1時間も経っていないではないか。外からなら、いくら呼ばれても気付く筈がない。
豊田は19時前に、テレビの「新巨人の星」を観らねばと急いで帰って行った。
今日も眠気はやってきたが、氷水で抑え込んでやった。ざま〜見ろ!
10月2日(日)
寝るのがちょっと遅れたせいで起きたときは13時に近かった。昼飯抜きで勉強を始めた。紙を綴じたものに古典の単語を書いて覚えているが、確かではないのでこれも確認帳を作った。
今日からあの「ルーツ」がKBCで一日二時間づつ、八日連続で放映される。無性に見たい!どんなドラマか一応知りたかったので、終わりの方をちょっと見たが、評判のほどがすぐ分かった。見たいのはやまやまだが、明日からは耳を塞いで無視せねば。
夜食に欧風パンを買って来た。只今、夜中の11時49分也。
解説;原作は作家アレックス・ヘンリー。自らの家系を綴りピューリッツァー賞を受賞した自伝的長編小説をドラマ化。黒人奴隷の問題を真正面から描いたこの感動作は、アメリカABCで1977年4月に放送され、平均視聴率45%を記録した。アメリカでの大ヒットを受け、日本でも1977年に放送されると、平均視聴率23・4%を記録し大旋風を巻き起こす。ルーツ、クンタキンテなどは流行語となり、社会現象となった。
10月3日(月)
やっぱり眠気を堪えるのは非常に辛い。去年以上だから。来年は絶対これに利子を付けて取り戻してやる。
今日はずっと雨が降っていた。5年ぶりにテレビ放送が始まった「ルパン三世」を見て、ちょっと本屋に漫画本を見に行った。あのジジイまだ居やがったので、少年ジャンプをちょっと立ち読みして帰った。「ルーツ」を見るためだ。
昨日は見ないとか言ってしまったが、前言撤回だ。この歴史的作品を見ないで何を見るってな感じだ。昨日の2時間枠は初回特例だった。今日は1時間放送だったので、2時間の余裕をもって十分に見れた。
夜中の11時頃、俺の部屋をぶんぶん煩く飛び回っていたハエ2匹、命あるもの、無碍に殺すのはかわいそうだ。次男の賢二の六畳の間に追い遣った。姑息な俺(笑
10月4日(火)
また寝坊してしまった。言うまでもなく飯抜きで勉強し始めたが、英熟語の瞑想確認が終わってから焼きそばを買いに行った。兎に角眠い。洗面器には氷だけ入れて水を入れなかった。入れると溶けるのが早まるから。これで何とか抑えた。逆立ちも腕立て伏せもやってみた。
台所から氷を持ってくるとき、どうして朝、金を置いてなかったのかお袋を問い詰めた。お袋が言うには、寝ている俺に金持っているかと訊いたら、持っていると答えたらしい。ほうでっか。
たった20円しか持たないのに、19時から30分古文単語の確認をやって21時からの勉強の負担を軽くしたのち、漫画本の立ち読みに行った。少年ジャンプの別冊を買って来た。
Oh!Roots
10月5日(水)
12時に焼きそば屋に行くため、一旦起きて居間に出て寝直したのだが、結局13時まで寝てしまった。どうしても14時から16時までの間にやってくる強烈な眠気を抑えることができない。これを抑制できたら勉強の能率は格段にアップするのだが。
今日は水曜ロードショーで「ドーベルマンギャング」が放送される。これだけは勉強が遅れようがどうしようが絶対に観る。どうしてか?
中学二年のときだったと思うが、猪町に帰った俺は一人で佐世保に「ドラゴン危機一髪」を観に行った。そのとき予告編で流れていたのがこの「ドーベルマンギャング」だった。勿論、映画館で見たかったのだが、機会がなかった。いつかは見てみたいと願っていた映画だった。
10月6日(木)
Roots、いと凄まじ!
何かありゃ、変化も何もありゃせん。あんくらい(あのくらい)なら、だい(誰)でも思いつききる(思いつける)やっか。黒人社会ば描いただけ。あい(ルーツ)と同じ時代やったら、ロシアの農奴が存在したろうが。あいどん(あの人たち)は団結して反乱起こしたやっか。黒人は団結もできん。そいに(それに)何か、あの白人のものの考え方。
Rootsがベストセラーになったのは白人の優越感ば反映しているからではないのか。それに白人の過去に対する反省と黒人に対する憐みか。もう観らん!味も素っ気もなか(ない)。
俺が大量破壊兵器を作ることが出来たら、白人をこの世の中から抹殺してやる。あいつらは蛆虫以下!もうできん(堪らない)!
10月7日(水)
勉強の時間割が崩れてしまった。13時ちょっと過ぎには起きたのに、何か積み重なっていたものが一度に出てしまった感じだ。英熟語の瞑想確認も1時間でたった2ページ、文法も眠い目を擦りながらで全然進まない。ついには15時から17時まで寝てさっぱりした。あとで古文単語の確認をやった。
やっぱり12時には起きないと駄目のようだ。朝方6時にはぴたっと寝たい。音楽テープを聞くと寝る時間が遅れる。聞かないと眠くならない。兎に角、早い時間に一度起きたら居間に行って寝直そう。それが一番だ。




