表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/129

救援②


 フェリクス達を乗せた車両が荒野を疾走していく。

 砂を巻き上げ、荒れた悪路を車両が走り抜けると激しく跳ね、フェリクス達は体を揺さぶられていた。


「ラングレーから東に数キロか。アバウト過ぎるぜ」


 揺れる車内でガルシアがぼやく。

 そんなガルシアにジェーンが冷めた視線を向けていた。


「文句言ってないでちゃんと準備しときなよ」


「わかってるよ」


 車両ではやや緊張感を欠いた会話が繰り広げられる中、リオは俯き鷹の目(ビジョンズ)を使い、捜索を続けていた。


「どうだリオ?あまり無理するなよ」


 横に座るフェリクスが声をかけると、リオは愛想笑いを浮かべる。


「へへ、心配してくれるのかよ?大丈夫だ」


 そう言って強がるリオの額には汗がかなり滲んでいた。

 フェリクスは思わずリオの頭を軽く撫でる。


 ここまでリオはずっと鷹の目(ビジョンズ)を使いっぱなしだ。疲労が色濃く出ている。早くライデル達を見つけなければ――。


 焦るフェリクスだったが、その時、リオが突然何かに気づいた。


「少佐、戦闘だ。ここから更に東に行った小さな街で市街戦になってやがる」


「本当か?ライデル達か?」


 フェリクスが尋ねるがリオは首を振る。


「わからねぇ。ただセントラルボーデンの奴らが街の建物を包囲してやがる。相手は建物内に入ってるせいでここからは見えないんだ」


「了解した。十分だ。向かうぞ」


 車内に緊張が走った。


 やがてフェリクス達は小さな街に辿り着いた。

 長引く戦争の影響か、人気はなく崩落した建物が目につく。

 街の入り口付近に車両を隠し、フェリクス達は街に降り立つ。街の中心部からは銃声と爆発音が聞こえていた。フェリクス達は銃声のする方へ慎重に徒歩で進んで行く。


「気を付けな、既に建物はセントラルボーデンの奴らに包囲されてる。敵は三十人規模だぜ」


 リオが鷹の目(ビジョンズ)を使いながら告げると、フェリクスは笑みを浮かべた。


「こっちは十人だ。なんとかなるかな」


 フェリクスの言葉を聞き、隊員達は全員が小さく頷く。

 フェリクス達が静かに近付き様子を窺っていると、リオの表情が突然険しくなり鋭い視線を向けた。


「少佐、そっちは任せていいかい?あたいは別行動を取らせてもらう」


 リオの言葉にガルシアが噛み付いた。


「何言ってんだ?今は作戦行動中だぞ!」


 だが、すぐにフェリクスが割って入る。


「まぁ、待て。リオ、何か理由はあるんだろうが、それなら行く前に敵の配置だけは教えてくれ」


「OK。敵は建物をぐるりと囲んでやがる。向かいの建物の屋上にスナイパーらしき奴ら二人と、恐らくウィザードと思われる奴が一人いる。全体にウィザードらしき奴らは全部で五人。後は武装したソルジャーだ」


 リオの言葉を聞き、フェリクスはゆっくりと頷きリオを見つめた。


「上等だ。あとはこっちでやる。ジェーン、ブレイド向かいの建物の屋上、制圧して来てくれ。作戦開始は五分後、合わせられるか?」


「もちろんです」

 

 ジェーンとブレイドは力強く言い切ると駆け出して行く。


「よし、残りは俺に続け」


 全員頷き緊張感が漂う。

 銃を握り締めるフェリクスにリオがそっと歩み寄った。


「また先頭切る気かよ。まぁ慣れたけど気を付けなよ」


「ああ、だがお前もだ」


 互いに笑みを浮かべ拳を合わせるとリオも一人駆け出して行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ