救援
ラングレー撤退から二週間後。
ラフィン軍は各地からの撤退を余儀なくされていた。
これはラングレー奪還によってセントラルボーデン軍が勢いを増しただけではなく、ターパフォーカス帝国やギアラ王国といった世界連合の主要国が参戦し始めたのが戦局に大きな影響を与えだしたのだ。
フェリクス達もラングレーから撤退し、国境付近まで下がった所で戦闘を繰り広げていた。
「少佐、一度ラフィン側まで下がりましょう」
戦闘の合間を縫ってヴェルザードが進言する。
世界連合として追撃してくる攻撃は、日に日に激しさを増していた。
「そうだな仕方ない。一度国境を越えて――」
フェリクスが言いかけた時、通信機がどこからか通信を拾った。
「……こちらライデル隊。ラングレーから東に数キロ行った所で敵に囲まれ動きが取れない。至急救援を頼む……誰か……聞いてたら助けてくれ……」
通信を聞いた瞬間、フェリクスは立ち上がっていた。
「少佐、お気持ちはわかります。ですが、またラングレー付近まで戻るのはかなり危険です」
ヴェルザードが即座に止めに入るが、フェリクスは穏やかな笑みを浮かべていた。
「わかっているさ。だがその危険な所にライデルは取り残されている。見捨てられない」
フェリクスの顔を見て、ヴェルザードは諦めたようにため息をつく。
「ヴェルザード、俺は精鋭を連れてライデルの救助に向かう。お前は俺達の脱出ルートを守り抜いてくれ」
「了解しました。必ずお戻り下さい」
「ああ」
短い言葉を残し、フェリクスは踵を返した。
その後にジェーンやガルシアら数名を引き連れる。
「おいおい、今回はあたいも一緒に行くからな」
リオが駆け寄るとフェリクスは一瞬戸惑いを見せる。
「いや、今回はかなり危険を伴う。リオはヴェルザード達と――」
「だから連れてけって言ってんだろ。ライデル大尉の正確な居場所わかるのかよ?あたいの鷹の目が必要だろ?」
確かにリオの鷹の目があればライデル達を探し出すのは早くなる。
だがライデル達からの通信は広域に伝わるが秘匿性が低いものだった。
ライデル達がそれだけ追い込まれていた事にもなるが、その通信は世界連合側にも伝わっているのが明らかだった。
それ故に危険度はかなり増していた。
フェリクスが悩んでいると、エルザが後ろから声をかける。
「少佐、私達は大丈夫ですからリオを連れて行って下さい。今回はスピードが命になります。リオの鷹の目が必要なはずです」
エルザの言葉を聞き、フェリクスはゆっくりと頷く。
「わかった。今回はリオも来てくれ」
フェリクスの言葉を聞き、リオは満面の笑みを浮かべる。
こうしてリオを加えた精鋭部隊を率いて、フェリクスはライデル救助に向かった。




