表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/129

ラングレーの攻防④


――

 クリスがセントラルボーデン軍の進軍を遅らせる事に成功した頃、ラングレーにあるダムでは闇夜の中、リオが三つ目の爆弾を回収していた。


「……よし、三つ目成功。あと二つ」


 闇にまぎれながらリオがダムの壁を駆けずり回る中、他の隊員達もダムを見張る兵士達を無力化していく。


 キャスパーが見張りの兵士の背後に忍び寄ると、そのまま後ろから相手の口を塞ぎ、即座にナイフを胸に突き立てる。


「……うぐっ、う……」

「悪く思うなよ。こっちも仲間を危険に晒す訳にはいかないんだ」


 相手の耳元で囁き、相手は何が起こったのかわからぬまま、徐々に力が抜けていく。最後は手足の力も完全に抜け、キャスパーにもたれかかるようにして息を引き取った。


「……一人制圧」


「よし、次にかかれ」


 静かに報告すると、無線機からはヴェルザードの冷たい声が返ってきた。

 キャスパーは自らが手にかけた隊員を一瞥すると、すぐに移動する。


 本来なら味方同士。こんな事は不本意だった。

 だがやらなければ隊の仲間に危険が及び、なんの落ち度もないラングレーの市民が犠牲になってしまう。


 葛藤の中、フェリクス隊はダム爆破というマーベリックの愚策を止めるべく行動していく。

 そんな中、続いて通信が入る。


「こちらレスター。ウィザード一人制圧、次に移る」


「了解。気を――」


 ヴェルザードが返答しようとした時だった。


「なんだ?おい、貴様誰だ!」


 レスターに気付いた相手兵士の叫びがダムにこだまする。

 ライトに照らされたレスターが身をかがめて物陰に隠れた。

 その瞬間、レスターのいる場所へ一斉射撃が行われる。


 静かだったダムに銃声が響き渡り、レスターが身を潜める岩場に容赦なく銃弾が降り注いだ。


「レスターがまずい、全員一気に動け!」


 ヴェルザードが無線機に向かって叫ぶと、それまで密かに行動して隊員達が一斉に動き出す。

 キャスパーは銃を乱射しながら駆け巡り、ブレイドは氷の礫を放つ。


 派手に動き、レスターへの攻撃を分散させる中、再び相手兵士の声が響き渡った。


「おい、ダムの壁にも誰かいやがる!奴らダム爆破を阻止するつもりだ。すぐに大佐に連絡しろ」


 相手の声を聞き、隊全体に緊張が走る。


「おいおい、あと少し待ってくれって」


 リオがぼやき気味に呟くと、すぐにヴェルザードが通信を入れた。


「リオ、あとどれぐらいだ?」


「あと二つだよ。もう四つ目に取り掛かれる。あと十分あれば全部いけるんだけどな」


 リオが無線機にそう告げた時、背後から声がかかる。


「あと五分で終わらせろ」


 リオが驚き振り返ると、そこには鉄製の扉を即席の盾にしたヴェルザードがロープに吊るされ降りて来ていた。


「まじか……」


 目を見開き驚くリオにヴェルザードは鋭い視線を向ける。


「久しく前線には立ってないんだ、早くしろ」


「はは、たまにはいい運動になるぜ旦那」


「大尉だ」


 冷たく言い切るヴェルザードに対して、リオは笑みを浮かべながら作業を進める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ