ラングレーの攻防④
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クリスがセントラルボーデン軍の進軍を遅らせる事に成功した頃、ラングレーにあるダムでは闇夜の中、リオが三つ目の爆弾を回収していた。
「……よし、三つ目成功。あと二つ」
闇にまぎれながらリオがダムの壁を駆けずり回る中、他の隊員達もダムを見張る兵士達を無力化していく。
キャスパーが見張りの兵士の背後に忍び寄ると、そのまま後ろから相手の口を塞ぎ、即座にナイフを胸に突き立てる。
「……うぐっ、う……」
「悪く思うなよ。こっちも仲間を危険に晒す訳にはいかないんだ」
相手の耳元で囁き、相手は何が起こったのかわからぬまま、徐々に力が抜けていく。最後は手足の力も完全に抜け、キャスパーにもたれかかるようにして息を引き取った。
「……一人制圧」
「よし、次にかかれ」
静かに報告すると、無線機からはヴェルザードの冷たい声が返ってきた。
キャスパーは自らが手にかけた隊員を一瞥すると、すぐに移動する。
本来なら味方同士。こんな事は不本意だった。
だがやらなければ隊の仲間に危険が及び、なんの落ち度もないラングレーの市民が犠牲になってしまう。
葛藤の中、フェリクス隊はダム爆破というマーベリックの愚策を止めるべく行動していく。
そんな中、続いて通信が入る。
「こちらレスター。ウィザード一人制圧、次に移る」
「了解。気を――」
ヴェルザードが返答しようとした時だった。
「なんだ?おい、貴様誰だ!」
レスターに気付いた相手兵士の叫びがダムにこだまする。
ライトに照らされたレスターが身をかがめて物陰に隠れた。
その瞬間、レスターのいる場所へ一斉射撃が行われる。
静かだったダムに銃声が響き渡り、レスターが身を潜める岩場に容赦なく銃弾が降り注いだ。
「レスターがまずい、全員一気に動け!」
ヴェルザードが無線機に向かって叫ぶと、それまで密かに行動して隊員達が一斉に動き出す。
キャスパーは銃を乱射しながら駆け巡り、ブレイドは氷の礫を放つ。
派手に動き、レスターへの攻撃を分散させる中、再び相手兵士の声が響き渡った。
「おい、ダムの壁にも誰かいやがる!奴らダム爆破を阻止するつもりだ。すぐに大佐に連絡しろ」
相手の声を聞き、隊全体に緊張が走る。
「おいおい、あと少し待ってくれって」
リオがぼやき気味に呟くと、すぐにヴェルザードが通信を入れた。
「リオ、あとどれぐらいだ?」
「あと二つだよ。もう四つ目に取り掛かれる。あと十分あれば全部いけるんだけどな」
リオが無線機にそう告げた時、背後から声がかかる。
「あと五分で終わらせろ」
リオが驚き振り返ると、そこには鉄製の扉を即席の盾にしたヴェルザードがロープに吊るされ降りて来ていた。
「まじか……」
目を見開き驚くリオにヴェルザードは鋭い視線を向ける。
「久しく前線には立ってないんだ、早くしろ」
「はは、たまにはいい運動になるぜ旦那」
「大尉だ」
冷たく言い切るヴェルザードに対して、リオは笑みを浮かべながら作業を進める。




