表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/130

ラングレーの攻防


 ラングレーに戻ったフェリクス達はすぐにヴェルザード達と合流を果たす。


「少佐、ご無事で何よりです」


 ヴェルザードが駆け寄り安堵の表情を浮かべる。

 普段は堅苦しく感じる彼の言動も、今は心地よく感じた。


「ああ、俺は大丈夫だ。それより大佐の秘策とやら、なんとかしないとな」


「はい、勿論です。マーベリック大佐のしようとしている事は条約違反ですし、何より倫理的にかなり問題となるでしょう」


 ヴェルザードの言葉にフェリクスは静かに頷く。


「間違いない。俺はガルシアとジェーンを連れてマーベリック大佐の元へ行き作戦の中止を進言する」


「聞き入れるとは思えませんね」


「ああ、だからガルシアとジェーンを連れて行くんだ」


 そう言って腕利きのガルシアとジェーンを見つめると、二人は静かな笑みを浮かべて頷いていた。


「ヴェルザード、君は残りの者を連れてダムに仕掛けられた爆薬、及び配置されたウィザードを無力化しろ。リオ、君の鷹の目(ビジョンズ)が要になる。頼んだぞ」


「なんだ、あたい責任重大じゃんか」


 そう呟くリオだったが、その浮かべる笑みからはどこか自信が感じられた。


 フェリクスはヴェルザード達に託すと、ガルシア、ジェーンの二人を連れてマーベリック大佐の元へ向かった。


 二人を後ろに従え、胸中には決意と静かな怒りを抱きフェリクスは静かに歩みを進めて行く。

 その近寄り難いフェリクス達の雰囲気に、本来味方である筈の兵士達でさえ道を譲る。


 やがてマーベリックの部屋に立つと、扉を叩いた。

 静かな空間に、軽いノックの音だけが響く。


「……誰だ?」


 少しの静寂の後、部屋の中から険のある声が返ってきた。


「フェリクスです。入ります」


 返事を待つ事なく、フェリクスが部屋に入るとマーベリックは正面の椅子に座り、机の上で組んだ両手に顎を乗せてフェリクス達を静かに睨んでいた。


「なんだ、帰ってたのか。何か用か?私は忙しいんだが」


「お忙しい中すみません。それで忙しいのは、まさかダムの件ではないですよね?」


 あえてフェリクスが丁寧に問うと、マーベリックは暫く沈黙した後、冷笑を浮かべた。


「ふっ、なんだ知ってたか。わかってるなら戦略というものを大人しく見ておけ」


 マーベリックの言葉に、フェリクスは眉をひそめて鋭い視線を向ける。


「戦略?虐殺の間違いでは?ダムを破壊すればラングレーに住む市民数万人を巻き込む大惨事となります。更にダムを失えば各地に送る電力も失う。デメリットしかありません」


「ふん、メリットならある。ここを目指しているセントラルボーデンの奴らは数万人規模らしい。そいつらを一掃出来るのだ。効果は十分ではないか」


 高笑いをしながら誇らしげに語るマーベリックを見て、フェリクスは拳を震わせ奥歯を噛み締める。


「完全に条約違反です。更に一般人への暴挙、見過ごせません」


「だったらなんだ、フェリクスよ!」


 マーベリックは突如激昂し銃を片手に持ち、フェリクスに向ける。

 その瞬間、傍らに立つジェーンが銃を抜いた。部屋に銃声が響き、マーベリックの手にしていた銃を撃ち抜く。

 ジェーンの銃口からは硝煙が上がっていた。


「少佐に銃を向けるなんて事は、誰であっても許しません。お気をつけ下さいマーベリック大佐。自分は銃の扱いが下手ですので、次は何処に当たるかわかりませんよ」


 銃を構えたまま、静かに言い切るジェーンを、マーベリックは鬼のような形相で睨んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ