表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/133

最終防衛ライン ケセラン・ハルト③


 最終決戦が迫る中、フェリクスは兵舎にある自室で身支度を始めていた。


「もう時間?」


 ベッドで身体を起こしてクリスが問いかける。


「たまには早めに行かなきゃ悪いからな」


 フェリクスが応えると、クリスも微笑みを浮かべて自身も支度を始める。

 二人は軍服に身を包み、静かに心を整える。


「ねぇフェリクス、ちょっとだけ……」


 そう言ってクリスはフェリクスに歩み寄ると、軽く唇を重ねる。


「人に言っといて貴方が無茶しないでよ」


 自身の胸の中で瞳を潤ませて見つめるクリスを、フェリクスは優しく包み込んで頭を撫でる。


「大丈夫さ。この戦いを終えてクリスと一緒に、この先を歩いて行こう」


 もう一度軽いキスを交わす。


「じゃあ私は先に配置に着いとくからね」


 そう言って笑顔を残しクリスが先に部屋を後にした。


 フェリクスは笑みを浮かべて一度大きく息を吐くと前を向く。


「さてと、行くか」


 フェリクスは一人呟き、移動基地(ベース)の司令室へと向かった。


 フェリクスが司令室に入ると、そこではエルザ達が忙しなく機器のチェックを行っていた。

 フェリクスはゆっくりとエルザの元に歩み寄る。


「エルザ早いな」


 フェリクスが声をかけると、エルザは驚いたように振り返り、そしてすぐに笑みを浮かべた。


「少佐。少しぐらい早く来て準備しないと、実働部隊の皆のバックアップは出来ませんから」


「そうか、助かるよ」


 フェリクスが笑みを浮かべて頷くと、エルザも満面の笑みを浮かべた。


「少佐、ちょっと待ってて下さい。ヴェルザード大尉呼んで来ます」


 そう言って席を立とうとするエルザを、フェリクスはそっと制止する。


「いや、まだいいさ。エルザも作業を続けてくれ」


 そう言ってエルザを座らせ、フェリクスは司令室が見渡せる席に着き、室内を見渡す。

 そこには第十四独立機動隊を支えてくれていたエルザをはじめとしたオペレーター達が自分達の仕事を進めていた。

 それは第十四独立機動隊が結成された時から見ていた光景だった。


 フェリクスがその光景を目に焼き付けていた時、司令室の扉が開きヴェルザードが駆け寄って来る。


「少佐、申し訳ございません」


 現れるなり頭を下げるヴェルザードの肩を、フェリクスは軽く叩く。


「気にするな。この光景見ておきたかったからな」


 そう言ってフェリクスは笑う。


 その後、モニターの地図を見ながらヴェルザードと共に部隊の配置を確認する。


移動基地(ベース)をここに固定し、リオを中継地点にして俺はクリスとキャスパー達を連れ前線に突っ込む。ライデルと、ガルシア、ジェーンをリオの護衛につける」


「もはや何も言いませんが、リオの護衛、豪華ですね」


「ああ、今やあいつは隊の要だからな」


 そう言ってフェリクスが笑うと、ヴェルザードも笑みを浮かべていた。

 そうしてヴェルザードとの打ち合わせを終えたフェリクスは自身の配置場所へと向かった。


 配置された場所についたフェリクスをクリスが笑みを浮かべて迎える。


「待ってたよ」


 短く伝えるクリスにフェリクスは笑みを返した。

 既にクリスの目つきは戦士のそれへと変貌していた。

 訪れる静かな空間に呼吸が溶ける。


 静寂の時が緊張感を高める。

 その静寂を打ち破り警報がけたたましく鳴り響いた。


「緊急警報!南側に多数の世界連合軍を確認。間もなく射程圏内に侵入してくるものと思われる。各個確認次第迎撃に当たれ」


 決戦の時が訪れ、ラフィン共和国軍は次々と小隊を組み出撃して行く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ