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探求者の異世界美食行脚 ~異世界召喚でハズレ扱いされたゴリラ系男子、気ままなグルメ旅に出る~  作者: おまめちゃん
南の地メリディアへ

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第123話 陽都の市場と、懐かしい和定食

清水さんとクロエさんがメリディアへ到着してから、一夜が明けた。


昨日の話し合いで、二人はしばらく俺たちと一緒に過ごすことになった。


朝食を終えた頃、荷物を持った二人が宿へやって来る。


「おはようございます」


「おはよう、フトシ君」


「おはよう」


昨日のうちに二人部屋は取ってある。


宿の人にも話を通しているので、そのまま鍵を受け取ってもらった。


「本当に宿代まで出してもらっていいの?」


清水さんが、また確認するように聞いてくる。


クロエさんも隣で頷いた。


「昨日も言ったけど、わたしたち自分で払えるよ」


「昨日話した通りですから。気にしないでください」


「でも……」


「メリディアにいる間だけですし、食事も俺が出します」


二人ともまだ納得しきってはいないようだったが、最後は諦めたように部屋へ向かった。


荷物を置き、しばらくして戻ってくる。


「今日は何かしたいことありますか?」


俺が聞くと、二人は顔を見合わせた。


「俺たちは少し前からメリディアにいるので、行ったところならある程度案内できますよ」


そこまで言ってから、少し考える。


昨日は宿まで俺が決めたばかりだ。


何でもこちらで決めるのもよくない。


「二人だけでゆっくり見たいなら、それでも大丈夫です」


清水さんは少し迷った。


「……できれば、一緒にいてほしい」


「俺たちも?」


「うん。その方が楽しいし……安心するから」


一人でロドリスを出てから、ずっと気を張って旅をしてきたと聞いている。


ようやく俺を探す目的も、謝りたいという目的も果たした。


今日はみんなで過ごしたいということだろう。


クロエさんも笑う。


「わたしも、みんなで回る方が楽しそう」


「分かりました。じゃあ、みんなで行きましょうか」


ベル、メイ、シルク、ウンディーネ、キリコも一緒に宿を出た。


向かったのはメリディアの市場だ。


清水さんとクロエさんも昨日来ているが、その時は俺を探すのが目的だったらしい。


今日は急ぐ必要もない。


果物、香辛料、穀物、肉、調味料。


色々な店を順番に見て回る。


「昨日は全然見てなかった……」


清水さんが果物の並んだ店先を眺める。


「フトシ君を探すので頭いっぱいだったものね」


「うん」


赤と黄金色に熟した陽蜜果(サン・マンゴー)。


房になった黄色い月房果(ゴールド・クレセント)。


硬い突起のある棘蜜果(サン・パイン)。


高い木に実る椰香果(ウォーター・パーム)。


どれもこの辺りではよく見かける果物だ。


「これ、マンゴーに似てるね」


清水さんが陽蜜果を見る。


「俺も最初に見た時そう思いました。かなり甘いですよ」


隣からキリコも覗き込む。


「これ、前に自分で取った」


「キリコちゃんが?」


「うん。果樹園で取った」


「自分で採れるところがあるんだ」


「あるよ」


今度はキリコが知っていることを二人へ話している。


自分が経験したことを、新しく来た二人へ教えるのも楽しそうだ。


さらに歩いていると、昨日俺の場所を二人へ教えたらしい果物屋の店主がこちらを見た。


「おっ。ちゃんと見つけられたんだな」


清水さんとクロエさんが足を止める。


「昨日はありがとうございました」


「助かったわ」


店主は俺たちを見て笑った。


「そりゃよかった」


それ以上は事情へ踏み込まず、また店先の果物を並べ始める。


市場の途中には、冷たい果実飲料を売る屋台もあった。


せっかくなので何種類か買ってみる。


濃厚な甘味のあるもの。


柑橘の酸味が強いもの。


香草と香辛料を少し加えたもの。


みんなで少しずつ味を見る。


キリコは甘い方を気に入り、ベルは酸味のあるものをもう一口欲しがった。


メイとシルクにも器へ分ける。


代金をまとめて払っていると、清水さんが困ったように俺を見た。


「本当に食事も全部出すんだ……」


「約束しましたから」


「律儀すぎない?」


「そうですか?」


隣でクロエさんが笑っていた。


その先で、海産物の乾物を扱う店が目に入った。


内陸の街ではあるが、交易が盛んなだけあって海のものも並んでいる。


干した魚や貝、乾燥させた海藻。


その中に、厚みのある濃い色の乾燥海藻があった。


「これ、どう使うんですか?」


「水に戻して煮物に入れるのが多いな。汁物の出汁にも使えるぞ」


店主が答える。


隣には、小さな魚を丸ごと乾燥させたものも置かれていた。


「そっちも出汁用だ。煮出すといい味が出る」


(昆布と煮干しみたいに使えそうだ)


昼は日本らしいものにしようと思っていたところだ。


乾燥海藻と小魚を少し多めに買っておく。


清水さんが袋を覗いた。


「それ、何に使うの?」


「昼のお味噌汁に使ってみます」


「味噌汁?」


反応が早い。


「はい」


清水さんの顔が少し明るくなった。


香辛料の区画へ入ると、以前色々教えてくれた年配の店主もいた。


涼香草(シル・コリア)、黄金香根(サン・ルート)、翠芳莢(カルド・ポッド)。


どれもここで使い方を教えてもらったものだ。


「おう、料理人。昨日の肉サンドはもうやらんのか?」


「今日は屋台は休みです。次はまだ決めてないですね」


「そうか。決まったらまた寄れ」


「はい」


少し先では、昨日ブリスケットサンドを買ったらしい男性にも声を掛けられた。


「昨日のやつ、また食いたいんだけどな。次はいつだ?」


「まだ決めてないんです。また予定が合えば」


「早めに頼むぞ」


手を振って去っていく。


ふと見ると、清水さんがこちらを見ていた。


「どうしました?」


「ううん」


少しだけ笑う。


「なんか、すごいなって思って」


何がだろう。


隣のクロエさんが代わりに口を開いた。


「どこへ行っても変わらないね、フトシ君」


「そうですか?」


清水さんは、もう一度市場の方を見る。


日本にいた頃は、同じクラスでもほとんど話したことはなかった。


俺も清水さんのことを詳しく知らなかったし、それは向こうも同じだろう。


昼前まで市場を歩き、宿へ戻る。


せっかく同じ日本から来た清水さんもいる。


昼は久しぶりに和食にしよう。


宿の厨房を借り、アイテムボックスから食材を取り出す。


巨大アジ。


インディカ米。


卵。


シロシメジ。


ヒールスピン。


そして、自家製の極上味噌。


「今日は和定食にします」


「和食?」


清水さんの顔がまた少し明るくなる。


「焼き魚と味噌汁、出汁巻き卵です」


「本当に味噌汁作れるんだ……」


そう言った清水さんが、俺の手元の容器を見た。


「それが味噌?」


「そうです」


蓋を開ける。


黄金色に熟成した味噌の香りが広がった。


清水さんが少し近づく。


「……どこで買ったの?」


「買ってないですよ」


「え?」


「自分で作ったやつです」


しばらく返事がなかった。


「……フトシ君が?」


「はい」


「味噌を?」


「はい」


同じことを聞かれた。


「どうやって?」


「黄玉豆っていう大豆に近い豆があったので。茹でて潰して、麹と塩を合わせて発酵させました」


「麹もあるの?」


「それも作りました」


「……作ったの?」


清水さんの声が少し上がった。


俺はインディカ米を少量取り出す。


「米から作れますよ。蒸した米に麹菌を付けて、温度を管理して増やしてます」


清水さんが何とも言えない顔になった。


「待って。じゃあ、昨日の屋台で使ってた照り焼きの味って……」


「醤油ですか?」


天然醸造生醤油も取り出す。


「これも自家製です」


「それも!?」


今度はクロエさんまでこちらを見る。


清水さんは容器と俺を交互に見た。


「この世界で醤油まで一から作ったの?」


「大豆に近い豆と小麦、塩が揃ったので。麹を作って仕込んで、半年分くらい熟成させました」


「半年!?」


「アイテムボックスの中は時間を進められるので、外ではそんなに待ってないです」


「いや、そこじゃなくて……」


清水さんは額へ手を当てた。


何か変だっただろうか。


「みりんも使うんですよね?」


少しして、今度は疑うような目で聞かれる。


「使いますよ」


手作りの本みりんも出す。


清水さんが黙った。


「……それも?」


「作りました」


「日本酒は?」


「ありますよ。自家製です」


「全部作ってる……」


小さく呟く。


「米と麹があれば色々できるので」


俺としては、必要だから作っただけだ。


けれど清水さんにとっては、かなり意外だったらしい。


「学校にいた時、そんなことできる人だと思ってなかった……」


「俺も日本にいた時は味噌や醤油まで作ってませんよ」


料理は好きだったが、さすがに発酵調味料まで全部自作していたわけではない。


「こっちには売ってなかったので、欲しかったら作るしかなかったんです」


「それで本当に作るんだ……」


清水さんが、まだ少し呆然としている。


クロエさんは面白そうに笑っていた。


「フトシ君ならやりそうだけどね」


「クロエさんまで」


「ポルト・ラーラでも色々作ってたから」


話している間にも昼は近づいている。


まず巨大アジの一夜干しを作る。


マグロほどの大きさなので、必要な部位だけ人数分切り出した。


骨と血合いを確認し、身を開いて塩水へ漬ける。


低温の時間進行区画へ入れ、必要な漬け時間を実際に進める。


取り出して水気を丁寧に拭い、今度は微弱な風を当てられる区画へ。


一夜干しに必要な乾燥時間を進め、表面が程よく締まったところで止めた。


次は米。


イル・ソーレで買ってから使っている長粒種のインディカ米だ。


必要な量を洗い、浸水させる。


清水さんが横から覗き込んだ。


「これ、日本のお米じゃないよね?」


「うん。長粒種だから、日本米みたいな粘りは出ないよ」


「やっぱり」


「だから、日本の米と同じにしようとはしてない」


「そうなの?」


「米が違えば、水の吸い方も粘りも違うからね。この米に合う炊き方をすればいいと思ってる」


必要な浸水時間を進め、この米に合わせた水分量で火へかける。


沸騰するまでは強め。


その後は火を弱め、芯まで水分を回す。


火を止めたら蒸らす。


蓋を開くと、細長い米粒は潰れず、粒離れを残したままふっくら炊けていた。


「違う米なんだから、違う美味しさでいいと思う」


清水さんが炊き上がった米を見る。


「……フトシ君、そういうところも意外」


「そうですか?」


「うん。もっと日本と同じものを作ろうとするのかと思ってた」


「日本の味が欲しい時もありますけど、こっちの食材にはこっちの美味しさがありますから」


それに、旅先で知らない食材を見つけるのも楽しい。


次は味噌汁だ。


市場で買った乾燥海藻の表面を軽く拭き、水へ浸す。


必要な時間だけ進め、そのまま鍋をゆっくり温めた。


沸騰する前に海藻を引き上げる。


乾燥小魚は頭と腹の苦味が出そうな部分を取ってから加え、強く煮立てず静かに旨味を引き出した。


漉した出汁を一口確かめる。


海藻の穏やかな旨味に、小魚の香りが重なっている。


昆布と煮干しそのものではないが、かなり近い。


「これならいい」


出汁へシロシメジを入れ、火を通す。


下処理しておいたヒールスピンも加え、最後に火を弱めて極上味噌を溶いた。


湯気に味噌と魚出汁の香りが混ざる。


その横で出汁巻き卵も作る。


先ほどの合わせ出汁と生醤油、本みりんを少量。


薄く卵液を流し、火の入り方を見ながら巻く。


また流して、巻く。


【調理の超加速】で手の動きだけを速め、何層にも重ねていった。


最後に一夜干しへした巨大アジを網へ乗せる。


皮目が焼け、脂が浮いてくる。


網へ脂が落ちるたびに小さく煙が上がり、香ばしい魚の匂いが厨房へ広がった。


「……お腹空いてきた」


後ろから声がした。


振り向くと清水さんだった。


「もうすぐできますよ」


「うん」


何となく気まずそうに目を逸らした。


料理を盆へ並べる。


炊きたてのインディカ米。


シロシメジとヒールスピンの味噌汁。


出汁巻き卵。


巨大アジの一夜干し。


メイとシルクの魚は骨を念入りに確認し、同じ完成料理を体格に合わせた量と大きさで用意した。


「いただきます」


みんなで食べ始める。


清水さんは最初に味噌汁を手に取った。


一口飲む。


そこで手が止まる。


「……味噌汁だ」


もう一口。


今度はゆっくり飲んだ。


「懐かしい……」


その声は、昨日よりずっと柔らかかった。


俺も味噌汁を飲む。


味噌の香りの奥から、海藻と小魚の出汁が広がる。


シロシメジの旨味も重なり、ヒールスピンの青い風味が最後に残った。


焼き魚には、このくらいの出汁がよく合う。


清水さんは巨大アジの身を箸でほぐす。


香ばしく焼けた表面の内側から、ふっくらした身が外れた。


ご飯へ乗せ、一緒に口へ運ぶ。


「……美味しい」


「米、どうですか?」


「日本のお米とは違うけど……これ、美味しい」


インディカ米は日本米ほど粘らず、一粒ずつ軽くほどける。


脂の乗った巨大アジと合わせても重くなりにくい。


それでいい。


次に出汁巻きを食べた清水さんが、少し笑う。


「これも久しぶり……」


「日本では普通に食べてましたもんね」


「うん。こんなところで食べられると思わなかった」


向かいでは、クロエさんが一夜干しを食べていた。


「塩だけなのに、魚の味がすごく濃い」


「水分を少し抜いてるので、味も濃く感じるんです」


次に出汁巻きを口へ入れ、少し目を見開く。


「卵なのに、中から汁が出てくる」


味噌汁は香りを確かめてから一口。


「これはちょっと不思議な匂いね」


もう一口飲む。


「でも、美味しい」


ベルも魚とご飯を交互に食べている。


キリコは出汁巻きを気に入ったらしく、一切れ食べ終えてから皿へ視線を戻していた。


ウンディーネも味噌汁をゆっくり飲んでいる。


メイとシルクも、自分たちの皿を順調に空けていた。


清水さんが空になった味噌汁の椀を見て、少し迷う。


「フトシ君」


「はい?」


「……味噌汁、もう一杯もらっていい?」


「もちろん」


鍋にはまだある。


椀を受け取り、シロシメジとヒールスピンも一緒によそう。


「どうぞ」


「ありがとう」


清水さんは両手で椀を受け取り、また一口飲んだ。


さっきより少し嬉しそうに見える。


「清水さん、味噌汁好きなんですか?」


「日本にいた時は、普通だと思ってたんだけどね」


椀へ目を落とす。


「なくなると、飲みたくなるみたい」


その気持ちは分かる。


俺もこっちへ来てから醤油や味噌を作ろうと思ったのは、結局いつもの味が恋しくなったからだ。


少しして、清水さんがベルたちの皿を見る。


「みんな、いつもフトシ君のご飯食べてるの?」


「うん!」


ベルがすぐに答えた。


「毎日同じものじゃないけど、フトシのごはんおいしいよ!」


「現地の料理を食べる日もありますし、俺が作る時も和食ばかりじゃないですよ」


「……そっか」


清水さんが、少し考える。


「……いいなぁ」


「味噌汁なら、まだありますよ」


「……うん。それもほしい」


さっきおかわりしたばかりだが、もう一杯くらいなら問題ない。


鍋へ手を伸ばすと、清水さんが少しだけ頬を緩めた。


何が「いいなぁ」だったのかは、よく分からなかった。


食事を終えた後は、以前訪れた観光果樹園へ向かった。


入園料を払い、中へ入る。


「こっちに陽蜜果あるよ」


今日はキリコが少し先を歩く。


清水さんとクロエさんが、その後についていった。


「キリコちゃん、覚えてるんだ」


「うん。前に来た」


木に実る陽蜜果。


硬い葉の中央に育つ棘蜜果。


房になった月房果。


高い木の上には椰香果。


市場へ並んでいる状態とは、また見え方が違う。


クロエさんは棘蜜果に興味を持った。


清水さんは係員に教わりながら、熟した陽蜜果を一つ収穫する。


「取れた」


それを見ていたキリコが少し笑う。


「わたしも前、それ取った」


「同じだね、キリコちゃん」


「うん」


今日は何かを探す必要もない。


依頼もない。


ただ園内を歩き、気になったものを見て、少しだけ果物を収穫する。


一通り見て回ったあと、木陰の休憩所へ入った。


収穫した果物を俺が食べやすく切り分ける。


陽蜜果は濃い橙色の果肉。


棘蜜果は黄色く、果汁が多い。


月房果は柔らかく濃い甘味がある。


皿を配る時、清水さんの前にも置く。


「どうぞ」


「ありがとう」


清水さんは今度は遠慮せず受け取った。


午前中より、その返事も自然になった気がする。


みんなで座って果物を食べる。


清水さんも、もう輪の中へ普通に混じっていた。


陽蜜果を一切れ食べたあと、ふと周囲を見回す。


「……何も考えずに観光するのって、楽しいね」


クロエさんが清水さんを見る。


「今までずっとフトシ君を探してたものね」


「うん」


清水さんは手元の果物を見た。


「朝は市場を見て、知らない飲み物飲んで……お昼には味噌汁まで食べられたし」


少し笑う。


「フトシ君が醤油まで作ってるのは、まだ信じられないけど」


「本当にありますよ」


「見たから分かってる」


さっきよりずっと軽い返事だった。


少し間を置いて、清水さんが続ける。


「今後、私も旅しようかな」


昨日、これからどうするのか聞いた時は、まだ決めていないと答えていた。


今も目的地まで決まっているわけではないのだろう。


でも、昨日とは少し違う顔をしている。


クロエさんが笑った。


「それなら、わたしも一緒に旅しようかしら」


「クロエも?」


「ここまで一緒に来たしね。それに、わたしも知らないところを見るのは嫌いじゃないよ」


「でも、ポルト・ラーラは?」


「ずっと帰らないって決めたわけじゃないもの。行きたいところを見て、帰りたくなったら帰ればいいでしょ」


「……そっか」


二人とも、まだ具体的なことは何も決めていない。


それでいいと思う。


「旅は楽しいですよ。いいですね」


二人がこちらを見る。


「知らない街を見るのも面白いですし、美味しいものも見つかりますから」


清水さんが小さく笑った。


「フトシ君と一緒だと、食べる方も困らなそう」


「材料があれば大体なんとかしますよ」


答えると、今度は清水さんの笑みが少し深くなる。


クロエさんも隣で笑った。


行き先はまだ決まっていない。


それでも清水さんは、手元の陽蜜果をもう一口食べながら、少し先のことを楽しそうに考えていた。

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