番外編・菟道稚郎子
ただの妄想。
日本書紀には菟道稚郎子の最期について不思議な記述がある。彼が兄と大王位を譲り合った末に自らの命を絶つと、その知らせを聞いて大鷦鷯命が菟道宮に駆けつけてくる。そして彼の遺体に縋って何度も呼びかけると既に死後3日経っていたというのに彼は生き返ったというのだ。そして「私の死は天命です。兄上の責任ではありません。駆け付けてくれてありがとうございます。でも一つだけ。妹の将来が心配なのでどうか後宮に上げてください」と遺言を残して再び亡くなったという。
菟道稚郎子も儒教の影響を受けていろいろ思い詰めてしまったのだろうが、何も死ななくてもと筆者は読みながら思った。そこで生まれた馬鹿馬鹿しい想像を書き留めておく。
菟道宮にて
大鷦鷯命「菟道稚郎子が死んだというのは本当か!」
菟道稚郎子「……」
大鷦鷯命「ああ……何故死を選んでしまったのだ。弟よ」
菟道稚郎子「……えーと、すみません、兄上」
大鷦鷯命「うわっ、生き返った!?」
菟道稚郎子「いや、こうでもしないと来てくれないかなって」
大鷦鷯命「ばっ馬鹿者、何を考えている!」
菟道稚郎子「いや、考えたんですよ。父上の意志は継ぎたい。けれども私が大王になっても不幸な人が増えるだけだと」
大鷦鷯命「……」
菟道稚郎子「そこで折衷案です。私、菟道稚郎子は死に、菟道稚郎女として生まれ変わります!」
大鷦鷯命「は?」
菟道稚郎子「私は死んだので兄上が大王になります。そして私を私の妹ということにして、後宮にあげてください。そこで私は陰から兄上の政務の手助けをしていきます」
大鷦鷯命「いやなんで女になるんだよ」
菟道稚郎子「私達の曽祖父の倭建命も女装していました」
大鷦鷯命「あれは敵をあざむくためだろう!」
菟道稚郎子「私も同じです。後宮ならば身を隠すのに都合がよいでしょう」
大鷦鷯命「いやまあ正直なところ、家臣の中にもお前が大王になるのを嫌がるのもいるしなあ」
菟道稚郎子「じゃあこれでやっていきましょう」
大鷦鷯命「いいのかなあ……?」
後に大鷦鷯大王(仁徳天皇)が菟道稚郎子の妹を妃にしようとしたとき、大后の磐之媛命は激しく反対したというがその真意やいかに。
以下、本当の系図。




