会話2
私は活気があふれ人も増えてきた街中を、特に行く当ても決めず、私は人の波を避けながらぼんやりと歩いていた。
そして気がつけば、よく立ち寄っていた公園の近くに来ていた。
何も考えずに歩いていたせいか、体は無意識のうちにいつも立ち寄っていた公園に向かって歩いていた様だった。
「おや、真理さんかい?」
「え。」
急に名前を呼ばれ視線を向けるとリリーさんが優しく微笑みながら立っていた。
「こんいちは、真理さん。買い物かい?」
「あ、えーと、そんな所です。」
家政婦をやめて出て行く所とは言えずとりあえずそう答えた。
「毎日頑張ってくれているのね。すごいわね。」
「いえ、そんなことは・・・。あの、リリーさんはどうされたんですか?」
ただ個人的な感情を優先して、あの家を出ていこうとしている私はリリーさんにそう言われ罪悪感を感じ、話題をそらした。
「今日はお店がお休みの日だから散歩してたんだよ。今日はいい天気で気持ちがいいからね。そうだ真理さんせっかくだから少しお話ししない?」
「えーと。」
そういえば今日リリーさんのお店はお休みの日だった。
いつもなら把握しているけれど、昨日から色々あったためか忘れていた。
私は、話をするような気分でも無かったのでそれを断ろうとしたが、その前にリリーさんは私の手をつかんできた。
「そうときまれば公園に行きましょう。」
そう言うとリリーさんは半ば強引に公園の中に私をひきづって行った。
私は何も言えずただ、彼女に引きずられるままに公園の中に入って行った。
「よいしょ。」
そう言ってリリーさんは公園のベンチに座った。
私も、ここにきて断るのも気まずくて、リリーさんの隣に腰をおろした。
「今日もいい天気。こういう日はとても気分がいいわね。」
「はい。そうですね。」
「最近、あの子はどんな感じ?」
リリーさんはとても楽しそうにニコニコとしていた。
「特に何もないですよ。いつも同じ感じです。」
「あら、そうなの?」
私がなんでもないという風にそう答えると、リリーさんは目をまん丸にしながら私を見ていた。
「ねぇ、真理さん。真理さんはあの子の家のことは知ってる?」
「はい、少しだけレオさんから聞きました。」
リリーさんは優しく微笑んだ。
「どんなことを聞いたの?」
「レオさんはこの町の領主で、ご両親が昔亡くなったということを聞きました。」
「あの子ね、まだ若い時からこの町の領主として頑張ってくれていてね。あ、もちろん今でも十分若いのよ。あの子ってね、年の割にはにとても良くできた子なのよ。後は、素敵な人が見つかればねぇ。」
リリーさんはイタズラっぽく笑いながら私を見つめていた。
「えーと・・・。」
彼にはすでに恋人がいるはずなのに、リリーさんは知らない様子だった。
親しいはずのリリーさんが知らないようなことをなぜ、彼は先に私に伝えようとしたのかよく分からず、私は少し戸惑っていた。
「レオさんはいつでも素敵な人だと思います。だからきっとすぐに良い人が見つかると思います。」
「ふふ、そうね。でもそれは・・・、まだもう少しかかるのかしらね。」
そう言いながら微笑むリリーさんに彼の恋人のことを言うべきか迷ったが結局言うのはやめ、私は曖昧に微笑むことで、リリーさんの言葉に返事をした。
伝えてあげた方がリリーさんも安心すると思うけど、彼がわざわざ内緒にしていることを私が言うのは良くないと思う。
「ちなみに真理さんはあの子のことどう思ってるの?」
リリーさんに尋ねられ私はチクリと胸が痛んだ。
リリーさんは優しそうに微笑みながら私が答えるのを待っている様子だったが、私はすぐに何か言うことができなかった。
読んでくださりありがとうございます。
のんびり更新ですがよろしくお願いします。




