お屋敷2
読んでくれてる方ありがとうございます。
自分の中で話しがどんどん膨らんで気づけば最初の予定からかなり変わってしまいました(汗)
つぎはぎだらけで怪しい所があるかもですが、その時は優しく目をつぶって下さい。
よろしくおねがいします。
「それでさ、真理、今日ここで真理に話したいことなんだ『分かってます。』
彼の言葉を遮るように私は言葉を発した。
「・・・分かってるって本当?」
彼は面食らった様子だったがすぐに立ち直り、私にそう尋ねてきた。
「はい。今日ここにレオさんの好きな方がいらしっしゃるんですよね。」
私の言葉に彼は少し目を見開き、肩を少し揺らした。
それには構わず私はさらに言葉を続けた。
「だから、今日レオさんが私に言おうとしていることも分かっています。だから、私は先に離れの方に戻ろうと思います。すみませんが、離れの方まで帰らせていただけませんか。」
「どうしても今すぐ帰らないとダメかな。この屋敷内で待っててくれたら朝みたいに送るから。」
「待っている間が少し気まずいです・・・。」
私がそう言うと彼は少しうーんと考える素振りをした後、私にこう言った。
「それなら真理のペンダントを握って離れを思い浮かべれば帰れると思うよ。ここから離れに行く位の転移ならペンダントにたまっている魔力で十分だと思うから。」
「え、私も魔法が使えるんですか?」
「うん、一応そのペンダントがあれば使えるよ。真理の場合は、元々魔力がないから、魔力切れによる昏睡にはならない。ただ魔法を使い過ぎてペンダントの魔力が枯渇すると、魔力中毒を起こすかもしれないからあまり使って欲しくなくてね。だから今まで黙ってたんだ。」
私が驚いた様に聞くと彼は私から少し目をそらしながらそう答えた。
「分かりました、やって見ます。」
「本当は送りたいんだけど。道具を使わない魔法には弱体時間があるから無理なんだ。」
「弱体時間?」
私は首をかしげながら聞き返した。
「弱体時間というのは一度その魔法を使った後、もう一度同じ魔法を使うと失敗したり効果が正しく出ない時間のことだよ。魔力を燃料にしてる機械や道具にはそんな時間はないんだけどね。ただ、テレポートは比較的誰でも使える魔法だから道具を使うことは少ないんだ。俺も近距離の移動では道具は使わないんだ。ちなみにテレポートの弱体時間はだいたい、一時間位だよ。」
彼はそこまで話すと私の手をさっきよりも少し強く握った。
「・・・真理は、俺の言いたいことが分かってるんだよね。ってことは、やっぱり真理は、受け入れることができないってことかな?」
「はい・・・。申し訳ありません。」
「そうか。」
それだけ言うと彼は私から目を離し、黙り込んだ。
彼が今何を考えているのか私には分からない。
ただ、彼の彼女には会いたくない。
でも、彼には幸せになって欲しい。
色々な思いがぐるぐると渦巻きよく分からなくなってきた。
「あの、おせっかいかもしれませんが、あまりこういうのはよくないと思います。」
彼は黙って私を見つめていた。
私は自分が何を言いたいのかもよく分からないまま思ったことを言った。
「私の予想だと今日のお昼は一緒にお食事する予定なんだと思ってます。そのためにレオさんは二人分のお弁当を私に用意させたんだと思っています。」
私は一旦話しを切ると握ったままの手をそっと離し、彼から数歩離れると話しを続けた。
「でも、せっかくのお食事なのに私の作ったお弁当を外で一緒に食べるのは失礼だと思います。どうせお食事するならオシャレなカフェとかレストランとかがいいと思います。もっと女性心を勉強した方が良いです。そうしないときっと傷つく人もいますから。」
私はそれだけ言うと、彼がさっき教えてくれた様にしてテレポートを発動した。
さっきと同様にふわりと浮いた感じがし、ゆっくり目を開けると私はいつも過ごしていた所に戻ってきた。
お弁当は相手からしてみればただの使用人の女性が自分の彼氏と一緒に住んでいるような状況で作ったもので、きっと相手からすれば見たくもないと思う。
やっぱり彼には幸せでいて欲しく思うからその相手との関係をできることで応援したいと思う反面、彼が知らない人と結ばれるのを祝福する事など絶対に出来ないと思う自分がいる。
そんな優柔不断な私が彼に言った最後の言葉は自分でも何が言いたいのかよく分からなくなってしまった。
ただ、なんにしても自分の雇い主にわがまま言ったり八つ当たりをぶつけたりしてしまった私は、もうここには居られない。
私は、視界を潤ませながら家を背にして歩いて行った。




