憂鬱2
食事を終え彼は「ごちそうさま」と言うと席を立ち、お風呂場の方に向かって行った。
その後しばらくして私も食事を終え、洗い物を片付けながらさっきの食事のことを思い出していた。
いつもなら彼はたわいも無い話をしてくれるのに今日はずっと黙って食事を続けていた。
彼の様子が変わったのは私の体調を心配してからだった様に思う。
私は別に体調が悪いわけでは無く、ただその時勝手に落ち込んでいただけだった。
そんなに顔に出したつもりは無かったが、もしかしたら相当顔色が悪く見えたのかもしれない。
もしそうなら、私は彼にいらぬ心配をかけて迷惑させてしまったかもしれない。
突然、異世界から来たとか言う怪しい私を彼は嫌な顔せず家におき、さらに色々な面倒を見てくれていた。
始めは何か裏があったりするのかと不審に思うこともあったが、彼と過ごす内にその思いも無くなっていき、彼のために私にできることをやろうと思った。
でも、実際は彼に迷惑ばかりかけている気がする。
そう思うとなんだか悲しくなった。
「ねえ、本当に大丈夫。」
不意に聞こえた声の方に顔を向けるとそこには彼の姿があった。
「はい、本当に平気です。ご心配おかけしてすみません。」
私が笑顔でそう答えると彼は少し不満げなそれでいてどこか悲しそうな表情でこちらを見ていたが、一つ息を吐くと私の前までやって来た。
そして気がつくと私は優しく彼に抱きしめられていた。
「えっ、あの、レオさん・・・。」
私は戸惑い彼の名を呼んだが、彼には聞こえなかったのか何も言ってくれなかった。
彼の体は普段鍛えているのか割としっかりしていて、さらにお風呂から出たばかりなのかポカポカと温かく、そのせいか安心するような心地よさに包まれているようでとても気分が良かった。
私はぼんやりと小さな幸せに包まれているとそれはゆっくりと私から離れた。
急に体が冷えた気がしてはっとして振り返った。
彼は私の目を見ると小さな声で「急にごめんね。」と言った。
私は慌てて首を横に振っていた。
そんな私の様子を見た彼は小さく笑うと静かな優しい声でしゃべりかけてきた。
「さっきの真理を見てると、なんだか今にも消えて無くなりそうな気がしてね。それが怖くてついね・・・。」
彼はそう言うと私にいつもの様ににこりと微笑み、言葉を続けた。
「俺じゃ頼りにならないかもしれないけどさ、何かあるんだったら教えてくれると嬉しいかな。もちろん無理にとは言わない。真理が言いたいなって思った時でいいから。」
言い終わると、彼は自分の部屋の方に向かって行った。
彼がいなくなり私は一人になるとさっきの彼の様子を思い出していた。
まるで自分が彼の彼女になれたかのように感じて幸せだった。
もちろんこれは自分の願望であり、そのようなことは絶対に無い。
優しい彼はただ、一人の家政婦として私を心配してくれていたに違いないのだから・・・。
私は勘違いしそうな自分をしかりながら、その日の家政婦の仕事を終えたのだった。
お久しぶりです。
投稿がだいぶ遅れてしまいまい申し訳ありません。
これからもこんな感じな気がしますが、気長に待ってもらえたら幸いです。




