第六篇「朝起きて後輩の家の洗面所を借りて部屋に戻ったら着替え中の下着姿を見てしまった話」
「先輩! 先輩起きてください! 朝ですよ!」
「え、うっ……朝?」
ハッと起き上がる。
「え、もう朝!? なんか寝た気がしないんだが……」
天愛の表情が呆れる。
「そりゃチュートリアルステージクリア後。選んだステージを何回も負けましたからね。ムキになってリトライを繰り返しましもん。寝落ちしたの深夜ですよ」
くふふっと口を手で隠し笑う。
「先輩ってムキになる割にはゲームが下手ですよね♪」
「黙れ」
床に直に寝てたせいか肩が凝る。
「というかまだ六時じゃないか。せめて後一時間は寝かせてくれよ」
「そうはいきません!」
大きな乳房をぷるんっと揺らし胸を張る。
「私が暇になるので話し相手になってください!」
「……」
頭をぐりぐりしてやろうかと思った。
けど夜更かしをしたのは自分が悪いから我慢することにした。
「ていうかお前、早いな? 何時に起きてんだ?」
「四時ですよ」
「そうか……四時か……え、四時!?」
「はい」
目を瞬かせる。
「ソシャゲのデイリーボーナスを全てクリアするためにログイン可能時間に起きて二時間かけて石を貰います」
なにが自慢なのかどこか偉そうに大きな胸を前に張る。
もっとも普通の精神構造しか持たないレイジには異様に映った。
「二時間も朝からログインボーナスとデイリーをクリアするために……?」
さらに大きな胸を前に出す。
もう完全に首がのけぞっている。
「デイリー条件に自動プレイで時間がかかる奴がいくつかあるのでそれをしてる間は仮眠を取りながら石を手に入れるんです」
「た、楽しいか、その生活?」
「はい!」
張っていた胸を引き、レイジの胸ぐらを掴む。
「さっさとサ終しろと思うくらいには楽しくないです!」
「……はぁ」
ため息を吐く。
うんっと伸びをする。
「顔洗いたいから洗面所借りていいか?」
「あ、この前、遊びに来た時、洗顔使ってませんよね。あれ使っていいですよ」
「じゃ、遠慮なく……と、コイツを忘れるところだった」
ポケットディジモンワールドを拾い、チッと舌打ちする。
「こいつ、まだ寝てやがる」
「状態がいい子なのですぐ起きますよ。あ、ついでに先輩、Aボタンをしばらく長押してください」
「うん、こうか?」
小さなボタンをギュッと押す。
ピッと音が鳴る。
画面が切り替わりデジタル時計時計が表示される。
「あ、これAボタンを押しっぱにするとゲームが切れるのか?」
「学校にいる間はその状態にしておけばディジモンが要求のサイレンを鳴らすことはないですよ。後で付ければ中止した状態から再スタートしますから状況に合わせて切ったり付けたりしてください」
「じゃあ今は起動しておくか……ケッ、のん気に寝て腹立つガキだな」
「先輩って子供が出来てもいい意味でも悪い意味でも対等な関係を維持しそうですね」
「悪かったな!」
顔を洗いに行ったレイジの背中を嫌味ったらしくハンカチを振って見送る。
「あぁ……いい夜でした!」
天愛も伸びをし大きな胸をぷるぷると震わす。
「さて……朝ごはんでも用意しますかね」
細い腹を撫でる。
「今日はパンの気分だから食パンでも焼きますか……うん?」
さっきまでレイジの寝ていた床に少し手が触れる。
「……先輩のぬくもりが少し残ってますね」
そっと頬を近づけてくっつける。
「……すんすん」
少し男臭さが床に残っている。
が、不思議と嫌な気持ちはせず安心出来る。
「うううぅぅぅう……」
床に寝そべる格好で身体全体を猫のように震わせる。
「これは癖になるかもしれませんね♪」
床のぬくもりが消えると天愛ももう一度立ち上がる。
「やっぱり朝はご飯にしましょう!」
拳を振り上げて立ち上がる。
勢いで大きすぎる巨乳が何度もぷるんっぷるんっと揺れる。
「朝からパンなんてお昼までエネルギーが持ちません! 先輩とほデート中にエネルギーが切れたら元も子もありません! この世界にはアップルゼリーなんて言う地味にラスボス戦まで仕える回復アイテムなんて無いんですから!」
踊るように今日、着ていく予定だった服を取り出し着ていたタンクトップとホットパンツを脱ぎだす。
「顔、洗い終わったぞ。次はお前が顔を洗え……あ?」
「あ……?」
服を脱ぎ可愛いピンク色のブラとパンティがレイジの目にとまってしまう。
「きゃ、きゃあ!?」
天愛の手のひらがパケモンの技の一つ「におうふくビンタ」のように空を切る。
「うぎゃ!?」
仕方ないとはいえレイジの頬に痛々しいモミジの痕が残る。
つづく




