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転移先で最初の職業選択を間違えてもリカバリーは効く  作者: 葵あさ
1章

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23/86

雷魔法

 発作のような笑いが収まってから雷狼をエナジードレインで吸収する。

 祈るような気持ちでいたのが天に通じたのかは分からないが、運は俺に味方したようでスキルの獲得を告げるメッセージが表示された。


 <収奪した構成要素からスキル「雷魔法Ⅱ」を再構築しました。スキル「雷魔法Ⅱ」を獲得しますか?Y/N>

 <収奪した構成要素からスキル「電撃吸収Ⅰ」を再構築しました。スキル「電撃吸収Ⅰ」を獲得しますか?Y/N>


「ぶはっ!?」


 思わず吹き出してしまった。

 念願の魔法スキルを獲得したのは素直に嬉しい。しかもいきなりⅡとか。

 それにもう一つのスキルもヤバい。耐性ではなく吸収だ。これ完全に上位スキルだよな?


 雷魔法Ⅱ:魔力から雷への変換効率の上昇、及び生成した雷の操作性を上昇させる。出力補正・小、消費魔力軽減・小。

 電撃吸収Ⅰ:電撃によるダメージを無効化し、一割を魔力として吸収する。


 詳細を見るとぶっ壊れだとはっきり分る。

 雷魔法使いメタやん。どんなに強い雷魔法でもかすり傷一つ負わせられない。それどころか逆に回復させてしまうというクソスキル。俺、剣メインで良かった…。

 つかこんなんCランク魔物が持っていて良いわけ?ちょっとリディア尋問しないと。いや、俺が蟲狼迷宮に潜ってることは言ってないから尋問は無理か。くそ、資料室で調べるか…。


 今日はここまでだな。

 と、戻る前にリザルト確認しとくか。


 名前:トーカ・フジクラ

 レベル:16→19→23

 ギフト:エナジードレイン

 戦闘スキル:剣術Ⅱ、体術Ⅱ、身体強化Ⅱ、敏捷強化Ⅱ、剛力Ⅱ

 魔法スキル:雷魔法Ⅱ

 耐性スキル:電撃吸収Ⅰ、毒耐性Ⅲ、麻痺耐性Ⅱ、火耐性Ⅰ

 特殊スキル:アイテムボックスⅡ、遠見Ⅰ、暗視Ⅰ、危機感知Ⅰ

 余剰生命力:1270→1532→675

 スキルポイント:2.5

 所持金:220万8000リラ


 レベルは19で頭打ちしてたんだけど一気に23まで上がった。

 それだけ強敵だったってことだ。

 余剰生命力は結構貯めてたけどさっきの一戦で大量放出してしまった。剛力スキルもバンバン使ったし回復もしたからな。またコツコツ貯めないと。

 金は黒柘榴鋼の長剣を買ったり、色々とランドの店で買い物をしたせいで減っている。でもアイテムボックス内にはグレートグラスウルフとキンググラスウルフの素材や魔石が大量にあるので、売れば100万リラくらいにはなると思う。レベルが上がったことで魔力量も増えたらしく、アイテムボックスの容量が軽トラックの荷台並みになっているので多少余裕はあるんだけど。

 まぁ一気に売ったら値崩れしそうだし、ランドと相談しながら少しずつ市場に流すとしよう。

 さって、そろそろ帰るか。しばらくダンジョン周回ばっかでエンジェルリップに行ってない。久しぶりにミリーシアに会いたいぞー。

 

 宿でシャワーを浴び、身嗜みを整えてからエンジェルリップへ向かう。

 普通の宿にはシャワーなんて備え付けられていないから水浴びとか濡れタオルで拭くくらいになるが、今俺が泊っている『緑の小竜亭』一日金貨2枚の高級宿だからな。魔石式のシャワー付きだ。流石に浴槽はもっと上のグレードじゃないとついてないが。

 最初はランドに勧められた一日銀貨7枚の宿に泊っていたのだが、シャワーを浴びれないのがどうしても我慢できず岩鬼の洞窟を攻略した後に移ったのだ。金はかかるけど満足している。欲を言えば浴槽も欲しいけどそうなると大金貨が出て行くから俺の稼ぎだとまだ難しい。


 エンジェルリップを訪れた俺が舞い上がるような気分で受付の若い男性――エンジェルリップの副支配人らしい――に声をかけると、彼は恐縮したように頭を下げた。


「申し訳ございません。ミリーシアは本日予約が入っておりまして…」


 あ…、そりゃそうだ。

 ミリーシアはこの店の看板だ。高かろうと相手をしてもらいたい男はいくらでもいる。

 そんな彼女に予約もなしで会いに来るなんてアホか俺は。


「えっと、次空いてるのっていつですかね?」

「直近でしたら明後日、その次ですと7日後になります」


 恥ずかしさを感じつつ尋ねると副支配人はメモも見ずに答えた。すげぇ、もしかして全員のスケジュール把握してんのかな?さすが、若いのに高級店の副支配人してるだけあって優秀だ。


「じゃあ明後日と7日後の両方予約お願いします」

「かしこまりました。トーカ様には先日ミリーシアが大変失礼をしたと聞いております。遅ればせながらわたくしの方からも謝罪をさせてください。申し訳ございませんでした」

「失礼…?」


 あ、先に寝ちゃったことか。

 深々と頭を下げる副支配人に慌てて言う。


「いや、全然気にしてないですから。むしろミリーシアさんにはとても良い時間を過ごさせてもらって感謝しかないですよ」

「そう仰って頂けると心のつかえが取れる思いです。わたくし共一同、いっそうのサービス向上に務めて参りますのでどうか今後とも御贔屓にお願い致します。…ところでトーカ様、本日はあいにくとミリーシアは空いておりませんがNo2の娘は空いているのですが」

「じゃあその子で!」


 即答したね。

 しばらくダンジョンに籠ってて禁欲状態だったし、仕方ないよね。

 というか副支配人、謝罪から営業に持っていくのスムーズ過ぎるよ。敏腕だわ。

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