表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/28

【同接12万人】テレビの残響と、ママンの聖断


俺は配信を切った後、涙を流しながら、聖域に残った聖汁(お吸い物)をタッパーへ移し、「喉が乾いた」という適当な理由で平然を装い、『それ』を冷蔵庫の奥底へしまい込んだ。


自室に戻り、黒歴史ワールドレコードを更新した恥ずかしさで布団の中で体育座りをしながら膝を濡らしながら寝てしまった。


目が覚めると外はもう薄暗くなっていて、とてつもない虚無感に襲われていた時、下の階からママンがとんでもない事を言った。


「冷蔵庫にあるタッパー(しん)ちゃんのー?邪魔だから捨てていいー?」


ビクンッ!と身体がバネの様に跳ね上がり一気に目が覚める。


「(やばいやばいやばい!!開けられたら匂いで何していたかバレる!!!)」


必死に言い訳を思い着こうとしたが良い案がない…し、仕方ない…本当の事を言ってしまえ


ドアを数ミリ開けた隙間から


「……ちょっと実験でおいしい出汁作ったんだ!だからママン!気にしないで〜後で捨てる(食べる)からそのままにしといて!香り(エロス)がキツイかもしれないからそのままにしといて!!」


「わかったわ〜。(しん)ちゃんも、お料理に興味もってくれてママ嬉しいわ〜♪」


フンッ♪フンッ♪っとママンの鼻歌が聞こえてくる


なんとか乗り切りそーっとドアを閉めた。


(……ブハッ!!し、死ぬかと思った!!)


やばいやばいやばいやばい明日になってもそのままなら流石に開けられちまう…や、やるしかない…


決行は晩御飯が終わり、美咲が風呂の後自室に戻ってママンとパパがテレビを見てる隙を突いて決行する。

このリスクこそが最高の『スパイス』だ。


そうして時刻は21:00


少しでも背景に擬態するため俺は黒仮面を装着し、気持ちを入れ替える。

そして胸元のGOプロを起動させ、緊張して震える指で「LIVE」の開始ボタンを押した。


「……チェック……聞こえるか、共犯者ども。……クック神だ。……いや、今はただの『しんくん』と呼んでもらっても構わない。……昨夜の屈辱は……………俺の血肉となった」


自室のドアを数ミリだけ開き、廊下の様子を伺いながら俺は囁いた。


画面上の同時接続数は、開始1分で既に10万人を突破。コメント欄は昨夜の「放送事故」の余韻で爆発している。

「……観測せよ。カメラが捉えるのは、いつものように俺の胸元と、このラテックス手袋を嵌めた指先だけだ。俺と家族の素顔は、神の領域。……現在、リビングではパパとママンが特番を見て笑っている。美咲は自室だ。……俺は今から、奴らの目を盗み、キッチンにある『昨夜の残り香』を回収しに行く」





【LIVE配信画面:コメント欄】


信者A: しんくんキターーー!!

名無し: 鉄壁の首下アングルwww 安心するわwww

名無し: メンタル鋼かよww昨日の今日で配信するとか最高だぜ

スパチャ(¥10,000): ママンに怒られなかった?大丈夫?

Foreigner_Niki: THE FACLESS GOD IS BACK!! GO GO GO!!



俺は「音を殺すための厚手ソックス」を履き、影のように廊下へ滑り出した。


中学時代、いじめで心が折れ、この暗い廊下を這いずるようにして自室に逃げ込んだあの日から、俺はこの家の「影」として生きてきた。

パパもママンも、俺が夜中にゴソゴソと動いていても「何か好きなことをしているなら」と、見て見ぬふりをしてくれていた。

その優しさを、俺は「神への不干渉」と履き違えていた…。

だがもう止まる訳にはいかない。俺はクック神なのだ。



「(小声で)皆……静かにしろッ……さて、冷蔵庫に仕舞い込んだ『余り物』。……美咲の『朝の真髄(ソックスの煮出汁)』が、タッパーの中で蒸発せずに生きている。パパがビールを取りに来る前に、神速で奪取する」


【LIVE配信画面:コメント欄】


名無し: 生きてねーよwwwやるのかマジでwww

信者B: 同接12万突破!!ドキドキが止らねぇwww

110番: これバレたら今度こそ「あ、はい」じゃ済まないぞ。

Foreigner_Niki: MISSION IMPOSSIBLE: REFRIGERATOR!!

職人: 12万人突破。パパの笑い声がデカい今がチャンスだ!



暗闇のキッチン。


俺はパッキンの吸着音すら殺す角度で、数ミリずつ冷蔵庫を開けた。

奥の方に、あのタッパーが見えた。指先がプラスチックの冷たさに触れた、その瞬間。


(ピッ)


リビングから聞こえていたテレビの音が、唐突に、断頭台の刃が落ちるような鋭さで消えた。


「……え?」


背後で、スリッパが床を擦る音がした。ゆっくりと、確実な足取り。


「……(しん)ちゃん? そこで何をしてるの」


キッチンの照明が、爆発するように点灯した。


あまりの眩しさと驚きで、俺はスマホを落としてしまった。

カメラは、俺の膝元とタッパーを握る手だけを冷徹に映し続けている。



そこに立っていたのは、パジャマ姿のママン…。



その表情には先程までの笑い声の残滓など微塵もない。


仮面の下で俺は身震いしていた………









※皆さんにお願いがあります。

ランキング1位にこのタイトルで載りたいです。

なろうのランキング見た時「あっ…なろう。お前、変わっちまったな…」って思わせたいです!


是非!そう思わせたい方!面白かった!と思った方は評価・ブックマークお願いしますm(_ _)mとっても嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ