32-5.家族になる
お待たせ致しましたー
*・*・*
晁斗との結婚。
一年前なら、ないと思っていた。
だけど今は、現実となっていく。
悠耶と咲乃の婚約と妊娠を発表した日に、晁斗からプロポーズを告げられて。嬉しくないわけがなかった。
ある意味家族を失った花蓮には、もう家族なんていない。晁斗とは恋人ではあっても、家族とは違うとどこかで線引きしていたのに。
晁斗は、花蓮に家族となって欲しいと告げてくれたのだ。漣であった頃のように、熊谷の姓に戻らないかと。
それを受け入れないわけがない。
晁斗に返事をして、口づけを交わして。抱き合って寝たいところだが、克己達には報告しようと二人でリビングに向かった。
人型になった空呀と璐羽は、ベテランゲーマーの克己には手も足も出ない状況になっていた。
「克己、ずっりぃ!?」
【……我は弱い】
「ははは、手加減しない方がいいだろう?」
晁斗達が来ても、ゲームに夢中になっているのか三人とも気づかないでいた。
「おい」
晁斗が呼ぶと同時に、克己以外は肩が跳ね上がってしまい、画面も『ゲームオーバー』になった。当然、空呀は後ろにいる晁斗に振り返った。
「いきなり呼ぶなよ!?」
「克爺の前じゃ負けは見えてただろ? つか、報告あるんだけど」
「? なんだよ?」
【……話とやらは終わったのか?】
「ああ。……悠耶達の後くらいになっけど、俺と花蓮も結婚する」
「ほう……?」
「え?」
【は?】
早くね、と空呀と璐羽の大声が響き渡ったので、晁斗が二人に大きく拳骨を喰らわせた。夜半前なのと、隣家から距離はあるとは言え叱らないわけにはいかなかったからだろう。
「花蓮ちゃんの通信教育が終わってからじゃなかったのかい?」
「まあ、それも考えたけど。早い方がいいだろ?」
「ふふ。そうだねぇ? ひ孫の顔ぶれが更に増えるのなら、嬉しいよ」
「もっと長生きしろよ?」
「はは、そうだね?」
翠達には晁斗がLIMEで連絡する予定ではいるが、悠耶達の結婚式くらいには一度戻ってくるかもしれない。
先日の時も、いつ嫁に来ても構わないと言ってくれたことが。こんなにも早く実現出来るとは思わないでいた。
花蓮は左手の薬指にはめてもらった婚約指輪を見て、また姉の墓参りに行って報告しようと決めた。それと、まだ死刑執行が確定した紗々にも。
後日、篤嗣にお願いして面会出来る様になった時、きちんと報告した花蓮に紗々は言ってくれた。
「幸せになってくれ……」
と、ただ一言、笑顔で告げてくれたのだった。
次回は金曜日〜
最終回です‼️




