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32-6.結婚ラッシュ

最終回です!






 *・*・*










 また一年後。


 悠耶(ゆうや)咲乃(さくの)が結婚して、無事に双子の男女を出産してから。その子供達の首がすわった頃に、晁斗(あさと)花蓮(かれん)も結婚することにした。


 結婚式並びに披露宴は、ウィンタージュで。


 ドレスやタキシードなどは、知人のツテなどを使ってレンタルしている。式はレストランウェディングで人前式に。神は、狗神である璐羽(ろう)がいるから和装も考えたが、璐羽自身が花蓮のドレス姿の方が良いと言ってくれたので、そちらの形式になったのだ。



「似合うぜ、晁斗!」



 小型の虎形態になっている空呀(くうが)が、ロッカールームでタキシードに着替えた晁斗に改めて告げてくれた。


 守護精は結婚式の場合、小型で肩に乗るなどするのが通常なので空呀は控えているのだ。花蓮の方も、璐羽がそうなのだろう。今はきっと、咲乃の代わりに菜幸(なゆき)がフルメイクを施しているかもしれない。



「まさか、二十代で結婚するとは思わなかったけどよ……」

「三十とかって言ってたもんな?」

「ああ」



 そのつもりが、今二十七。花蓮もまだ二十四。


 花蓮はまだ通信教育を受けているが、飲み込みが早いお陰か最近になって高校生くらいにまで進んだ。万屋としても、喫茶側としても有能で頼りになる存在だ。


 篤嗣(あつし)達警視庁にも単身で出動して援護出来るようになってきた。体術に関してはまだまだ修行中ではあるが、そこは菜幸中心に指導しているので大丈夫。


 姉のために魂を切り離して、記憶喪失となり晁斗に拾われてから結婚に至るとは思わなかったが。現実は今日、花蓮と結婚するのだ。


 所長としても、まだまだ若手で信頼される程ではないが、甲斐性無しに彼女と結婚するわけではない。


 花蓮だからこそ、一緒になりたいと一年前に彼女にプロポーズをしたのだ。


 そして、周りからの応援もあり、今日を迎えることが出来た。


 とりあえず、準備は出来たので女性ロッカーで同じように支度をしている花蓮の方に行くことにした。



「菜幸、花蓮。俺だけど」

「ちょーっと、待ってくださいっす! 先輩!!」



 もうすぐ出来上がるところなのか、菜幸が中から大声を出した。晁斗達は扉にもたれかかりながら待っていると、少ししていきなり扉が開いたので転けそうになった。



「……出来たか?」

「ばっちりっす!!」



 さあ、と促すので中に入れば。純白のドレスとヴェールに包まれた愛しの花嫁殿が、メイクも美しく施されて中央に座っていた。


 式でなければ、菜幸がいなければ即唇を奪いたいくらいに。晁斗は我慢して、花蓮を褒めることにした。



「……綺麗だぜ?」

「! 晁斗さんもカッコいいです!」



 付き合って三年程度でも、まだ花蓮から敬語などは取れない。仕事だと上司と部下の関係なせいか、もともとの性格のせいかもしれないが。



「さ! メインのお二人の準備も出来たことですし、行くっすよ!!」



 菜幸と(あかり)も実は来月に結婚式を挙げる予定でいる。入籍は先に済ませて今は一緒に暮らしているそうだ。他にも、今日出席してくれる中で最近結婚した男女が多い。ここ一年くらいで怒涛の結婚ラッシュだ。



「……じゃ、行くぞ」

「はい!」



 やめるときも健やかなる時も。


 あの時に偶然のように出会ってしまった、元宿敵の組織にいた少女と。


 本日から、家族になるのだ。


 菜幸が先を歩いて行った隙を見て、晁斗は花蓮の唇を軽く奪った。

約一年間ありがとうございました!!

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