31-5.祖父と孫
お待たせ致しましたー
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克己と沙霧が直接会った。
今日も今日とて、花蓮の側にいた晁斗は、病院にやってきた克己からその話を聞いたのだ。
花蓮も起きていたので、彼女の目の前で。
複雑そうな表情をしていたが、拳を強く握りしめたのに晁斗が手を重ねてやった。
「……おそらく、警察に出頭しに行くのも時間の問題だよ。その前に、一度会っておくかい?」
「克爺、出来んのか?」
「三十年ぶりでも連絡が取れたからね? 一度くらいは大丈夫だと思うよ」
「…………おじいちゃん……」
やっと、花蓮が振り絞った言葉は、祖父の呼び名。
会うか会わないかはわからないけれど、沙霧が彼女に課してきた所業はどうしたって覆せない。
追い詰める形で、死なせてしまった由那のこともあるから。
「花蓮、時間もねーけど。会うか会わねーかはお前の判断でいいんだぞ?」
「……はい。けど……面会とかも、ほとんど出来ないでしょうから」
「そうだろうね? 沙霧のしてきた事は世間が許すべき事じゃない。だから、会えるのは一度きりだと思っていいよ」
「…………会います」
静かに口にした言葉には、力強さを感じた。
その手を握ってやってから、晁斗は克己に振り返る。
「克爺、俺も行っていいか?」
「ああ。晁斗も一度は会っているだろうから、大丈夫だと思う」
「日取りは克爺に任せていいか?」
「そうだね?」
「……その必要はありません」
静かな老成した声。
全員が振り返った先、病室の扉の前に、戸塚沙霧が立っていたのだ。
「おじい……ちゃん……?」
呆気に取られている間に、花蓮がぽつりとつぶやいた。その言葉に、沙霧はゆるく微笑んだ。
「そうだよ。花蓮」
「ど……して……」
「この後、警察に行くからね? 克己に会った後、彼がここに来るのはなんとなくわかっていたから隠れていた」
「そうじゃない!」
花蓮が声を荒げると、晁斗達もだが沙霧も目を丸くした。
「……花蓮?」
「私……なんかよりも、な……んで、なんで、お姉さんが……!?」
「…………それについては、お前の前では言い訳にしかならないな。私も……由那があの禁術を使うとは予想外だった」
「…………」
花蓮は、静かに泣いた。
本当だったら、泣き喚いてしまいたいだろうが。沙霧の前で静かに泣いたのだった。
「…………今までお前に課した責務は私がすべて請け負う。万屋で……そちらの晁斗君のところで幸せになりなさい」
と告げた途端、いきなり出てきたようにしていきなり消えてしまった。
先日会った時もだが、術の精度が高い。犯罪者組織のトップだと言うのが惜しいくらいに。
「ほんと……お姉さんも、おじいちゃんも自分勝手」
「……そうだな」
その後に、篤嗣が裏の解体と長が出頭してきた事への連絡があり。
精密検査を受けていた花蓮には、やはり『守護無し』と言うのがわかったのだった。
次回は木曜日〜




