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30-4.深層心理へ

お待たせ致しましたー






 *・*・*









 二日が経った。


 けれど、花蓮(かれん)は目を覚さないでいる。


 荘重(むらしげ)によれば、意識が混濁して深層心理の部分まで潜っているかもしれないと予想された。


 だから、今日。晁斗(あさと)悠耶(ゆうや)咲乃(さくの)を呼んで、その深層心理の部分に潜ることに決めたのだ。


 花蓮のベッドの周りに、荘重からは許可を得て専用の結界テープで陣を描き、晁斗は花蓮の額に自分の額を当てるだけでいいそうだ。



「長時間は僕も咲乃も経験ないけど、出来る限り引き伸ばせるようにするから」

「絶対、(れん)ちゃんを連れ帰ってきてね?」

「おう」



 それは晁斗も望んでいることなので、眠ったまま相変わらず涙を流している花蓮の手を強く握り、額に自分の額を当てた。


 それが完了してから、悠耶達の詠唱が始まった。



「この者の内。内側は外」

「開け開け、魂の門。我は鳳凰の化身を抱く者也」

「我は青龍の化身を抱く者也」

「外は外、内側は内側」

「開け開け、魂の門。我らは導く者。彼を内側へと繋げよ」

「とこしえに、永遠に」



 短い詠唱だったが、確実に力を注がれるものだとわかり。晁斗の意識が何かに吸い込まれるような感覚を得た。


 意識がまるで、掃除機に吸い込まれるような感覚になった直後。


 晁斗はひとりで、暗い闇の中に立っていたのだ。



「……ここが、花蓮の内側か?」



 確証はないが、意識があるのならそうかもしれない。


 晁斗は、奥底に沈んだ花蓮を見つけるべく、駆け出した。



「漣! 花蓮!!」



 叫んだが、当然のように返事はなかった。まだ下に潜らないと見つからないのか。悠耶に事前に聞いてはいたが、その入り口とやらがなかなか見つからない。


 守護精は人間の内側の存在そのものなので、空呀(くうが)は連れて来れなかった。匂いは彼の方が敏感なのに、こう言う時に頼れないのは辛かった。



「花蓮……どこだ!?」



 早く戻ってきて欲しい。


 そして、これからの事を一緒に決めたい。


 たしかに、実の姉を失った絶望感はあるが。


 同じような思いをしている、晁斗の気持ちも知って欲しかった。


 このまま、花蓮を失いたくないという思い。


 そんな思いは絶対に嫌だから、晁斗は入り口を見つけるために駆けていた時。



「わ!?」



 足元がいきなり水に変わり、晁斗は何かに足を引っ張られたかのように、どんどんと下へ沈んで行った。

次回は木曜日〜

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