表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/164

30-2.後始末①

お待たせ致しましたー






 *・*・*









 事件は、呆気なく終わりを迎えた。


 (れん)の双子の姉である由那(ゆな)は自殺のように死を迎え、陸螺(くがら)市全体を覆っていた黄泉路の気配も消えた。


 由那と紗々(さしゃ)と言う男以外の、『裏』の組織が出てくることもなく、紗々が現行犯逮捕で由那の遺体は鑑識に回された。


 漣の姉だからとは言え、すぐに葬儀など出来ない。


 万屋もだが、警察にも裏は多大な被害を与えてきたからだ。実は漣、いいや花蓮(かれん)も裏の人間だったために、実の姉を失ったショックが大きくても警察に行くことになった。


 だが、すぐに事情聴取が出来る状態ではないので、警察病院に移動して荘重(むらしげ)の診察を受けた。



「二、三日は、聴取もダメね? 下手すると憔悴しかねないわ。五体が無事でも、心の問題はそう簡単に治るわけがないもの」

「……わかりました」

晁斗(あさと)君は側にいてあげて?」

「はい」



 由那が死んだ途端、気を失うようにして眠ってしまった花蓮はまだ目を覚さない。覚まさないが、ずっと泣いているのだ。


 無理もない、自分の本当の家族を目の前で失ってしまった。晁斗には経験がなくても、あの惨劇を目の前にしたら同じとまでいかなくてもショックはショックだ。


 とにかく、今は彼女の側にいてやろう。


 克己(かつき)には電話で連絡を入れたが、万屋やウィンタージュは心配しなくていいと言われた。



『今は漣ちゃんが大事だ。側にいてあげなさい』

「ああ、けど……」

『うん?』

「下手すると、目が覚めねーかもしれない。そうしたら」

『ああ。魂も今戻っているのなら、深層部に潜れるだろう。悠耶(ゆうや)咲乃(さくの)も必要なら呼びなさい』

「……ああ」



 可能性としてはある。


 だが、出来ればならないで欲しい。


 実の家族を失ったことで、心の内側に籠らないで欲しいのだ。


 晁斗は花蓮のベッドの近くに、椅子を置いて座ってから、彼女の手を掴んで強く握った。



「……絶対起きろよ?」



 そして、これからのことをたくさん話し合おう。漣だった時の記憶はきちんとあるようだから、晁斗と花蓮はまだ恋人同士だ。


 晁斗も、漣が花蓮で、裏の人間だとわかった今でも彼女の事は大切に想っている。


 あの時に告げた気持ちは、変わらない。


 だから、どうか目を覚まして欲しい。またウィンタージュで一緒に過ごせる日々をつくるためにも。



「……起きてくれ、花蓮(・・)



 そして、晁斗に彼女の本当の名を呼ばせて欲しかった。


次回は金曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ