30-2.後始末①
お待たせ致しましたー
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事件は、呆気なく終わりを迎えた。
漣の双子の姉である由那は自殺のように死を迎え、陸螺市全体を覆っていた黄泉路の気配も消えた。
由那と紗々と言う男以外の、『裏』の組織が出てくることもなく、紗々が現行犯逮捕で由那の遺体は鑑識に回された。
漣の姉だからとは言え、すぐに葬儀など出来ない。
万屋もだが、警察にも裏は多大な被害を与えてきたからだ。実は漣、いいや花蓮も裏の人間だったために、実の姉を失ったショックが大きくても警察に行くことになった。
だが、すぐに事情聴取が出来る状態ではないので、警察病院に移動して荘重の診察を受けた。
「二、三日は、聴取もダメね? 下手すると憔悴しかねないわ。五体が無事でも、心の問題はそう簡単に治るわけがないもの」
「……わかりました」
「晁斗君は側にいてあげて?」
「はい」
由那が死んだ途端、気を失うようにして眠ってしまった花蓮はまだ目を覚さない。覚まさないが、ずっと泣いているのだ。
無理もない、自分の本当の家族を目の前で失ってしまった。晁斗には経験がなくても、あの惨劇を目の前にしたら同じとまでいかなくてもショックはショックだ。
とにかく、今は彼女の側にいてやろう。
克己には電話で連絡を入れたが、万屋やウィンタージュは心配しなくていいと言われた。
『今は漣ちゃんが大事だ。側にいてあげなさい』
「ああ、けど……」
『うん?』
「下手すると、目が覚めねーかもしれない。そうしたら」
『ああ。魂も今戻っているのなら、深層部に潜れるだろう。悠耶や咲乃も必要なら呼びなさい』
「……ああ」
可能性としてはある。
だが、出来ればならないで欲しい。
実の家族を失ったことで、心の内側に籠らないで欲しいのだ。
晁斗は花蓮のベッドの近くに、椅子を置いて座ってから、彼女の手を掴んで強く握った。
「……絶対起きろよ?」
そして、これからのことをたくさん話し合おう。漣だった時の記憶はきちんとあるようだから、晁斗と花蓮はまだ恋人同士だ。
晁斗も、漣が花蓮で、裏の人間だとわかった今でも彼女の事は大切に想っている。
あの時に告げた気持ちは、変わらない。
だから、どうか目を覚まして欲しい。またウィンタージュで一緒に過ごせる日々をつくるためにも。
「……起きてくれ、花蓮」
そして、晁斗に彼女の本当の名を呼ばせて欲しかった。
次回は金曜日〜




