28-2.融合
お待たせ致しましたー
*・*・*
自分と同じ姿。
半透明の、漣と同じ姿の何かが、光の中から出てきた。
いったい、なんだろうか。
漣達をここまで導いてくれた存在ではあるが。
「……だ、れ……?」
嫌な予感がする。
信じられない。
信じたくない。
そんな不安が、どんどん沸いてきて漣の心を蝕んでいく。
一度だけ、晁斗を見た彼女は。次に、漣の方に振り返ってきた。
複雑そうな表情をしながら。
『ここまで……来てしまったんだね?』
漣に近づき、なんの躊躇いもなく漣の手を掴んだ。透明な幽霊のような存在なのに、触れられると温かさを感じた。
「誰……なの?」
『私は君自身』
「……え?」
『君に足りないもののすべて』
そして、とあの黒ずくめの女の方に指を向けた。
「?」
『彼女の妹』
「……え?」
「漣が、あいつの妹?!」
晁斗が声を張り上げれば、途端、黒ずくめの女は目深に被っていたフードを取り払った。
「……くくく。あははは!! そうだ。そうだよ?? 僕が君の姉だ!!」
取り払った下にあった顔は。
凶悪な笑顔ではあるが、漣と瓜二つ。
髪は、漣よりも長かった。
「双子かよ!?」
空呀も驚いたようで、だが感心はしていなかった。
だが、それよりも。
漣は、自分が犯罪者の妹であるのが酷くショックだったのだ。
「おね……さん?」
『そう。けど、君は彼女のために私を切り離した』
「……え?」
『けど、もう遅かった。ここまで来たら、お姉さんを止めよう』
掴んだままの手を、彼女は自分の額に当てて。
また強く光ったかと思えば。
気がついた時には、彼女の姿はなくて。
漣の中に、膨大な記憶達が流れ込んできた。
「……あああああ゛あああああああ!? あああああああああああああああああああああああ゛!!」
「漣!?」
晁斗の声が、遠くに聞こえる。
けれど、返答する余裕はない。
だけど、耐えなくては。
あの姉を、止めるためにも。
「……くふふ? 結局戻っちゃったんだあ?」
双子でも違う声。
同じ顔でも違う存在だから、当然。
それを狂わせたのは、『裏』の長である二人の祖父。
それを止めさせるために、あの日鳥籠から出たのは、漣自身。
だから。
「……もう、終わりにするよ。私ももう逃げない!!」
「ふぅん? 相変わらず生意気だね、花蓮」
「それは私の台詞だよ、由那姉さん!」
漣の本当の名は、花蓮。
その名を与えたのは両親か祖父らかは覚えていないが。
今は、万屋の一員だ。
絶対に、絶対にこの事態と姉を止める。
ビルの屋上でどれだけ出来るかはわからないが。
もう逃げるのは、やめると決めたのだった。
次回は日曜日〜




