27-2.解かす唄
お待たせ致しましたー
*・*・*
術が、書き換えられた。
晁斗は、失せ物の術で飛ばした線がぐにゃぐにゃになった異常を肌で感じた。
「くっそ……!? 相手に気づかれた!!」
「晁斗さん?」
「この先で。術をめちゃくちゃにされた!」
「え、じゃあ……」
「甲本の居場所がわかんなくなっているかもしれねー」
そして、ついでとばかりに雲行きが怪しい。
この時期珍しくはないが、雪が降るかもしれない。だが、雲のところどころが赤く見えたのだ。
『死出の唄……?』
【黄泉路からの冷気か……】
ケサランパサランの親分と、璐羽がとんでもないワードを言い出した。
「マジか!?」
【おそらく、あの男や女が……】
「常世の冷気を喚ぶって、どんだけ力あんだよ!?」
璐羽の時も母神を堕とせるくらいの力量はあった。漣がいなければ、快癒は出来なかったが。だが、こうもしょっちゅう大掛かりな術を扱えるものだろうか。
晁斗の知る『裏』の連中でも、ここまで出来る奴はいなかったが。
「よみ……しで? とこよ……?」
晁斗達の会話に、記憶喪失もだが常識勉強中の漣にはわけがわからなくなっていた。
とりあえず、まだ赤い線は先に続いているので進みながら話すことにした。
「漣。死んだ後、人間とかがどこに行くかは悠耶達から習ったか?」
「え……っと。死後の世界、地獄とか天国に行くか決まるんですよね?」
「とりあえず、それでいい。で、さっき俺らが言ってたことだが。あの世の中間地点みたいな場所に、悪の部分が溜まっているとこがあんだ。特定は出来ないが、術師はそれを使ってめちゃくちゃにしようとする奴もいる」
「それを……あの人達が?」
「ああ。甲本を媒体に、なんかしようとしているのはたしかだ」
面倒で面倒で仕方がないが。
甲本自身の望みである、死出への旅路をきちんとするためには。
あの男女から、甲本を取り返す必要がある。
準備は色々してきたが、正面衝突であの男女から漣を守りながら戦うことが出来るか。
所長としては、まだまだ未熟者である晁斗に出来るかわからないでいた。
だが、出来ないよりもやるしかないと思っている。
そして、少し先に進んだところで。赤い線がトラップのようにあちこちに方向を変えていたのだった。
「……晁斗さん」
焦っていると、漣が声をかけてきた。
「どうした?」
「僕、出来るかわかりませんが、これ直してみます」
「相手の呪力でねじ曲げられてんだぞ?」
「けど、急がないと甲本さんが大変です!」
「……わかった」
晁斗が許可を出せば、漣は深呼吸をしてから歌い出して。
音が空気を震わせていくにつれ、音が触れた線は歪な方向から徐々に伸びていき。
元のような一本の線になっていった。
「行きましょう!……ひゃ!?」
漣が首を触って声を上げたので、なんだと思ったら。
あの赤い箇所が目立つ雲から、雪が降ってきたのだった。
次回は火曜日〜




