27-3.突き通す咆哮
お待たせ致しましたー
*・*・*
なんだろう。
冷たくて、でも雨と違って。
白くて綿毛のようで、でも触ると冷たくて手の中ですぐに溶けて。
赤い箇所が目立つ雲から、どんどん降ってくるのだった。
「雪、か……」
晁斗が、この白いものの正体を告げてくれた。
その言葉のおかげで、漣もこの冷たいものの正体が雪と言うのだとわかった。
【ただの雪ではないな……】
「璐羽?」
漣がまたがってる狗神は、空に向かって唸り声をあげようとしていた。
【黄泉路の冷気……長く触れていると、ヒトの体力を徐々に削ってしまうだろう】
「え、え、え!? 僕達いっぱい触っちゃってるけど!?」
【漣には我がいる。晁斗も四神の化身である空呀がいるから問題はない。だが】
「……街の人間全員はそうもいかねーだろ」
つまりは、あの黒ずくめの女の人が、陸螺市全体に被害を及ぼしても構わないと思っているのか。
なんのために。
なんのために、こんな事態を引き起こしているのだろうか。
一度は殺した甲本の魂を利用したいからって。
あんまり、だ。
「……僕、怒りました」
「漣?」
【漣?】
「……こんな、天気……!!」
吹っ飛んでしまえ。
そう思って、ただ声を張り上げただけなのに。
まるで、光線を打ったかのように、漣の遠吠えのような爆音が。
雲を切るかのように、突風が、赤い箇所を突き抜けて行ってしまったのだった。
「う……」
「そ……」
【……ではないな?】
『天晴れ!』
最後のケサランパサランの親玉の言葉の意味はよくわからなかったが。
漣自身も、何が何だかよくわかっていなかった。単純に、あの男女に対して苛立ちが募っただけで。
ついつい、歌ではなく、声を荒げてしまっただけなのに。アニメとかのような、魔法技をぶっ放してしまった。
どうしてだ。
「あ……あれ?」
今の出来事を一番飲み込めていないのが、漣自身で。
おろおろしていると、目の前に淡い光の玉が飛んできた。
「?」
「なんだ……?」
触ってみようとしても、するりとすり抜けて。
まだ晁斗の術が発動している、赤い線の上にちょこんと乗ったかと思えば。漣達を呼ぶように、くいくいと動いたのだった。
「呼ん……でるんでしょうか?」
「雪もお前ので落ち着いてっし。とりあえず行くぞ!」
「は、はい!」
光は漣達が近づけば、少し先を進んでは止まるを繰り返して。
漣達を、確実に甲本達のところへと導いてくれているようだった。先は、晁斗の赤い線がまためちゃくちゃにされていたが、来い来いと決まった順路を教えてくれたのだから。
次回は金曜日〜




